矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

Tiger Mother読み終えました。

2011-07-30 00:39:07 | グローバリゼーション関連
Tiger Mother Amy Chua氏 著を先週読み終えました。

翻訳版でしたが、かなり彼女のトーンに影響され勉強モードになっていました。

現在、重要な仕事がどんどん同時に入ってくるのでかなりストレスフルに感じますが、タイムマネージメントをしっかりして、質の高い仕事をしたいです。

胆道感染症のガイドラインの日本語版、英語版ともに改訂に向けてがんばっています。

日本化学療法学会の抗菌薬適正使用生涯教育セミナーも今年で5年目になります。

9月3日の1日コースの打ち合わせを昨日行いました。テキストも改訂に向けて動きだします。大切な仕事なので十分に時間がかけられるようにしなければと思います。


コクランレビューと国際共同研究プロジェクトを前に進めつつ、オランダの大学院の医学教育の課題も8月末から再開となります。

8月末、9月、10月と国際学会とプロジェクト打ち合わせで渡欧、渡米予定です。

10月末ははじめての中国・上海の講演のため準備が必要です。

かなりハードな日々が予想されるため、ともかく効率よくいかにこなすか考えながら進行させねばと思っています。

ところで、東大が秋入学を開始するそうです。

「学生が事実を暗記するだけの教育」から、「学生が考える教育」へ日本の大学教育が大きくシフトすることを願ってやみません。

私自身は自身が教官と学生の2つの役割こなしていますので、その役割のコントラストがおもしろいです。教育スタイルがかなり進化したオランダの大学院教育は、「学生の意思の尊重」はもちろん、学習内容も自由(課題は決まっていますが)で、自分の必要なコンテキストのなかで学ぶ内容を応用することが課題となっています。きわめて実践的です。

北米、欧州(英国、オランダ)の高等教育に共通していることは、自分の意見と文献による見解とを明確に区別したプレゼンテーションの訓練の徹底(これは日本の大学や大学院でもされています)、特に強調されているのは、自分の主張をjustifyすること(理由を述べて説明すること)が常に強く要求されます。

自分はこう考える。

その理由はA, B, Cである。

A, B, Cの理由は、X, Y, Zらの研究結果で裏づけされる。

というような大雑把な構成のパラグラフ、文章をいくつもの課題で書きます。

非常によいトレーニングになっています。

国際社会で自分の意見を表現する際にはその根拠、裏づけされるエビデンス(データ、研究結果)が不可欠です。

今後の日本での高等教育で強化すべき点ではないかと切に思います。


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