矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

ソクラテス話法 実践

2014-04-11 00:00:55 | 医学教育
一番楽しいことのひとつは、学生さんや若手研修医の方とラウンドしたり、臨床上の質問セッションをすることです。

とても積極的で、学習目標を自分で立てている学習者の方とのセッションは、非常に刺激的です。こちらも感心するほどの正確な知識を持っている方も
多々います。

学習理論を学んでいるので、それを現場で実践するように心がけています。

一方的にミニレクチャせず、伝えたいことを質問に変えて、自分で答えてもらう、
あるいは、自分で考えることをファシリテーションする目的で、タイムリーに、的確な質問を投げる、というソクラテス話法をやろうとしています。

対話から学ぶことは多く、自分が学生の立場(Maastricht大学で)でもこの方法は満足度も高く、ファシリテーターにとっても刺激的で、win-winです。

ついつい欲張って多くの内容を伝えようとするとレクチャー(演説形式)になってしまうので、兼ね合いが難しいです。

私自身、膨大な情報を一度に聞いてもすぐ忘れるし、逆に自発的に気づいたことはインパクトが強いですね。

振り返りと繰り返し、ですかね。

好きな感染症領域も、しばらく使っていない知識は、記憶があいまいになるので、常に若手向けに質問することで、その領域の知識をupdateして、
維持します。自分が質問しながら、同じことを自分も確認して復習する。教育はその意味でも、自分の生涯教育です。