◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

ある、ない、ひょいと聞き間違えることがある。

2007-04-14 11:20:50 | ディクテーションについて
               そりゃ間違えるって
 ディクテーションをやり始めて間もないころ、あ、いや、そのころはほとんどテープでしたから、テープ起こしですね、テープ起こしをやり始めて間もないころ、入力スピードは遅く、ボキャブラリーも貧しくて、言葉の流れや話に矛盾があっても気がつかないということがありました。はっきり聞こえていても、ひょいと「ある」を「ない」と聞き間違えることすらありました。今は、流れで何かおかしいなと感じるので、すぐに戻って修正します。この「感じる」というのが重要なのです。でも、音が悪いうえに聞き慣れない方言とか、条件が非常に悪いとどうしても間違いに気づけないことはありますよ。
 あるとき、ほかの人が講演を入力したものを見る機会があったのですが、たまたま「ある」が「ない」になっていたのです。でも、その人は私よりずーっと先輩のベテランです。あれれ、どうしたのかなぁと思いつつ続きを見ていくと、講演の後に質疑応答があり、そこで、先ほど「ない」と入力ミスしていた事柄について「あるのですね」と確認した人がいて、演者が「はい、あります」とはっきり答えている、にもかかわらず、なんと、「ありません」と入力してあったのです。これには驚きました。
 決して音が悪くて聞こえなかったわけではなく、私には、「ある」「あるのですね」「はい、あります」と聞こえたのです。なぜ「あります」なのに「ありません」と入力してあるのだろうか。最初に「ない」と認識したら次も「ありません」と聞こえるのだろうか。うーん、それはあるかもしれません。あるいは、ここで「あります」にしたら、前に「ない」としたところに戻って「ある」に修正しなければならなくなるので、それが面倒くさかったのだろうか。もちろん、そんなことが許されるはずはありませんが。確かに、ひょいと聞き間違えることはあるけれど、これで気づかないというのはおかしいなぁ・・・。
 でも、ここだけの話、慣れていない作業者が入力したものを見ると、全く前後の意味がつながらない言葉を入力してあるなんていうことはよくあります。ですから、何が言いたいかというと、人の話を正確に文章化することがいかに難しいかということで、録音状態が悪かったら多少の間違いがあっても文句は言えないぞ、と、本当にここだけの話ですからね。
コメント
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