日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ウォームビズはヒットしなかったが・・・

2006-02-06 20:34:33 | アラカルト
立春を過ぎたというのに、寒い。
まともな暖房器具を出すチャンスを失ってしまった今シーズン。昨日は、寒さの余りエントリーをすることすら、嫌になるほどの寒さが我が家を襲っていた。
今も吐く息が白い・・・。

当初の予報が「暖冬」だったこともあり、環境省は夏の「クールビズ」の冬ヴァージョン「ウォームビズ」を展開する予定だった。
「オフィスなどの室温は20℃で、少し厚着をしましょう」というのが、狙いだった。
予報が大きく外れたために、「ウォームビズ」そのものは、ヒットしなかった。
ところが「ウォームビズ」商品は、大ヒットしたようだ。
「厳冬」となったため、特に男性下着などは発熱タイプの下着やスパッツ(=ズボン下)など、これまで購入の中心だったシルバー層だけではなく、20代、30代も積極的に購入したようだ。
環境省としては、「・・・」という結果だったが、商品開発をしてメーカーにとっては「嬉しい誤算」となったようだ。

それだけではなく、意外な商品がヒットしたのをご存知だろうか?
「無洗米」だ。
こちらも、環境問題とは関係がない。
「冷たい水で、お米を研ぐのがつらい」ということから、ヒットしたのだ。
これまで「無洗米」というと、「本当にお米を研がなくても、美味しく炊けるの?」という疑問があった。が、食べてみると案外美味しいのだ。
これをきっかけに「無洗米」は、より一般化するだろうか?
ただ、ビジネスチャンスとなったことには、違いないだろう。

どうやら今夜は、名古屋だけではなく全国各地で積雪の予報が出ている。
出ているのだが、明日の最高気温の予測は東京で15℃となっている。
体調管理には、注意の上に注意したいが、何を着ていけばいいのだろう?

「働く」ということ-村上ファンドの提案-

2006-02-04 22:45:41 | アラカルト
一昨日のエントリーが、遅いものだったために昨日の話題となってしまったようだ。
共同通信社が発信した「村上ファンド、松坂屋に社員全員解雇提案」というのは、それだけセンセーショナルだったということだろう。
そのことに、コメントを下さった「カミナリ弟さん」ありがとうございました。
そして、昨日のニュース報道などから改めて「村上ファンドの提案」というモノは、なんだったのだろう?

今回の村上ファンドの提案は
1.銀座などにある店舗を売却する。
2.売却益を原資にして、全従業員に退職金を支払い辞めてもらう。
3.退職者の中から「松坂屋の株を取得し、働きたい」と思っている元社員を再雇用する。
というものだったらしい。
このことについては、テレビなどのニュース番組の取材の範囲を元にしていて、当事者の発言ではないが、これらのニュースソースを基に「働く」という意味を考えてみたい。

村上氏は「従業員の株取得によって、意欲的に『自社の企業価値を上げる努力を、積極的にする』」ということを、目的?として提案しているというのだが、本当に「自社株を持つことが、企業価値を高める努力の動機付けとなるのだろうか?
日本の企業には、従業員を対象とした「持ち株会」という制度がある。
月々のお給料から少額を積み立て、自社株を買うという制度だ。
このような制度を利用し、自社株を取得している社員も少なくないだろう。
だからといって「企業価値を高めよう」と、思っているだろうか?
むしろ、他に「働く」という意味を、見出しているのではないだろうか?
お客様と接する仕事であれば、「ありがとう」というお客様の言葉を聞くことを喜びとしているだろう。おそらく、それぞれの職務によって「使命」のようなものを持って「働いている」のでは、ないだろうか?
それらが集まって、最終的に「企業価値が上がる」ということに結びついているのでは、ないだろうか?
そこには「自社株を持っている」ということとは関係ない。

村上氏の提案に無理があるのは、全員解雇をしておいて「やる気のある社員は、再雇用する」という、発想である。
それも「自社株を持つ」という、制約つきで。
一端、企業から解雇された人の気持ちというモノを、理解していないように思うのだ。
「ビジネスに情はいらない」ということなのかも知れないが、人は情の動物でもある。
人を思い遣る視点があるから、「よりよい生活を提案したい」という百貨店の原点となるビジネスが成り立つ。
その視点が、村上氏の発言にはない。

これまでのような「シャンシャン総会」が、良いとは思わない。
株主であっても「社会の一員としてより良い企業」としての、提案を積極的にすることは大切なことだと思う。
むしろ、これからの株主は利益配当だけを楽しみにしたり、トレーダーといわれる投機的株主は、企業にとっては「良い株主」とは思われないだろう。
その意味では、カミナリ弟さんが指摘している通りだろ。
でも、それと社員の働く意味とは別なこと。
それを、シッカリ理解する必要があるのではないだろうか?

これが「企業価値を上げる」こと?-村上ファンド-

2006-02-02 23:12:27 | ビジネス
Yahooのトピックスに「松坂屋従業員全員解雇」という、センセーショナルな見出しのニュース記事が出ていた。
共同通信社が配信したニュースで、内容を読むと松坂屋の筆頭株主である村上ファンドの村上氏が、昨年暮れに松坂屋サイドに提案したことのようだ。

村上氏は、これまで様々な企業の株を買い集め「筆頭株主」となってきた。
その度ごとに口にする言葉は、「経営者は、企業価値を上げる責任がある」ということ。
確かに村上氏の言う「企業価値を上げること」は、経営者・経営陣にとって大切なことだが、その企業価値を決めているのは村上氏ではなく、その企業の製品・サービスを購入する生活者だ。
企業の持っている土地などが、企業価値を上げているわけではない。

そして、百貨店における「企業価値」とは「お客様と直接接する社員」なのでは、ないだろうか?
名古屋における「松坂屋」のステイタス度は、他の百貨店に比べ遥かに高い。
それは、土地建物の価値ではなく「松坂屋」という百貨店が築いてきた「ブランド」であり、その要素として従業員の接客態度なども含まれているのだ(決して、他の百貨店の接客態度が、落ちるわけではない。現場で働く人たちは、皆さんプロとしてのプライドを持って接客していると思っている)。
そんな基本的なことも忘れて、「従業員全員解雇」という提案を平気でする村上氏は、「小売業」をなんだと思っているのだろう?
それとも「時代がネットショッピングに移りつつあるのだから、従業員も店舗も要らない。一等地にもっと高収益性のある何かを作ったほうが、もっと儲かる」とでも思っているのだろうか?
とすれば「ショッピングの楽しさ」という、生活者の気持ちを忘れている。

今日の中日新聞に「女性がおしゃれをして出掛ける時の費用」という記事が出ている。
調査を行ったのは、岐阜に本店がある大垣共立銀行。
地方都市における「おしゃれをしていく場所」のひとつが、百貨店である。
そこでは、海外の有名ブランド品を手に取ることも、ファッションコーディネートの相談もできる場所なのだ。
そういう「ショッピングの楽しさ」を、百貨店は生活者に提供し信頼を得てきた。
そのような背景も、スッカリ忘れて「企業価値を上げる方法」として、従業員全員解雇というのであれば、村上氏はなにをもって「企業価値を上げる」というのだろう?
それとも村上氏は、今でも「土地神話」を信じている、というのだろうか?

大丈夫でしょうか?-耐震強度偽造マンション-

2006-02-01 21:54:42 | Weblog
エントリー原稿を書いている最中に、関東地方で震度4程度の地震があったよう。
「耐震強度偽装マンション」に、転居先も決まらず現在も住んでいらっしゃる方々は、大丈夫だったのでしょうか?

先週から今週にかけ、この問題についても大きな動きがあった。
ひとつは、偽装と見抜かなかった自治体に対してヒューザーが、「損害賠償」を起こした事。
翌日には、同じくヒューザーの小嶋社長が、検査会社イーホームズとイーホームズ社長に対して「名誉毀損」を訴えたこと。
イロイロな意見や考えが世間にはあると思うが、どう見ても「お門違い」というか、責任逃れのポーズにしか見えない。
何でも自治体に対する損害賠償申請にかかった印紙代だけでも、2千万らしい。
その2千万を、被害者住民の保障に当てるという発想は、無いのだろうか?

もちろん、被害者住民も黙ってはいない。
ヒューザーに対して「破産申請」をしている。
これは、やむおえないだろう。
相手が、交渉の場にのらないのだから。

こんなことをウダウダやっている間にも、地震は容赦なくやってくる。
だから、早い解決が必要なのだ。
石原さんも、「オリンピック誘致だ」、「中国はけしからん」などと言っている暇があったら、都民の生活基盤のことも考えたら?と思ってしまう。

市場がNOといっているのに・・・-米国産牛肉問題-

2006-02-01 21:40:42 | ビジネス
昨日のエントリー「お粗末な・・・トリノオリンピック」にコメントを下さったStar Prince JUGEMの「星の王子様」、ありがとうございました。
日本ボブスレーチームの出場が、決まった良かったですね。
スピードスケートの安田選手が、可哀想です。
何でも、最初の選考基準のタイムはクリアーしているのに「参加人数が多くなり、選考タイムを引き上げ」たために、参加資格がなくなったとか。
こういうことが、世界最高の大会で行われるというのは、本当にお粗末なことです。

米国産牛肉に危険部位があったとして、輸入禁止になって1週間以上となった。
牛丼店チェーンや、一部の外食企業での混乱があったようだが、概ね日本の消費者の反応は冷静のようだ。
どうやら、禁止期間約2年間で「牛肉との上手な付き合い方」を、それぞれ持つようになってしまったようだ。
「値段の高い国産牛肉を食べるのは、月に1、2回。他は魚や豚、鶏肉などで十分。それより困るのは、野菜の高騰」という主婦の声も、テレビのニュースで見たことがある。

考えてみれば、バブルの頃くらいから牛肉を食べることが普通になってきたが、それ以前は牛肉の料理は基本的に「ハレの食事」だったような気がする。
唯一庶民の牛肉料理といえば「肉じゃが」くらい。
それでも十分に、美味しい食事を楽しんできた。
まして、今は「食の欧米化が、生活習慣病へ繋がる」と言われ、バブル以前の一昔前の食事に注目が集まっている。
その一例が、「正食」と言われる「マクロビオティック」なのだろう。

ところが、輸出国の米国はそう思っていないようだ。
「美味しい米国産牛肉を、日本の市場に出さないのは問題だ」ということらしい。
「美味しい」かどうかは、味覚の問題だと思うのだが・・・。
本音のところは、米国の畜産農家に対する政策だろう。
このような問題が起きる前までは、対日本への輸出額は年々伸びていたはずだから。
でもね~、日本の市場=消費者がNOといっているのだから、政治的な解決を求めても意味が無いのですが・・・。
「マーケティング」という実学を体系づけたのは、アメリカで活躍しているコトラーやレビット、そして「現代経営学の父」といわれたドラッガーなど。
彼らは、今のゴリ押し状態をみてなんと思っているのか?
お隣の中国は「俺様真ん中思想」で、何かと文句を言ってくる。
米国も結局のところ、「俺様一国主義」というところなのだろうか?

それにしても、朝日新聞讀賣新聞では、同じ内容でもこれだけ見出しが違うことにもややビックリ。
朝日新聞の見出しは、チョッと読み違えそうになりました(汗)。