絵のタイトルは。鳴門海峡夕景です。
今日のタイトルは、「ひぐらし」です。
今年初めて、ひぐらしの声を聞いた。
松尾芭蕉が聞いた「閑さや岩にしみ入る蝉の声(しずかさや いわにしみいる せみのこえ)」は
ひぐらしだったんではないだろうか。
この辺りでは、朝早くからなく。
西にいくほど、ひぐらしがなく季節が遅くなる。
広島では、9月になってから夕方に聞いたように記憶している。
馴染みのないひぐらしの声は、もの悲しく聞こえた。
あの透き通ったカナカナという旋律のことである。
夏休みの宿題が終わらない記憶が、かぶるせいだろうか。
夏には、多くの出会いがあった。
そして、秋には終わっていた。
理由はいろいろあった。
忙しくなり会えなくなった。
夏は少し浮かれてもよかった。
ひぐらしの声を聞いて、どきっとした。
甘酸っぱい記憶を思い出させてくれた。
これからの日々の静かさを考えると、少し切なくもなる。
染みついたひぐらしの記憶は、一日の終わりであって、ここのように始まりではない。
ひぐらしが始まりの声となるとは、切なすぎる。
日々の暮らしの静かさを、じっと聞き取るまで生きなきゃならない。
いずれは、「岩にしみ入る蝉の声」を聴くことができるだろう。
ひぐらしに 越し方かぶせ 前を向く
2018年6月28日
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