日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「統計の意味」を考えない国

2022-01-21 15:11:59 | アラカルト

昨年暮れに発覚した「国の基幹統計、書き換え」という事件があった。
朝日新聞: 「すべての数字を消す」国が指示 消しゴムで書き換えた統計データ

このことが発覚してから、犯罪行為があったとして誰かが逮捕された、というニュースにはなっていない。
逮捕されるようなことが無ければ、問題はない、と認識される方もいらっしゃるとすれば、それは違う意味で大問題だと考えている。
なぜなら「国の基幹統計」は過去のものではないからだ。

「国の基幹統計」が過去のものではない、というと奇異な印象を持たれる方がいらっしゃるかもしれない。
なぜなら、統計の数字というは、調査した時点での数字であって、まとめられた時点では過去の数字に他ならないからだ。
では、なぜ「過去のものではない」といえるのか?というと、統計から見える数字を基に未来を予測することができるからだ。

社会学者という一面を持っていたドラッカーは「人口統計から未来を見ることができる」と、話していた。
例えば、今10歳の子供たちは、10年後20歳になっている。
ということは、10年後の20歳を対象とした市場は、今の10歳の子供たちの人口を最大とした市場である、と考えられるからだ。
同様に、10年後の70歳以上の市場規模を考えたとき、平均寿命を参考にしながら今の60歳以上の人たちが最小の市場規模だと考えることができる。
その間に、劇的な医薬品が開発され不治の病のように言われてた病気が治るようになれば、その数字は増えることはあっても減ることは少ない、と考えることができる。

ほかにも、現在問題となっている「新型コロナ」の感染拡大についても、「感染者」の定義を明らかにし、調査対象となった人を分母とし、感染者を分子とすれば、感染率というものがわかる。
それを職種ごとに分析をしたり、居住環境などの条件を付け分析をしたりすれば、今生活者が一番知りたい「どのような環境で、どれくらい感染するのか?」と一つの指標となるものがわかってくる。
そのデータに、感染者の症状や濃厚接触者から何日後の発症なのか?という条件を加えることで「潜伏期間」がわかるようになるし、陽性者数に対して軽症者・中等程度・重症という数字を当てはめていくことで、「オミクロン株」の特性のようなものも少しは見えてくる。

ところが残念なことに、メディアで伝えられる情報は「陽性者の数字」だけになっている。
「オミクロン株」以前に流行した「デルタ株」などと比較するためにも、このような基礎的な統計は、政策を立てる時にとても重要な役割を果たすだけではなく、その時々の対応策に影響を与えるはずだ。

そのように考えた時、日本では「統計」の意味を十分に理解しているのだろうか?という、疑問がわいてくるのだ。
理解が十分にされていないがために、統計の改ざんなどをすることに抵抗がないのだ。
統計は数字の羅列ではない。
統計を取る時には、とる理由と目的があったはずだ。
その理由と目的を理解することなく、「印象の良い数字」だけを求めているとすれば、それは「統計」ではなく、意味のない数字の羅列になってしまう。
意味のない数字の羅列は、公正な数字ではないし、最悪な場合一部の権力者にとって、都合の良い数字の羅列ということにもなり兼ねない、ということでもあるのだ。


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古着市場とブランド

2022-01-20 19:24:20 | ビジネス

ファッション専門誌・WWDJapanのWebサイトを見ていたら、米国でリセールECサイトが人気、という記事があった。
WWDJapan :表と裏の古着市場 米リセールECと日本の”川上”徹底調査

「リセール」と「古着」とでは、ずいぶん言葉のイメージが違う。
ただ、日本でも「中古品市場」が大きく伸びている、と書くと驚かれるかもしれない。
日本における「中古品市場」というのは、メルカリなどを中心としたC2Cのネットビジネスの事だ。
ほかにも、最近では「買取ビジネス」なども盛んになってきており、当然このような市場で扱われるのは「中古品」ということになる。
そしてそれらの多くは、衣料品=古着と考えてもよいかもしれない。
ただ、WWDJapanが特集をしている「古着市場」というのは、メルカリなどのC2Cビジネスの話ではない。
ファッションブランド自らが「リセール市場(=古着市場)」へ参入し始めている、ということなのだ。

ご存じのように、ファッション業界の流行の流れはとても速い。
一昨年の秋冬物を店頭に並べて販売をする、というわけにはいかない。
そこで登場したのが「アウトレット」という市場だ。
前のシーズン商品をタグをカットして、自社のアウトレットショップで販売をする、というビジネスだ。
最近では、コロナ禍とは言え「アウトレットモール」そのものの人気に陰りが出てきている、という指摘もあった。
「アウトレットモール」で買い物をすることに飽きたのか?それとも「アウトレット」商品そのものに魅力が感じられなくなったのか?その点はまだ不明だが、以前ほどの人気ではなくなりつつある、と言われている。

では「アウトレット」と「リセール」との違いは何か?ということになる。
「アウトレット」は、倉庫で眠っていた商品。
「リセール」は、一度は誰かの手に渡ったが返品をされてきた商品、ということになる。
この違いは、些細な違いのように思えるが、実は大きな違いがある。
「リセール」商品というのは、購入者がいた商品であり、本来であれば売れた商品であった、ということになる。
ブランド側としては「倉庫に眠っていた(買い手がなかった)商品」よりも「一度は買い手がついた商品」のほうが、商品価値の違いがあるはずだ。

と同時に、ここ数年盛んに言われるようになってきた「SDGs」や「環境にやさしい商品」という視点で考えると、ファッション産業そのものが「環境負担の大きな産業」であるために、「リセール」のような形で商品を販売する必要が出てきたのだ。
2018年には、英国の人気有名ファッションブランド・バーバリーが42億円相当の売れ残り商品を償却処分していた、と話題になった。
BBC News:英バーバリー、42億円相当の売れ残り商品を焼却処分

大なり小なり、ファッションブランドは売れ残り商品の焼却処分をしている、というのは業界内では随分前から言われてきたことで、業界内では当たり前のことだったはずだ。
それが時代の変化や生活者の関心事が変わったことで、企業そのものも対応を変える必要が出てきた、ということなのだ。
結果として「リセール」に積極的なブランドは、ブランド価値が上がる、という状況になったことで大手企業が積極的になってきている、ということなのだ。

果たしてこのような「リセール」サイトは、日本でも人気になるだろうか?
日本ではまだまだ、ユニクロのようなファストファッションが人気で、経済的にも「ブランドサイトのリセール」で気軽に購入できるだけの経済的な回復とはいいがたい状況にある。
もしかしたら、「ブランドサイトのリセール商品を購入するか?」はたまた「ファストファッションを毎シーズン購入するか」という買い物の選択は、一人ひとりの生活者の「ライフスタイル」にも影響を与えるかもしれない。

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感染者数だけではない情報を

2022-01-19 15:17:44 | アラカルト

Yahoo!のトピックスなどで、毎日トップ扱いになっている「オミクロン株感染者数」。
今日、東京では新規感染者数が過去最高となった、と報じられている。
共同通信:東京の新規感染者数、過去最多7千人台 第5波時上回る

第5波の時と今回は、変異株であっても同じではない。
現在拡大の中心となっているのは「オミクロン株」だ。
そして「オミクロン株」の特徴は、感染力が強いということ。
そう考えると、第5波の時の7千人台という数字と、今回の7千人台という数字の持つ意味は、違っているのではないだろうか?

「新型コロナ」が流行し始めたときから、日本では一貫して「感染者数」を中心に発表してきた。
「感染者数が多い=パンデミック」という認識があったからだと思う。
そのことに疑問を呈する気はないのだが、「感染者数の内訳」のような数字が、これまでほとんど公表されてきていない気がするのだ。

数字だけを見れば「感染拡大中」ということになるだろう。
第5波の時を凌駕するような感染者数が全国の自治体で出ているのだから。
だが本当に「感染者数」だけが問題なのだろうか?
感染者のうち、発症の要因となった行動はいつだったのか?ということから「潜伏期間」という目安がわかるはずだ。
そして感染者のうち軽症から中等程度、重症者の割合や(表現としては、適切ではないと思うのだが)症状の進行状況。
何より回復期までの時間、そのような情報が発表されていない。
このような情報が逐次発表されなくても、「まん延防止対策(通称:まん防)」の対象となった地域に住む人たちは、知りたいのではないだろうか?
というのも、「まん延防止対策」を約1か月実施といわれても、その根拠となるものは何か?ということは知りたいだろうし、早く終わらせるためには、何をすべきなのか?ということも知りたいからだ。

にもかかわらず、報道される数字というのは「感染者数」のみで、生活者の不安をあおっているように感じるのだ。
それはとりもなおさず、「コロナ疲れ」状態となっている人たちの気持ちや心に、不安の上乗せをさせているだけなのでは?
その一方で、AFPなどの海外からの情報では、南アフリカや英国、米国の大都市部で見られた「感染拡大傾向」は見られなくなり、収束期に入ったのでは?という報道もある。
なぜか、日本のメディアではあまり報道されていないようだが、これら海外諸国では日本のような行動規制をせずに収束傾向がみられる、という状況になりつつある。
とすれば、現在日本で実施し生活者に強いている「新しい生活」そのものの見直し時期い入りつつあるのでは?という、ことになる。

今の日本の対応を見ていると「羹に懲りて膾をふく」という状態のようにも感じるのだ。
政府として「まん延防止対策」をするのであれば、その根拠となった情報と分析結果、今後の予測などについても一緒に発表をしてほしい。
多くの生活者は、これまでの「コロナ禍生活」に疲れ、心も体も荒み始めているのだから。

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地域の活性化に必要なモノ

2022-01-17 11:41:26 | ビジネス

昨日、テレビ放映された山陰放送制作の番組を、TVerで見た。
山陰放送制作の番組が、全国ネットで放映されるということそのものが、珍しいのでは?と思いながら番組を見ていた。
TVer:未来をつくる島ホテル 第31回JNN企画大賞

この番組で紹介されているのは、隠岐の島の海士町に昨年オープンした「Entô」という名前のホテルだ。
隠岐の島唯一のホテルで、海側の別館を取り壊し新しく建て替えたホテルだ。
実はこのEntôについて、拙ブログが取り上げるのは初めてではない。
昨年のオープン時にも取り上げさせていただいている。
「コロナ禍」の最中にオープンするリゾートホテル

稼働を始めて半年余り。
まだまだ成功というには早いと思うのだが、それでも「コロナ禍」という最中でオープンという、悪条件を考えれば相当良いスタートを切ったように感じる。
利用者そのものの高い満足度があるだけではなく、地元の人たちとの「協業」ともいえるような連携があることが、このホテルの強みなのでは?という気がしている。

番組を見ながらそのようなことを考えていたのだが、もしかしたら「地域の活性化」で一番必要なことは、「行政だけ・住民だけ」というようなどちらかに偏った地域活性化の主導ではなく、「行政と住民との協業」という考えが無くては、難しいのでは?という気がしたのだ。
「地元の目に見えない資源を掘り起こし、それを地域の活性化の起爆剤とし、地域経済を活性化する」という、行政と住民のコンセンサスが取れているからこそ、Entôというホテルが隠岐の島の観光のゲートウェイになりつつある、という気がしたのだ。

それは「地域活性化」に悩む自治体などにとっての、一つの解答のような気すらしている。
「行政だけ、地域住民だけ」では、地域経済の活性化の規模が小さくなるのでは?
一般的な「パブリックコメントを募集」という方法では、見つからない「地域資源の発掘」にも共通していると思うのだ。
隠岐の島・海士町のようにIターンで就職する人が多い=よそ者視線が「地域資源の発掘」ではない、と思っている。
というのも、番組の中でEntôの社長をされている青山氏が、隠岐の島へのIターンを決めた理由が「居酒屋で、町の人と町役場の人が喧嘩をしているかのように、町のことを考えている」という点に集約されているという点だ。
言い換えれば「住人と行政が同じ方向へ向かって、それぞれの立場で本気になって話をしている」ということなのだ。

総務省が主導している「地域おこし協力隊」が、3年という任期期間で成果があまり出ることなくその地域を去っている場合が多いという現実を考えると、受け入れる行政側だけではなく、その地域に住む人たちも加わった「地域おこし」のコンセンサスがなく、一般的に言われている「まちおこしの起爆剤となる人材=若者・よそ者・ばか者」ということに終始しているからなのではないだろうか?

「眠っている地域資産」を見つけるには、よそ者の力が必要かもしれない。
周囲にそのビジョンを問いかけ、説得する力があるのは、ばか者といわれる「周囲を動かす熱意のある人」だろう。
その行動力があるのは、若者かもしれない。
しかし、それらの力を持っている人たちを動かし続けるには、地域の住人と行政が一つの方向に向かって「地域を良くしていきたい」という、思いがあってのことなのではないだろうか?

IターンやUターン者が多いことが、地域の活性化につながるわけではない。
その力を動かすための素地が、その地域になければIターンやUターンの人材を活かすことはできない。
そんなことを、このEntôというホテルは示しているような気がしている。

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出口が見え始めた?新型コロナウイス

2022-01-15 20:18:38 | アラカルト

AFPが、新型コロナの変異株・オミクロン株感染が、N.Yをはじめとする大都市で、収束の傾向がみられる、と報じている。
AFP:オミクロン株感染、N.Yなど米国大都市で収束の兆し

オミクロン株が最初に見つかったとされる南アフリカやイギリスなどでも、すでに収束の傾向がみられる、という報道もある。
Wall Street Journal:オミクロンは意外に早く収束?英国で見えてきた希望の光

昨年の暮れには「オミクロン株」の感染力の強さに、世界中が戦々恐々としていた。
日本でも、岸田総理がいち早く「水際対策」として、入国制限などを打ち出した。
しかし、オミクロン株はこれまでの変異株と違い、強力な感染力がありながら重症化しにくい、というこれまでとは違うタイプの変異株である、という指摘もされてきた。
実際、南アフリカなどでは感染していたが無症状であった、という人たちもいれば無症状であったために感染に気付かなかった、という人たちもいたようだ。
あくまでも「結果論」的な話となってしまうのだが、オミクロン株とそれまでの変異株の大きな違いとして、見る必要があるだろう。

それだけではなく、南アフリカでもイギリスでも日本ほど「マスク・手洗い・うがい」などの予防対策を徹底していた、という話もほとんど聞くことがなかったように感じている。
そのような状況で、感染者数が急速に減少しているという状況であるとすれば、やはり「収束に向かっている」と考えるのが自然なのかもしれない。

とすると、先日一部の県に適用された「まん延防止策」の解除も案外早いかもしれない。
ただ日本の場合「ウイルスを撃退」という思考が強く、徹底した「感染予防」を続ける可能性もある。
事実、N.Yなどで感染者が急速に増え続けていた時、Yahoo!コメなどでは「やはり予防策の徹底が必要」という意見が、多かったように思う。
ネットでのコメントは、その時々の生活者の意見の一つである、と考えると「感染拡大」という言葉の持つ社会的不安の強さがあったのだ、という印象を受ける。

そして、イギリスだけではなく米国の大都市部でも「オミクロン株」の感染拡大が収束し始めている、ということになると日本国内でも「ワクチンの追加接種」などについて、懐疑的な意見が出てくるかもしれない。
何より、今発表されている「感染者数」よりも、感染者数に対する「軽症・中等程度の症状・重症」という感染の実態を中心としたデータが、発表されなくては、今後の「新型コロナ対策」を見誤り、過分な負担を医療関係者に与え続けてしまうのでは?という、心配がある。

「オミクロン株」の収束を一区切りとして、感染症の予防・対策・体制づくりを考え、作り上げる必要があるかもしれない。
というのも、感染症はいつ何時発生し、感染拡大という状況になるのかわからないからだ。
「がん治療」に対する積極的なガイドライン作りが、「感染症」に関しても必要になる、ということなのだ。
そのためには、国が主導している「2025問題」による、病院の区分や個人医院などとの連携などを見直す必要があるような気がしている。

 

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テレワークか週休3日出勤か 働き方の多様性

2022-01-14 18:14:18 | ライフスタイル

年明け「新しい働き方」の提案が2つの企業からされた。
一つは、パナソニックの週休3日制。
もう一つは、Yahoo!Japan の「飛行機出勤OK」という勤務。
Huffpost:パナソニック、選択的週休3日制の導入を目指すと表明。給与はどうなる?注目集まる
Huffpost:「飛行機出勤OK」Yahoo!のテレワーク制度から考えた、オフィスを離れて働くということ 

報道向けの発表としては、注目を浴びやすい「働く場所はどこでもOK。通勤手段もなんでもあり」という表現をしているが、「飛行機出勤OK」というのは、現実的な感じがしないので、主にテレワークで仕事。時々飛行機などを利用して出勤、ということだろう。
それに対して、パナソニックの「週休3日制」というのは、一見休みが増えるような印象があるが、働く側として「週休3日になれば、当然給与が下がるのでは?」という不安を感じさせる内容になっている。
記事を読んでみても、給与面などに関してはこれから労働組合などと話しを詰める、ということになっているので、アドバルーンを上げ、社会や企業内の様子を見るということのほうが目的なのかもしれない。

ところで、昨年11月に経団連が「テレワークなどを利用した出勤者7割減の見直し」という話を、政府に申し入れた。
朝日新聞:テレワークなどで出勤者7割減「見直すべき」経団連が政府に申し入れ

確かに「新型コロナ感染拡大防止」のために、「テレワークによる出勤者7割減」を申し入れたのは、政府ではあったがその後の状況の変化に応じて個々の企業が出勤者の割合を増やしたり、継続させたりしていたと思っていので、逆に経団連の申し入れには違和感を感じた。
Yahoo!Japan のように、テレワークそのものを継続させたい企業もあるだろうし、エッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちを雇用している企業は、出勤者7割などということ自体絵空事のような話だったはずだ。
企業そのものが、企業の仕事内容に合わせてテレワークを選ぶなり、出勤者率を上げるなりすればよいだけの話なのだと思う。

Yahoo!Japan のように、テレワークを進めるために大胆な出勤形態を可とする企業は、これから先増えてくるのでは?という気がしている。
なぜなら、居住場所と働く場所が近ければ、それだけ「通勤時間」に時間を割く必要がなくなるだけではなく、企業側にとっては従業員の「通勤費」負担だけではなく、オフィスにかかる費用もまた軽減される、というメリットがあるはずだ。
と同時に、企業側が期待するのは「働く人たち個人個人のスキルアップ投資」がしやすい環境づくり、ということになるのではないだろうか?

それはパナソニックの「週休3日制」の中でも言われている。
これから先、AIが当たり前のようになってくれば、AIではできない仕事を創出していく必要がある。
しかし、企業側も「AIにできない仕事の創出とは何か?」という具体的な方策があるわけではないだろう。
とすれば、働く側に考えてもらい「自主的なAIではできない仕事の創出」をしてもらう、ということも一案なのではないだろうか?
むしろパナソニックは、それを狙っているような気がしている。

パナソニックではないが、昨年の「コロナ禍」の中で、副業禁止を謳ってきた上場企業が次々と「副業可」となってきたのも、昇給の問題もあるが、ほかにも「社外を知ることで、社内に還元する」という期待もあったのでは?と、考えている。

働き方の多様性が進むと、企業よりも働く側のほうが様々な負担を強いられる可能性が高いような気がする。
それは「これまでのような企業に頼った働き方」ではなく、「自分の仕事を創出する」という、日本人の苦手なことを強いることなのようにも思えるし、それができる人達がこれから先求められる人材となるような気がしている。

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技術と人の関係‐箱根駅伝で感じたこと‐

2022-01-13 12:14:02 | アラカルト

昨年の大みそかに、突然愛用のPCが壊れエントリーができないまま年を越し、やっと昨日新しいPCが我が家にやってきた。
新年のご挨拶が遅れてしまいましたが、今年もよろしくお願いします。

さて、お正月のイベントの一つといえば「箱根駅伝」があるだろう。
今年は、下馬評通り?青山学院大学が新記録を樹立する圧勝だった。
そしてもう一つ話題になったのが、一昨年から続く「厚底シューズ」だ。

ご存じの通り「厚底シューズ」といえば、ナイキ社ということになる。
事実、今回の「箱根駅伝」では、ナイキ社の「厚底シューズ」を履く選手が多かった。
もちろん、他社も指をくわえてみているだけではなく、同様のシューズを出している。
そのため、「ナイキ1強」と言われていた一昨年に比べ、他社製のシューズを履く選手もいたのだが、それでもナイキ社を選ぶ選手が多かったことには変わりないだろう。
読売新聞:厚底シューズ「戦国時代」へ…箱根駅伝、ナイキ1強に変化

この「厚底シューズ」は、高反発性により弾むように足を前に出す、と言われている。
結果として、好タイムが出るシューズとして話題になったのだった。
ところが、この「厚底シューズ」によって、選手たちのけがが増える傾向がある、という指摘がある。
Number WEB: 「厚底シューズは”諸刃の剣”なんです」箱根有力校のエースが次々に故障のナゾ・・・選手を襲う”意外な落とし穴”

技術・研究の躍進によって、本来であればアスリートにとって大きな力となるはずの「厚底シューズ」が、逆効果となってしまっている、というのだ。
青山学院の今年の躍進の最大の理由は、この「厚底シューズ対策」だった、と原監督は話していらっしゃる。
東京新聞:青学大、歴史的圧勝の秘密は厚底シューズの「対応力」<箱根駅伝>

青学の原監督は、青学の学生だけではなく、他校の選手の怪我の情報などから「怪我の箇所」を把握し、怪我をしやすい箇所の筋力アップを図ったという。
筋力アップのために、これまでのストレッチや走力をつける従来のトレーニングよりも、バーベル筋トレなどを加え怪我をしやすい部位に筋力をつけることで、怪我をしにくい体つくりをした結果が、今回の箱根駅伝の記録に結び付いた、ということのようなのだ。

この青学の「厚底シューズ対策」を知ると、なるほど!と思うところが多い。
その反面、技術の進歩についていけずに起きる悲劇(というと大げさかもしれないが)というものがある、ということを知らしめているような気がする。
この「厚底シューズ」を開発したナイキ社も、開発当時にはこれまでとは違う怪我を引き起こすとは、考えていなかったはずだ。
各スポーツメーカーには、様々なスポーツ選手と専属契約をしている。
専属契約をしている選手たちは、スポンサー契約だけではなく、シューズや道具などの提供がある。
提供がある、ということは商品開発にもかかわっている、ということにもなる。
そのような中で開発され、市場に出るのだ。

同様のことが、市場に登場する新商品についても、いえるのではないだろうか?
多くの場合「ユーザーからの声」によって、市場から姿を消すことになるのだが、企業側は「なぜなのか?」ということを分析し、次の製品・サービスへと結びつけていく必要があるはずだ。
このような「なぜなのか?」という分析を続ける中で生まれるイノベーションに、注目していく必要があるのでは?

箱根駅伝の青山学院大の圧勝は、その「なぜなのか?」の大切さを教えてくれたような気がしている。

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文化の産業化

2021-12-30 20:15:04 | ビジネス

岸辺露伴は動かない」というNHKのドラマが、話題になっているらしい。
「らしい」というのは、拙ブログに来てくださる方ならお分かりの通り、我が家にはテレビが無いため番組そのものを見ていないからだ。
原作は、「ジョジョの奇妙な冒険」の作者・荒木飛呂彦さんだ。
どうやら荒木さん独特の世界観を持ったドラマの様なのだが、このドラマの撮影は葉山にある加地邸が使われているという。
葉山にある加地邸と言っても、分からない方の方が多いと思う。
実は私も知らなかった。
知った理由は、この「加地邸」をリノベーションした方のTwitterを偶然見たからだ。
国指定登録有形文化財:葉山加地邸

邸宅の外装の写真を見て、「フランク・ロイドライトが設計したような邸宅だな~」、というのが第一印象だった。
それもそのはず、この「加地邸」を設計したのは、ロイドライトの愛弟子・遠藤新によるものだった。
「プレーリースタイル」と呼ばれる、屋根を低くし水平にし、大地に溶け込むような設計は、旧帝国ホテルを彷彿とさせる。

しかしこれ程の建築物であっても、時代の流れには逆らえず、朽ち果てるのを待つばかりだったようだ。
そのような建築物が、リノベーションされ宿泊施設として活用されるようになるまでには、様々なコトがあったようだが、昨今の「空き家問題」の中には、このような文化的価値の高い建築も数多く含まれている。
最近話題になったのは、大佛治郎の邸宅が売りに出されていたコトだ。
週刊現代:鎌倉でひっそりと売り出された、文豪の邸宅…築90年の「驚きの値段」

大佛次郎の邸宅は、国の有形文化財に指定されていないとは言え、広い敷地に趣のある邸宅というのは、地域の文化遺産として残しておきたい、というモノだと思う。
しかし、その維持費などを捻出することができずに、取り壊されるというケースも多いのでは?と、考えている。
一度壊したものを復元する、という作業は膨大な時間とお金を要する。
壊す前に、何らかの方法を考え残していく、ということもまた重要なのでは?という気がしている。

とすれば、加地邸の様に宿泊施設にしたり、飲食店などへの貸し出し、ということも考える必要があるのではないだろうか?
このような問題は、何も都市部に限ったことではなく、むしろ地方の方が「国の有形文化財」に指定されたため、取り壊すこともできず、ただただ老朽化→朽ち果てていくのを待つだけ、という建築物があるのではないだろうか?
建築物に限ったことではないのだが、「コロナ禍」の中、音楽や演劇などの文化的な活動が制限されていく中で、「文化を産業化」する必要があるのでは?という気がしている。

「文化の産業化」というと、「文化を金儲けの手段にするのか?」と怒られる方もいらっしゃるのは重々承知だが、「文化」そのものを維持するということは、とてもお金がかかることであり、また脆弱なモノでもあると、「コロナ禍」で感じたことでもあった。
加地邸のような場所で、コンサートを開催する。
大佛次郎邸で美術展や朗読会のようなものをお茶会と共に楽しむ等、文化財という資源と文化を組み合わせ、産業化の第一歩を踏み出すことで、両方にメリットがあるような方法を考える時期に来ているのではないだろうか?


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三権分立は一体どこへ

2021-12-28 20:45:44 | 徒然

今日、お昼のニュースで大きく報じられたのは、安倍元首相の「桜を見る会前夜祭」での公職選挙法違反などに対する不起訴決定だった。
日経新聞:「桜」で安倍氏の捜査終結 検察捜査と市民感覚に温度差

今日の不起訴決定の約1週間前には、元秘書の不起訴が決定している。
時事通信:「桜」夕食会、元公設秘書ら不起訴 検審議決で再捜査ー東京地検

これで、安倍さんとその秘書の方々は法的には「無罪放免」、ということになった。
ただ一連のニュースを見ている有権者は、果たしてどう思い・考えているのだろう?

安倍さんが首相をされていた頃、官邸主導で検察トップを任命しようとしたコトがあった。
任命される予定だった方は、思わぬスキャンダルで任命されることは無くなってしまったのだが、そもそも官邸主導で検察トップを任命する、ということ自体おかしな話ではある。

何故なら、日本の民主主義の基本である「三権分立」を犯すことなるからだ。
あくまでも「司法」は、政治と結びつくような関係を持ってはいけないはずなのだ。
その基本ルールを安倍さんは、自ら破るようなことをしたのだった。
これまでの安倍さんの発言の中には、「は?」と驚くような暴言も少なくない。
個人的に一番驚いたのは、「森羅万象を担当している」という発言だった。
この発言は、ある意味数々の放言・暴言を繰り返してきた、オリンピック組織委員長をされていた森喜朗元首相よりも衝撃的な発言だった。
何故なら「森羅万象を司る=神」と捉えられるような発言だったからだ。

その様に考えると、安倍さんにとって「三権分立」などは、取るに足らないコトなのだろう。
検察トップ任命も「森羅万象を担当」する安倍さんなら、当然のことだったのかもしれないし、今回の不起訴も当たり前なのかもしれない。

ただ、このような感覚の持ち主が、政治家として「国会で国の政策を決める」ことに、不安を感じている。
何故なら安倍さんは「森羅万象を担当」しているのかもしれないが、日本は民主主義の国であり三権分立によって成り立っている国だからだ。
少なくとも、日本と同盟国として名前の挙がる国々は、民主主義の国であり政治は国民の安全や生活を豊かにするための政策を議論することを当然としている。
基本的な考えが大きく違うと、どんな場所であっても日本という国が信用されなくなってしまうのでは?
今日の「不起訴」のニュースを見て、思わずそんなコトを考えたのだった。


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経口薬の登場で、「新型コロナ」対策は変わるのか?

2021-12-26 21:57:09 | アラカルト

先日、「新型コロナウイルス」に対する経口薬が承認された、というニュースがあった。
毎日新聞:厚労省、コロナ飲み薬初承認 軽症、中等症むけモルヌピラビル

「新型コロナウイルス」と言っても、昨年の今頃はこれ程までに「変異株」が登場するとは思っていなかった。
ところが今年に入り、変異株が次々と登場し、その度に「感染拡大」の懸念と、春頃から始まった「ワクチン接種」との競争のような感じになってきたように思う。
「周回遅れ」と言われていた、日本のワクチン接種率も秋ごろには、接種対象とはなっていなかった子どもを除けば、70%以上を越す程になっていた。
そのような状況を踏まえ、これまで制限をされていた有観客でのスポーツ観戦やライブが、制限がなくなり少しづつ「新型コロナ」以前の観客動員が見込まれるまでになってきた。

その矢先に現れたのが「オミクロン株」だった。
この「オミクロン株」については、不明な点がまだ多いのだが、感染力が強いということの他に、同時多発的に世界で発生している、という点がこれまでの変異株と大きく違うところなのでは?と考えている。
朝日新聞:愛知でオミクロン株の市中感染を初確認。海外渡航歴なし

そのような状況の中での経口薬の登場は、「新型コロナウイルス」対策の、転換も意味しているのでは?と、考えている。
「オミクロン株」について、現在判明している点は
・感染力は強いが、重症化している患者は少ないようだ(推測)
・これまでの変異株とは違い、小学生などの子どもにも感染をする
などがあげられるだろう。
だから、これまでの変異株より重症化しない弱毒性の変異株などという気はないが、医療体制そのものを転換する必要があるのでは?ということなのだ。

たとえば、小学生などの子どもが感染をしている、という事実から総合病院の「小児科」や「小児診療所」にも、経口薬が届くようにしなくてはならない。
同時に、「感染症病棟」の中にも「小児病棟」を含める必要があるだろう。
場合によっては、一般病棟を減らしてでも「小児病棟」を設ける必要があるかもしれない。
何より、軽症~中等程度の患者に対して効果がある薬であれば、陽性者ではなく「軽症~中程度の患者を見つけるのか?」ということが、重要になってくる。

一番手っ取り早い方法は、今までのような「保健所経由の対応」ではなく、市中の診療所や医院(一般的には「〇〇クリニック」と呼ばれている)で、PCR検査を気軽に受けられるような体制にする必要がある。
イメージとしては、「インフルエンザ」のような体制だ。
「インフルエンザ」のような体制になれば、「チョッと風邪っぽい」という状態で、かかりつけ医のところへ行き、検査を受けることができるだけではなく、患者さん一人ひとりの過去の病歴を含め対応と経過を見ることができるのではないだろうか?

そのようなデータが集まり、分析と統計によって新たな対策をたてることもできるはずだ。
むしろこのような「データの集約・分析・統計」などがキチンと(←ここ重要)されることで、新しい対策を打ち出しやすくなるのではないだろうか?





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