以下は
2012年に旅した記録です。
芭蕉が「おくのほそ道」の象潟で詠んだ俳句、
・象潟や雨に西施(せいし)がねぶの花
の西施については、前回理解した。
ねぶの花は合歓の花のことで、
これは象潟の蚶満寺(かんまんじ)の門前近くに沢山あると、
「奥の細道の旅ガイドブック」(三省堂)にある。
訪ねてみると、真新しく見える(西施像)があり、
その手前に「ねむの木」は一本植えてあるが、
見渡した所、周りにねむの木は無かった。
このとき見た合歓の木が、
ボクが初めて合歓の木と知った合歓の木であった。
先ず手始めに、我が家の近所の植物園に行って、
「ねむの木」はありますかと訊いて、
生えている場所を聞いてから、
植物園で「合歓の木」を見た。
残念ながら花は無く、
一本の合歓の木が葉を繁らしていた。
(西施像)
(西施像横の合歓の木)
さて花は6月下旬から7月にかけての真夏に咲くものらしいが、
今年(2012)は天候不順で、異常気象でもあるから、
合歓の木さえ見つければ、あるいは花は咲いているかもしれない。
淡い気持ちで住まいの近くの心当たりを探したが、
まず、合歓の木自体が生えていない。
最近建設された近所の住宅団地に植栽されていないかと調べたら、
幸運な事に、七本ばかり合歓の木を見つけた。
しかし、さすがに花は見当たらなかった。
(植物園で見つけた合歓の木)
さらにネットを通じて、生えているところを探すと、
江戸川区の新長島川親水公園に合歓の木があることが判った。
その木から咲いた花を載せているHPも見つけた。
(新長島川親水公園)
(新長島川親水公園2)
(新長島川親水公園3)
早速、カメラ片手に暑い中を出かけたが、
親水公園は広く美しいが、林のように沢山生えている木の中に、
合歓の木はどれか、なかなか見つけることは出来なかった。
細長い公園で、公園の最後の所に二本大きな合歓の木があることが判った。
木は高いから仮に花が咲いていても、
ボクのカメラでは、写真に収めることが出来ないと、
諦めて帰りかけたが、
大きな合歓の木は土手の中腹にたっており、
土手の上は道路があることがわかった。
その土手の上の道路を通れば、
あるいは合歓の花は手近にあるかもしれない。
(親水公園の終り)
(土手の中腹にあった合歓の大木)
土手の階段を十数段登り道路に出る。
合歓の木の所へ出ると、
木には咲いた花の後に沢山の実が付いている。
遠い昔に咲いて、もう実が付いているのだ。
その実は充分ボクの手で獲ることができるほど近くにある。
花が咲いていれば、手で触れるほど近くにあるものを、
散った後では仕方が無い。
来年の6月頃来れば花が咲いており、写真も撮れるに違いない。
半ば諦めて帰ろうとしたところ、
はるか高い所に赤いものが見える。
半信半疑で目を凝らすと、
見間違うことないネットで調べた合歓の花で、
それも二~三個咲いている。
(合歓の花)
カメラを構えて写すも風があり、花が揺れて上手く撮れない。
手ぶれ補正のカメラであるが、ピンボケは補正できない。
残念ながらピンボケの合歓の花で我慢をしていただきたいと思う。
時期遅れの最後の花と思われます。
(ボケていて合歓の花が良く判らない)
(ピンボケの合歓の花)
その後近所の住宅団地に植えられた合歓の木を見ると、
花が付いているではないか。
小躍りして写真を構えるも、これも高い所にあり、
風で揺れピンボケになったが、
何とか見られそうなものを載せたいと思います。
(近所に見つけた合歓の花)
松尾芭蕉はずいぶん罪な人だ。
「象潟や雨に西施がねぶの花」
の俳句を理解するのに、
何日も時間を費やしてしまった。
さらにその後、娘のお友達の家に鉢植えの合歓の木があると聞いて、
訪ねると、花が咲いている鉢植えの合歓の木があった。
これが一番花らしく見える。
(鉢植えの合歓の花)
(鉢植えの合歓の花2)
・ねむの花さがしもとめて西ひがし hide-san
芭蕉が安積山で「かつみかつみと尋ねありきて」という場面を彷彿します。「奥の細道」は、各章で花が印象的に取り上げられています。月山での「降り積む雪の下に埋もれて春を忘れぬ遅桜の心わりなし」の一文が私は好きです。
義仲寺を訪問した際、境内にある芭蕉の花に思わず出会えました。
コメントに義仲寺が出てこようとは思いませんでした。
義仲寺には芭蕉の句碑が3個ありましたね。
>安積山で「かつみかつみと尋ねありきて」
安積山は福島原発事故の後に訊ねたので、
放射能が残っており、入山禁止でしたが、
幸い山裾に「花かつみ=ヒメシャガ」が咲いていました。
このミサゴが英語でオスプレイとは知りませんでしたが、
同じように急降下できるのでしょうね。
それで事故が多い・・・とは。
>未だ帰宅困難地域を抱える双葉町に、
福島にいまだに帰宅困難地域があるとは知りませんでした。
気を付けてお出かけください。