中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

大人の発達障害(5)

2015年11月02日 | 情報

発達障害は、アスペルガー症候群のように成人してから、顕在化する例があるようです。
例えば、企業が新卒者を採用する際に、法定の健康診断を実施しますが、ここでは発見されず、
入社後しばらくしてから、判明することがあります。しかも院卒のような高学歴者の場合が多くあるようです。
働くようになって、環境が一変したのが要因なのでしょうか。
しかし、企業側としては、即戦力として期待した人材が、精神疾患を発症してしまうわけですから、
とても困るわけです。プロ野球で、ドラフト1位の選手が戦力にならないようなものです。
一方で、入社した当事者も当惑しますよね。自分の能力、才能を開花させるチャンスを掴んだばかりなのですから。

大人の発達障害(5)
Q&A 「心の病気」との誤診多く

大人の発達障害について、昭和大発達障害医療研究所所長の加藤進昌さんに聞いた。
――発達障害とはどのような病気でしょうか。
「生まれつき脳の機能に障害があるために起きると考えられています。
人との交流や意思疎通に困難を抱えるアスペルガー症候群や、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、
自閉症、学習障害などがあります。アスペルガー症候群とADHDが合併したタイプもあります」
――どのように分かるのでしょうか。
「子どもの頃から症状があるため、これまで子どもの病気と思われてきました。
しかし、見過ごされることも多いことが分かってきました。
本人は違和感を覚えながらも、周囲が気づかず、受診に至らないこともしばしばです。」
「他者の視線を意識したり、思いを推測したりすることが苦手なため、社会に出ると一気に生きづらさが増します。
指示されたことだけをして何も報告しないなど、仕事に支障をきたすこともあります」
――どのように治療するのですか。
「子どものADHDは、コンサータやストラテラなどの治療薬で半数を超える患者の症状が改善すると言われており、
2012年以降は大人にも使えるようになりました。
アスペルガー症候群など、その他の発達障害の治療薬は現時点でありません。
ただ、女性の陣痛や母乳の分泌を促すホルモンの一種、オキシトシンが、自閉症の症状緩和に役立つと期待されています」
「昭和大烏山病院では08年から、発達障害の患者を対象にしたデイケアを開き、
試行錯誤しながら支援プロラムを構築してきました。
他の病院と共同で効果を検証し、人とのコミュニケーション能力などを示す指標の改善が確認されました」
「デイケアへの関心は高いので、実施するスタッフ確保などに課題はあるものの、
今後もプログラムを改良しながら、より多くの医療機関に浸透させていきたいと考えています」
――診療の問題点は。
「的確な診断ができる医師や医療機関は、まだ限られています。
学校でのいじめや職場での失敗による、うつ病や不安障害など、ほかの心の病気とみなされるケースも多いのです」
「一方で、昭和大烏山病院の発達障害外来を、発達障害を疑い受診した患者の半数以上は、
本来はそうではないと考えられます。私自身の反省も含めて、過剰診断も珍しくありません」
――発達障害とどう向き合うべきでしょうか。
「脳機能の障害が問題であり、苦手なことは本人の意思ではどうにもならないことが多いのです。
努力が足りないと自分を責め、うつ病や引きこもりなどにつながる恐れもあります。
本人は社会的なスキルを学ぶ努力をする一方で、得意な部分に着目し、それを生かす社会の環境作りも必要です」

 


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