矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

プロフェッショナルの言葉に感動

2016-09-19 21:44:52 | 日記
大学時代に、よくTVで拝見していた猪口邦子さん。

当時、新進気鋭の上智大学の助教授で、コメンテーターとして鋭い洞察をされており、私はとてもあこがれていました。
そして教授、軍縮会議の議長など重職を歴任されました。いまは政治家としてご活躍ですね。

存じませんでしたが、2020年までに女性管理職30%という目標は、少子化大臣としてご活躍されていたときに猪口さんが提案したことだそうです。

一度、ご講演を聞いてみたいと思っていました。前回、参加予定であったビジネス関係の講演への参加をキャンセルして以来、チャンスがありませんでした。

この度、幸運にも二度目のチャンスが巡ってきまして、楽しみに出かけました。講演開始の30分前に到着し、私は一番乗りで、講演準備をされていらっしゃる場面でお会いできました。名刺交換させていただきました。TVで拝見するお姿よりも小柄な印象を持ちました。

ご講演1時間は、まったく飽きさせない、集中力がどんどん上がり、聞く者の真剣度合いがあがるような、理知的で学術的にも非常におもしろい内容でした。

あまりにも感動的で、Inspiringでしたので、自分のメモをシェアさせていただきます。

ご自分の生い立ち、なぜ、国際政治学を志したのか。尊敬する唯一の?高校時代の教師(女性)ひとことで、一生志す”疑問”が決まったとのことでした。

当時、女性の教師もめずらしかったようですが、本来ならば大学で文学部教授になるくらいの方だったそうです。
その先生が、戦争で夫を失い、未亡人となり、シングルマザーで子育てしている、と。そのひとことで、火がついたとのことでした。
その1点、「人はなぜ、戦争をするのか」。この一点を突き詰めるために学窓に身を置いていたそうです。

私の人回り半ぐらい年齢的には上の方ですが、女性のロールモデルとして、ナイチンゲール、キュリー夫人が主流の時代だったそうです。
キュリー夫人が、ポーランドからパリに留学して、2つのノーベル賞を受賞したのは、なぜか。この問いが解けたと話されました。
それは、「当時のその時代背景を超える女性観を持っている人」がそばにいたから、ということでした。なるほど、と納得しました。

本人の能力が高くても、それを十分に発揮できる環境、とくにサポートしてくれる誰かがいない限り、極めて困難と思います。

自身を振り返っても、私が圧倒的な情熱をかける仕事に没頭できるのは、まず家族。そして職場で周囲の理解ある方々や、現場では優秀な若手医師の方々がいらっしゃらなけば、年間、数回の国際学会活動、数十回およぶ教育講演などはできません。

さらに、猪口さんの迫力ある言葉に、

「いま、ここでやっていることが、国内外で、ベストでなければならない」

というものでした。

大学は、Excellenceを競うところ。


政治家は、すべての人にリーチし、すべての人の価値観を認めること

ともおっしゃいました。

バックグランドの政治学でアカデミックな考え方も駆使し、アイビーリーグの大学院をトップで卒業され、軍縮会議など世界的にも活躍されたご経験などから、世界で活躍するプロフェッショナルに通じる共通の信念と、プロフェッショナリズムを感じました。

「一点突破の政策」(毛沢東)どんなに複雑に見える状況も、なにかひとつの政策に集約できる。

例 高い乳児死亡率は、女子の識字率をあげることで劇的に低下した。
例  小中学校のドロップアウトが女子に多いーー>女性用トイレがないから 女性トイレをつくればドロップアウトが減るのでは?

というような事例もご提示されました。


「ここでやっていることは、常に国内外でベスト」という高い基準を自分に課してパフォーマンスを行うこと、というお言葉に、胸を撃ち抜かれました。

最後に、責任ある仕事(参議院議員として)を担っているので、

「質素、簡素、勤勉」とおっしゃいました。

リスクのある行動はとらない。

プロフェッショナルとして、私も心がけるべきこと、共感することが多く、この点でも、すばらしい先人として尊敬し、ご活動を今後も応援し、お手本にしたいと思いました。





最新の画像もっと見る