故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

ひぐらし

2018-06-28 05:20:05 | よもやま話

絵のタイトルは。鳴門海峡夕景です。


今日のタイトルは、「ひぐらし」です。
今年初めて、ひぐらしの声を聞いた。
松尾芭蕉が聞いた「閑さや岩にしみ入る蝉の声(しずかさや いわにしみいる せみのこえ)」は
ひぐらしだったんではないだろうか。
この辺りでは、朝早くからなく。

西にいくほど、ひぐらしがなく季節が遅くなる。
広島では、9月になってから夕方に聞いたように記憶している。
馴染みのないひぐらしの声は、もの悲しく聞こえた。
あの透き通ったカナカナという旋律のことである。
夏休みの宿題が終わらない記憶が、かぶるせいだろうか。

夏には、多くの出会いがあった。
そして、秋には終わっていた。
理由はいろいろあった。
忙しくなり会えなくなった。
夏は少し浮かれてもよかった。

ひぐらしの声を聞いて、どきっとした。
甘酸っぱい記憶を思い出させてくれた。
これからの日々の静かさを考えると、少し切なくもなる。
染みついたひぐらしの記憶は、一日の終わりであって、ここのように始まりではない。

ひぐらしが始まりの声となるとは、切なすぎる。
日々の暮らしの静かさを、じっと聞き取るまで生きなきゃならない。
いずれは、「岩にしみ入る蝉の声」を聴くことができるだろう。

ひぐらしに 越し方かぶせ 前を向く 

2018年6月28日
コメント
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