中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

うつは、うつる

2012年08月28日 | 情報
精神疾患の問題で、不謹慎な語呂合わせをして申し訳ありません。
しかも、「うつは、うつる」は、精神医学的に正しいことではありません。

しかし、「うつは、うつる」と言っても、あながち見当違いではないと考えています。
たとえば、うつ病をり患した部下から上司へ、女性に多いうつ病をり患した友人に同情して、
うつ病をり患したご主人の看護疲れとも相まって奥さんがり患する、というような事例を聞いています。

「アエラ」誌の'12.8.27号にも、「新型うつ社員でうつになる」というタイトルのもとに、
同様な事例が紹介されています。

ほっとしたのもつかの間だった。「課長、Aさんが軽度のうつだと診断されたそうです」
従業員数千人のメーカーで人事一筋20年の男性課長は、耳を疑った。
うつ病社員の退職が決まった翌週のことだった。それにかかわった人事担当の若手社員のAが、
よりによってうつになるなんて…。
この春入社した有名大学卒の新入社員が、研修中から「同期とうまくいかない」と休み始めた。
付箋を同じ位置に平行に貼らないと気が済まない几帳面さの一方で、学生時代から同級生と
うまくコミュニケーションできなかったことなどが、後になってわかった。
「みんなと雑談ができない」と落ち込み、自殺願望を口にするようになった。
最終的には退職したが、それまでこの社員に対応していたのがAさんだった。電話口で「死にたい」と
言われれば、アパートまで駆けつけた。その回数は片手では足らないほどだ。
残業中に電話がくれば、仕事の手を止めて話を聴いた。
「今度は俺が代わりに行こうか」男性課長が助け船を出しても、Aさんは首を横に振った。
「初対面の課長が行くと、あの子緊張しちゃって、かえって状況は悪くなると思います」
そう言われると、任せるしかなかった。
通常ならば配属先の上司らも対応するので、ケアする側の負担は分散されるが、このケースは
まだ配属先も決まっていない研修中の新入社員。人事が介入する度合いが高くなった。
結局、新入社員の退職直後から、Aさんは3週間ほど休んだ。「あのときはかなり慌てました。
でも、Aが心のバランスを崩すのも無理はない。とにかく仕事がハードですから。」
他の部署に勤務時間を早く切り上げるように言いながら、人事担当者の残業時間は増えるばかり。
給与や保険関連、社員研修、定期異動など、人事担当者の職務は多岐にわたる。本来やるべき
人事の仕事は山積みなのに、最近は社員のメンタルヘルスケアに奔走する。(以下省略)

事例として納得性が高いので、紹介しました。
職務に熱心な社員ほど、危険性が高まる傾向にあります。しかし、管理職の関心は、往々にしてまじめな社員、
業績の良い社員には、目がいかないものです。部下の健康を管理する管理職の役割はますます重要です。

なお、当記事を参照される方に、注意です。
本文中に、「最近はうつ病と書かれた診断書を社員が提出しても、『自社の産業医がうつ病と診断しない限りは
認めない」といった企業もあるという。」表現があります。
これは、危険です。
産業医が精神科専門医であればよいのですが、産業医のなかには外科医等もおり、ほとんどの産業医は、
精神科専門医ではありません。産業医も判断を誤る場合もあります。産業医の判断に100%従うのも配慮が必要です。
一方で、主治医の診断書は重く受け止めなければなりません。

それでは、どうすればよいのか?
詳しくは、橋本社会保険労務士事務所までお尋ねください。
企業の個別の課題・問題点の相談に応じています。



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