矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

Lessons learned from COVID-19: 感染対策の底上げを!

2020-02-19 23:21:32 | 医学教育
対応する機会をいただき現場対応しております。

今回のアウトブレイクでのLesson 1

1. 平常時での感染対策の底上げ
日頃から、手指消毒、ガウン着用などの個人防護具の使い方に習熟し、実践すること

2. 現場と意思決定組織とを直結するしくみ

3. 日頃の現場経験があるエキスパートによる科学的根拠に基づいた意思決定

今後も活動から考えられるLessonをシェアして参ります。

全くの個人的な体験からの振り返りです
国内対応の状況の相対評価(所感)
1. 2001年のバイオテロリズム を0点(基準)とする場合
「標準予防策」の概念と実践に奔走しました。

2. 2003年のSARSは5点
「診療拒否」の医療機関などがあり、非常に残念に思いました。
香港政府が、英語でプレスリリースする状況をみながら、日本で疫学、感染症の両方に精通し、かつ、英語でプレス対応する人材はとても少なかった時期です。

3. 2009年新型インフルエンザは、30点
検査結果の「感度」「特異度」の概念が十分に浸透していない状況で、
現場は混乱していました。

4. 2020年の新型コロナウイルスは、これまで、クルーズ船以外の対応 70点
情報共有、日本語での症例報告の無料公開、
症例定義の設定、などこれまでにないスピード感で、専門家による情報共有がなされていました。 臓器横断診療の感染症科専門医の層が厚くなり、全国で、リーダーシップを取れる仲間が多数、活躍されました。今も活躍されています。

クルーズ船 30点
感染症専門家が、関与するタイミングの問題、
関与の仕方
感染管理の知識と実践の共有の大きな課題がありました。
1日1日と日が経つにつれ、ダイナミックに変化していくスピードに、対応が追いついていなかった点
検査のキャパシティの問題
環境表面がハイリスク(汚染されやすい構造)、
天井が低い
換気しにくい

など不利な点が重なっていた印象。

個人的な印象ですが、自分のメモとしても共有させていただきます。


最新の画像もっと見る