邦題:いとこのビニー (1992年 アメリカ)
原題:MY COUSIN VINNY
時間:120分
監督:ジョナサン・リン
出演:
ジョー・ペシ (ビニー)
ラルフ・マッチオ (ビル)
マリサ・トメイ (リサ)
フレッド・グウィン (判事)
■ストーリー
NYの若者2人、ビルとスタンがLAの大学へ車で行く途中、アラバマでコンビニに寄ります。
2人が乗っているのはグリーンのオープンカー。
食べ物を買い込んで、すぐに店を出て走り去りました。
しばらくしてビルがポケットの中に突っ込んだ35セントの缶詰の代金を払うのを忘れていたことを思い出しました。
両手一杯に抱えていて、持ちきれずにポケットに入れたのでした。
引き返して払おうか、などと話しているうちに後ろからパトカーがやってきて2人の車を止めました。
警官はショットガンを取り出しホールドアップ。
2人は逮捕され、別々に尋問を受けます。
ビル『(万引き)するつもりはなかったんです』
警官『友達は止めなかったのか?』
ビル『?止めませんでした』
警官『じゃあ共犯だな』
スタン『車の中で知ったんですよ』
警官 『どうしてすぐ警察に通報しなかった?』
スタン『友達ですから』
警官 『ふん、良い友達だな』
スタン『どうなるんですか?』
警官 『有罪と決まれば電気椅子だ』
たった35セントの缶詰を万引きしただけで、電気椅子に?
実は2人が去った直後にコンビニの店員が射殺され、グリーンのオープンカーで逃げ去る2人の若者の姿が目撃されていたのでした。
殺人の容疑がかかっていると分かった2人は、慌てて家へ電話して、弁護士をつけて欲しいと親に相談しました。
誰でも良い、と言うとビルのいとこのビニーがNYで弁護士をしているから依頼することに。
このビニーがジョー・ペシでした。
黒いレザー・ジャケットにパンツ、カーボーイブーツという胡散臭い恰好、ボロボロなうえに泥だらけの車にケバい恋人を乗せて登場します。
ビルとスタンは州立刑務所でビニーと会って話をしました。
実はビニーは司法試験に5回も落ち、6回目でようやく合格、弁護士になってわずか6週間。
法廷に立った経験もなく、これまで名誉棄損を扱ったことがあるだけ。
ビルとスタンは茫然。
■感想
裁判モノではあるんですが、コメディです。
弁護士として登場した主人公は、どこかで観た俳優でした。
背が低くて、少し固太りで、独特の喋り方・・・調べると、ジョー・ペシという人をなめた名前だと分かりました。
ジョー・ペシ・・・? 聞いたことあるな?『リーサル・ウェポン』だっけ?
すぐに『リーサル・ウェポン』の2と3に出演していたことを思い出しました。
確かリオという名前の不動産屋の役でした。
2ではマフィアのマネーロンダリングをやっていて逮捕され、FBIの証人として保護されている役でした。
マッドマックス、じゃなくてメル・ギブソンとダニー・グローバーのコンビに、チョロチョロついて回っていたあの小男です。
結構『あーもーうっとーしい』という役だったんですが、どうやら好評だったらしく、3にも出てきてチョロチョロしていました。
そういえば『JFK』にも出ていました。
トミー・リー・ジョーンズの仲間で、なぜか髪が金髪の役でした。
大方の予想通り、あっさり死ぬ役でした。
自殺に見せかけて殺されたあの小男です。
コメディのときと違い、ふざけた動きはしないんですが、ベラベラとやかましくまくしたてるキャラクターという点では同じでした。
さて『いとこのビニー』ですが、最初はイライラさせられる映画でした。
『どうしてこんなことになっちゃうの?』とか『なんでこんな奴を弁護士にする訳?』などと観ていて憤りを感じてしまいます。
ビニーやその恋人のリサも頭悪そうだし、最悪。
法廷でのビニーの失敗の連続のために、2人の若者は間違いなく電気椅子行きって様子です。
きっと『絶叫屋敷にいらっしゃい』みたいに、全編理不尽な展開でストレス溜まりそうな気がする、と思っていました。
しかし中盤から徐々に様子が変わって、終盤はまるでまっとうな裁判モノ。
それでいてしっかり笑えました。
つもは小うるさいオッサンに見えるジョー・ペシの芸風も、弁護士として見れば『雄弁』と言えないこともない・・・かな。
それほど期待せずに観た事と、観おわった後に序盤のストレス以上の爽快感があったためか、とても面白い映画でした。
出演者はほとんど見たことも聞いたことも無いような人ばかりで、いかにもB級という感じ。
(なんと言ってもジョー・ペシが主人公)
知っている俳優といえば、判事の役で出ていたフレッド・グウィンくらい。
『ペット・セメタリー』で主人公一家の向いに住んでるちょっと不気味な爺さんの役をやっていた人です。
『摩天楼はバラ色に』のラストにちょっとだけ出てきたライバル会社の社長デブンポートの役もやってました。(誰も知らないかそんなの)
しかし映像は結構綺麗だし、音楽はそこそこ?ってところだけど、展開のテンポも良かった。
監督のジョナサン・リンって名前は初めて聞くんですが、他にどんな映画作ってるんでしょう?
知っている人いたら教えて下さい。
そうそう、ビニーの恋人リサ役のマリサ・トメイはこの映画でアカデミー賞助演女優賞を獲得したとか。