中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

10月は、全国労働衛生週間

2014年09月30日 | 情報
10月1日から7日は、全国労働衛生週間です。
スロ-ガン は、「みんなで進める職場の改善 心とからだの健康管理」、安衛法の改正を念頭に置いていると思います。
メンタルヘルス対策の部分を最初に紹介します。

『ア労働者の心の健康の保持増進のための指針等に基づくメンタルヘルス対策の推進
(ア)事業者によるメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明
(イ)衛生委員会等における調査審議を踏まえた「心の健康づくり計画」の策定、実施状況の評価及び改善
(ウ)4つのメンタルヘルスケア(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケア)の
推進に関する教育研修・情報提供
(エ)職場環境等の評価と改善等を通じたメンタルヘルス不調の予防から早期発見・早期対応、職場復帰における支援までの総合的な取組みの実施
(オ)自殺予防週間(9月10日~9月16日)等をとらえた職場における自殺対策への積極的な取組みの実施』

以下、厚労省HPより紹介です。
全国労働衛生週間は、働く人の健康の確保・増進を図り、快適に働くことができる職場づくりに取り組む週間です。
この機会に自主的な労働衛生管理活動の大切さを見直し、積極的に健康づくりに取り組んでみましょう。

平成26年度 全国労働衛生週間 実施要綱
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000052905.html
1.趣旨

全国労働衛生週間は、昭和25年の第1回実施以来、今年で第65回を迎える。
この間、全国労働衛生週間は、国民の労働衛生に関する意識を高揚させ、
事業場における自主的労働衛生管理活動を通じた労働者の健康確保に大きな役割を果たしてきたところである。

我が国における業務上疾病の被災者は長期的には減少してきたものの近年は横ばいとなっており、昨年は7,310人と前年から約6%減少した。
一方、一般定期健康診断の結果何らかの所見を有する労働者の割合が平成25年は53.0%と職場での健康リスクは依然として存在していることから、
労働者の健康確保の観点から、健康診断の実施を徹底し、健診結果に基づく保健指導や事後措置を適切に実施していくことが重要となっている。

我が国の自殺者は平成25年は前年から減少して引き続き3万人を下回ったが、約2,300人が勤務問題を原因・動機の一つとしていること、
メンタルヘルス上の理由により休業又は退職する労働者がいること、
精神障害等による労災認定件数が平成25年も前年に引き続き400人を超えていること等から、
職場におけるメンタルヘルス対策の取組みは依然として重要な課題となっている。

さらに一昨年には、印刷事業場において化学物質を使用していた労働者に、高い頻度で胆管がんが発生していた事案が判明した。
このような化学物質による健康障害等の防止のため、印刷事業場に限らず、化学物質を取り扱うすべての事業場において、
安全データシート(SDS)等を通じて入手した危険有害性等の情報に基づくリスクアセスメントやばく露防止対策の実施等、
職場における自律的な化学物質管理の徹底が改めて課題となっている。

こうした状況に対応するため、改正労働安全衛生法が平成26年6月25日に公布されたところ、
その主な内容は、
①事業者は、一定の危険性・有害性を有する化学物質のリスクアセスメントを実施すること(平成28年6月までに施行予定)、
②事業者は、労働者に対しストレスチェックを実施すること(労働者数50人以上の事業場は義務、50人未満は努力義務)、
また、その結果、一定の要件に該当する労働者の申出に応じて医師による面接指導を実施すること(平成27年12月までに施行予定)、
③事業者は、事業者及び事業場の実情に応じ適切な受動喫煙防止措置を講じるよう努めること(平成27年6月までに施行予定)等となっている。

また、平成25年度から、平成29年度までの5か年を計画期間とする第12次労働災害防止計画が実施されており、
重点とする健康確保・職業性疾病対策として、メンタルヘルス対策、過重労働対策、化学物質による健康障害防止対策、
腰痛・熱中症予防対策、受動喫煙防止対策を掲げ、具体的な数値目標を設定しているところであり、
それらの対策の目標の達成をはじめとしたさらなる健康確保対策等の推進に向けて、事業者等が労働者の健康障害の防止、
健康診断の結果に基づく措置の実施の促進等に着実に取り組み、健康を確保する必要がある。

このような観点から、今年度は、
「みんなで進める職場の改善 心とからだの健康管理」
をスローガンとして全国労働衛生週間を展開し、事業場における労働衛生意識の高揚を図るとともに、
自主的な労働衛生管理活動の一層の促進を図ることとする。

2.スロ-ガン
「みんなで進める職場の改善 心とからだの健康管理」

3.期 間
10月1日から10月7日までとする。
なお、全国労働衛生週間の実効を上げるため、9月1日から9月30日までを準備期間とする。

10.実施者の実施事項

労働衛生水準のより一層の向上及び労働衛生意識の高揚を図るとともに、自主的な労働衛生管理活動の定着を目指して、
各事業場においては、事業者及び労働者が連携・協力しつつ、次の事項を実施する。
なお、震災の影響で事業活動を縮小している事業場等においては、実施事項を絞る、
震災により特に影響を受けた事項に重点を置いて点検をするなど自社の状況に応じた取組みとすること。
また、準備期間中においては夏季の電力需給対策を踏まえて取り組むこと。
(1)全国労働衛生週間中に実施する事項
ア事業者又は総括安全衛生管理者による職場巡視
イ労働衛生旗の掲揚及びスローガン等の掲示
ウ労働衛生に関する優良職場、功績者等の表彰
エ有害物の漏えい事故、酸素欠乏症等による事故等緊急時の災害を想定した実地訓練等の実施
オ労働衛生に関する講習会・見学会等の開催、作文・写真・標語等の掲示、その他労働衛生の意識高揚のための行事等の実施

(2)準備期間中に実施する事項
下記の事項について、日常の労働衛生活動の総点検を行い、労働衛生水準の向上を図る。

ア労働者の心の健康の保持増進のための指針等に基づくメンタルヘルス対策の推進
(ア)事業者によるメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明
(イ)衛生委員会等における調査審議を踏まえた「心の健康づくり計画」の策定、実施状況の評価及び改善
(ウ)4つのメンタルヘルスケア(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケア)の
推進に関する教育研修・情報提供
(エ)職場環境等の評価と改善等を通じたメンタルヘルス不調の予防から早期発見・早期対応、職場復帰における支援までの総合的な取組みの実施
(オ)自殺予防週間(9月10日~9月16日)等をとらえた職場における自殺対策への積極的な取組みの実施


イ過重労働による健康障害防止のための総合対策の推進
(ア)時間外・休日労働の削減及び年次有給休暇の取得促進及び労働時間等の設定の改善による
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進
(イ)健康管理体制の整備、健康診断の実施等
(ウ)長時間にわたる時間外・休日労働を行った労働者に対する面接指導等の実施
(エ)小規模事業場における面接指導実施に当たっての産業保健総合支援センターの地域窓口の活用

ウ労働衛生管理体制の確立とリスクアセスメントを含む労働安全衛生マネジメントシステムの確立を始めとした労働衛生管理活動の活性化
(ア)労働衛生管理活動に関する計画の作成及びその実施、評価、改善
(イ)総括安全衛生管理者、産業医、衛生管理者、衛生推進者等の労働衛生管理体制の整備・充実とその職務の明確化及び連携の強化
(ウ)衛生委員会の開催とその活動の活性化
(エ)危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく必要な措置の推進
(オ)現場管理者の職務権限の確立
(カ)労働衛生管理に関する規程の点検、整備・充実

エ作業環境管理の推進
(ア)有機溶剤等の有害なガス、蒸気、粉じん、騒音等の有害要因に労働者がさらされる屋内外の作業場及び酸素欠乏危険場所における
作業環境測定の実施とその結果の周知並びにその結果に基づく作業環境の改善
(イ)局所排気装置、除じん装置、排ガス処理装置、排液処理装置、遮へい設備等の適正な設置及び稼働並びに検査及び点検の実施の徹底
(ウ)粉じん等健康障害のおそれのある物質を取り扱う作業場所の清掃及び清潔の保持の徹底
(エ)換気、採光、照明等の状態の点検及び改善

オ作業管理の推進
(ア)自動化、省力化等による作業負担の軽減の推進
(イ)作業管理のための各種作業指針の周知徹底
(ウ)適切、有効な保護具等の選択、使用及び保守管理の徹底

カ健康管理の推進
労働者の健康確保の推進のため、健康診断及び事後措置の実施の徹底を図る必要があることから、
労働衛生週間準備期間である9月を「職場の健康診断実施強化月間」として位置づけ、以下について重点的に取り組む。
(ア)健康診断の実施、有所見者の健康保持に関する医師からの意見聴取及び健康診断実施後の措置の徹底
(イ)一般健康診断結果に基づく必要な労働者に対する医師又は保健師による保健指導の実施
(ウ)高齢者の医療の確保に関する法律に基づく医療保険者が行う特定健診・保健指導との連携
(エ)小規模事業場における産業保健総合支援センターの地域窓口の活用

キ労働衛生教育の推進
(ア)雇入時教育、危険有害業務従事者に対する特別教育等の徹底
(イ)衛生管理者、作業主任者等労働衛生管理体制の中核となる者に対する能力向上教育の実施

ク職場における受動喫煙防止対策の推進
(ア)職場の全面禁煙又は有効な喫煙室の設置による空間分煙等の受動喫煙防止対策の推進
(イ)受動喫煙の健康への有害性に関する理解を図るための教育の実施
(ウ)職場の受動喫煙防止対策に関する支援制度(労働衛生コンサルタント等の専門家による技術的な相談支援、
たばこ煙の濃度等の測定機器の貸与、喫煙室の設置等に係る費用の助成)の活用

ケ粉じん障害防止対策の徹底
(ア)第8次粉じん障害防止総合対策に基づく粉じん障害防止総合対策推進強化月間としての次の事項を重点とした取組みの推進
a.アーク溶接作業と岩石等の裁断等作業に係る粉じん障害防止対策
b.金属等の研磨作業等に係る粉じん障害防止対策
c.ずい道等建設工事における粉じん障害防止対策
d.離職後の健康管理
(イ)改正粉じん障害防止規則に基づく取組みの推進

コ職場における腰痛予防対策指針による腰痛の予防対策の推進
平成25年6月18日付け基発0618第1号にて改訂した新しい腰痛予防対策指針に係る以下の対策を推進すること。
(ア)介護・看護作業における腰部に負担の少ない介助法の普及の推進
(イ)腰痛予防に関する労働衛生教育の実施
(ウ)作業標準の策定
(エ)社会福祉施設及び医療保健業向けの腰痛予防講習会の活用

サ熱中症予防対策の徹底
(ア)暑さ指数(WBGT値:湿球黒球温度)の活用、自覚症状の有無に関わらない水分・塩分の摂取、
熱中症を考慮した労働衛生管理・労働衛生教育等の取組みの推進
(イ)夏季の電力需給対策を受けた事務所・作業場の室内温度の設定を踏まえた熱中症予防対策の推進

シ電離放射線障害防止対策の徹底

ス騒音障害防止のためのガイドラインに基づく騒音障害防止対策の徹底

セ振動障害総合対策要綱に基づく振動障害防止対策の徹底

ソVDT作業における労働衛生管理のためのガイドラインによるVDT作業における労働衛生管理対策の推進

タ化学物質の管理の推進
(ア)SDS及びラベルによる化学物質等の危険有害性等に関する情報の提供及び活用
(イ)化学物質による危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置の実施等を始めとする自律的管理の推進
(ウ)作業主任者の選任、人体に及ぼす影響・取扱い上の注意事項等の掲示、漏えい・発散防止等適切な管理の推進
(エ)化学物質によるばく露防止のための保護具の着用等の徹底
(オ)建設業、製造業における有機溶剤中毒の防止
(カ)建設業、製造業等における一酸化炭素中毒の防止
(キ)ダイオキシン類による健康障害防止のための対策要綱に基づくダイオキシン類ばく露防止措置の実施
(ク)ナノマテリアルに対するばく露防止対策の徹底
(ケ)有機溶剤等化学物質を使用する事業場におけるばく露防止対策の徹底

チ石綿障害予防対策の徹底
(ア)建築物等の解体等の作業における石綿ばく露防止対策の徹底
(イ)吹き付け石綿又は石綿含有断熱材等の損傷等による石綿ばく露防止対策の徹底
(ウ)石綿製品の全面禁止の徹底
(エ)離職後の健康管理の推進

ツ酸素欠乏症等の防止対策の推進
(ア)酸素欠乏危険場所における作業前の酸素及び硫化水素濃度の測定の徹底
(イ)換気の実施、空気呼吸器等の使用等の徹底

テ心とからだの健康づくりの継続的かつ計画的な実施のための体制の整備・充実

ト快適職場指針に基づく快適な職場環境の形成の推進

ナ職場におけるウイルス性肝炎に関する理解と取組みの促進

ニ職場におけるエイズ問題に関する理解と取組みの促進

ヌ職場における風しん対策ガイドラインに基づく取組みの促進

ネ東日本大震災に伴う復旧工事における労働衛生対策の推進
(ア)建築物等の解体作業、がれき処理作業や津波で打ち上げられた船舶の解体における石綿ばく露防止対策、
粉じんばく露防止対策、破傷風等感染防止対策等の徹底
(イ)東電福島第一原発における作業や除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止対策の徹底
(ウ)平成24年8月10日付け基発0810第1号に基づく東電福島第一原発における事故の教訓を踏まえた対応の徹底

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