中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

どうして深堀りしないのでしょうかね

2024年07月02日 | 情報
マスコミ報道は、厚労省発表そのままですね。同じことを毎年繰り返しています。
どうして深堀りしないのでしょうかね。

精神疾患で労災認定、過去最多883人…カスハラ原因は52人
2024/06/29 読売

仕事のストレスでうつ病などの精神疾患を発症し昨年度に労災認定された人は、
過去最多を更新する883人(前年度比173人増)だったことが厚生労働省のまとめでわかった。
労災の認定基準として昨年度から追加された「カスタマーハラスメント」が原因だったのは52人だった。
労災認定された人の年齢別では、40歳代が239人と最多で、20歳代が206人、30歳代が203人で続き、39歳以下の若年層が約半数を占めた。
原因別では多い順に、「上司らからのパワハラ」が157人、「悲惨な事故や災害の体験、目撃」が111人、「セクハラ」が103人だった。
自殺や自殺未遂をした人は、前年度比12人増の79人に上った。
顧客らから理不尽な要求を突きつけられるカスハラは昨年9月、労災の認定基準に新たな類型として追加された。
接客業や介護、看護などの職場で多く働いている女性が被害に遭いやすいとされ、認定された52人のうち45人が女性だった。
厚労省の担当者は、精神疾患の労災が増えている理由について
精神障害も労災認定されるとの周知が進んだほか、認定基準の改正で心理的評価の項目が出来事別に拡充され、
労働者が自分に起きた出来事がどれにあたるか判断しやすくなったこともある」と話している。
一方、過重労働などによって脳や心臓疾患を発症して労災認定を受けた人は、
前年度比20人増の214人(うち死亡者は56人)。職種別では、トラック運転手などの「自動車運転従事者」が64人で最多だった。


〇令和6年6月28日(金)
照会先 厚労省労働基準局 補償課 職業病認定対策室

令和5年度「過労死等の労災補償状況」を公表します

厚生労働省は、令和5年度の「過労死等※1の労災補償状況」を取りまとめましたので、本日公表します。

厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、
労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数※2などを、平成14年以降年1回、取りまとめています。

※1「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、
「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡
若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による
死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されています。
※2支給決定件数は、令和5年度中に「業務上」と認定した件数で、令和5年度以前に請求があったものを含みます。

・ポイント
過労死等に関する請求件数  4,598件(前年度比1,112件の増加)
支給決定件数  1,097件(前年度比193件の増加)
うち死亡・自殺(未遂を含む)件数 135件(前年度比14件の増加)

・2 精神障害に関する事案の労災補償状況
(1)請求件数は3,575件で前年度比892件の増加。
うち未遂を含む自殺の件数は前年度比29件増の212件。P15 表2-1
(2)支給決定件数は883件で前年度比173件の増加。
うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件増の79件。P15 表2-1
(3)業種別の傾向
・業種別(大分類)
請求件数は「医療、福祉」888件、「製造業」499件、「卸売業、小売業」491件の順で多い。
支給決定件数は「医療、福祉」219件、「製造業」121件、「卸売業、小売業」103件の順に多い。P16 表2-2
・業種別(中分類)
請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「医療、福祉」のうち
「社会保険・社会福祉・介護事業」494件、112件が最多。P17 表2-2-1、P18 表2-2-2
(4)職種別の傾向
・職種別(大分類) 請求件数は「専門的・技術的職業従事者」990件、「事務従事者」782件、「サービス職業従事者」579件の順で多い。
支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」259件、「事務従事者」154件、「サービス職業従事者」126件の順に多い。P19 表2-3
・職種別(中分類)
請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」582件、107件が最多。P20 表2-3-1、P21 表2-3-2
(5)年齢別の傾向
請求件数は「40~49歳」953件、「30~39歳」848件、「50~59歳」795件の順で多い。
支給決定件数は「40~49歳」239件、「20~29歳」206件、「30~39歳」203件の順に多い。P22 表2-4
(6)時間外労働時間別(1か月平均)の傾向
支給決定件数は「20時間未満」が63件で最も多く、次いで「100時間以上~120時間未満」が55件。P24 表2-6
(7)出来事※別の傾向
支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」157件、
「業務に関連し、悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」111件、「セクシュアルハラスメントを受けた」103件の順に多い。P26 表2-8
※「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、認定基準において、一定の事象を類型化したもの。

〇労災申請・認定の件数が過去最多
日テレNEWS NNN6/28(金)

長時間労働やパワハラによるストレスなどで、心臓や脳の病気やうつ病などになったり、死亡や自殺したりした場合、労災が申請できますが、
昨年度の申請件数、実際に労災と認められた件数、ともに過去最多だったことがわかりました。
厚生労働省によりますと、昨年度、脳や心臓の病気や精神疾患、自殺などについて、
業務上の過労やストレスによるものだとして、本人や遺族から労災が申請されたのは、4598件で前の年度より1112件増え、過去最多でした。
一方、昨年度労働基準監督署によって労災と認められ、労災保険給付を支払うと決まったのは1097件で、前の年度より193件増え、過去最多です。
このうち自殺を含む死亡と自殺未遂はあわせて135件でした。
脳や心臓の病気での労災認定は、道路貨物運送業が最も多く、年代では50代が最も多くなりました。
精神疾患での労災認定は、医療・福祉業が非常に多く、年代では40代が最も多くなりました。
精神疾患で労災と認定された例で、背景にある出来事を分類すると、
最も多かったのはパワハラ、次が仕事上、悲惨な事故・災害の経験や目撃、セクハラの順に多くなっています。
過労やストレスによる労災の申請や決定が過去最多だったことについて、
厚生労働省の担当者は、「脳や心臓の病気については、55歳以上の労働者が増えたことが関係していると考えられる。
また精神疾患については、過労死やパワハラへの認識、理解が進んだため、申請が増えたのではないか」と説明しています。
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