
絵のタイトルは、「熊の摩崖仏」です。
このおっちゃんに、「しっかりせよ」と怒られそうです。
今日のタイトルは、「ちぐはぐな会話」です。
心配していたことが、やってきた。
そんな感じです。
あることをイメージし、話す。
相手の言葉を待たずに、もう一方が話す。
相手の話を聞くことが億劫になってきました。
話すごとに、感情がかぶさる。
タイミングがずれるため、会話になりません。
例えば、ガソリンを入れに行くのを私が忘れた。
慌ててスーパーの駐車場に入り引き返そうとする。
妻が、腐葉土が欲しいと買ってくる。
ガソリンスタンドに向かおうとすると、どうしてまっすぐ帰らないのと妻が言う。
部屋に来たが、「何しに来たの?」と、ひとつ前の記憶が怪しいのです。
我慢も効かなくなりました。
一昔前の不満が口を突いて出る。
出たものは仕方がないと、妻は臨戦態勢に入ります。
不満が油となり、妻の怒りの炎は燃え盛ります。
ぶり返すかと聞き流すこともできず、私は白旗を掲げます。
「勝手にやったら」と、他人には分からぬ二人だけの秘密です。
私たちもそんな夫婦になりつつあります。
先輩たちは、もっと苛烈らしい。
身体が動かぬだけに、「あれせえ、これせえ」と、やっと帰ってきた者を残された者は怒ります。
畑仕事をしておったほうが気が楽だと、杖をつきながら言われました。
これを通り越したら、すれ違いの会話になるのだろう。
一人が話す。
もう一人は聞いたことに関係ない、思い付きの話をする。
うなづく。
もう一方もうなづく。
聞いてくれていると嬉しくなり、どちらも楽しい。
二人とも笑いが止まらない。
軽重の差はあれ、二人とも認知症です。
恐ろしいことだけど、やってきます。
可愛い女房殿も、般若になったり恵比寿になったり忙しい。
そういう私も、鬼になったり駄々っ子になるのでしょう。
どうしたものかいな。
罵り合おうが夫婦です。
そのうち一人になるのです。
経験したことがない孤独がやってきます。
「亭主元気で留守がよい」と言われていた奥様も一時は落ち込みます。
世間並みに辛い時期を過ごした後は、羽が生えたように楽しくなるようです。
私は、負けてなるものかと一計を案じました。
妻が出かけたら、妻の枕を尻に敷いてやることにしました。
情けないけど、うふふ。
2025年6月14日
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