日々是マーケティング

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オリンピックは、ビジネスとなった?

2016-05-23 18:36:56 | スポーツ

JOCが、コンサルティング会社へ2億を超すお金を渡していた、と問題になっている。
お金をもらったコンサルティング会社そのものが、すでに無くなっているため「賄賂」であったのか、「謝礼」であったのかは不明のようだ。

これまでの報道を見てみると、海外からは「賄賂」の可能性が高いという指摘になっている反面、JOC側は「あくまでも、オリンピック誘致のための分析及びコンサルティング料」だという。
気になるのは、「電通」が絡んでいるという点だ。

「電通」と言えば、日本で影響力のある広告代理店だ。
広告代理店と言っても、昨今は広告宣伝を請け負うだけが仕事ではない。
様々なイベントのプロデュースなども、するようになってきている。
その範囲は、世界的なスポーツイベントなどにも及ぶ。
「電通」と密接な関係があるスポーツイベントと言えば、FIFAが行うサッカーW杯だろう。
実際、一時期はFIFAと電通が共同出資をして、マーケティング会社を作っていた時期もあった。

電通だけではなく、日本の広告代理店は国際的なスポーツイベントなどでも、相当かかわってきているはずだ。
それがわかるのが、国際大会などで見かける「日本企業の広告」の数で、分かると思う。
上述した通り「電通」は、他社よりも強い影響力を持つ広告代理店だ。
当然のことながら、誘致活動においては様々な分析をしてきていただろうし、それだけの力はあるはずだ。
なぜなら、様々な国際スポーツイベントを通して、国際的なスポーツ界に対してコネクションを持っていたと、思われるからだ。

しかし、JOC側の「票読みが難しく、(贈収賄を指摘されている企業に)分析及びコンサルティングをお願いした」というのは、どこか解せない。
そのような情勢を分析して、効果的な「ロビー活動をする」ことも、広告代理店の仕事なのでは?と思うからだ。
にもかかわらず、JOC側は「電通から紹介された」という。
本来であれば、電通側がそのコンサルティング会社を使って分析をし、より効果的なロビー活動を展開するのが、仕事なのでは?
もし、JOCが電通側とそのような契約を結んでいなかったとすれば、JOC側の「オリンピック誘致」に対する本気度は、さほど高いモノではなかったのかもしれない、という気がしてくる。

なんとなくだが、今回の一件だけではなくオリンピックという国際的な総合スポーツイベントそのものが、ビッグビジネスとなり、そこに「金儲け」のために数多くの人達が集まってきているように思えてくるのだ。
このような傾向が出始めたのは、1984年のロサンゼルスオリンピック以降と言われている。
それまでのオリンピックは、イベントとして儲けが無くても「国威発揚」という目的で、開催されるコトが多かった。
言い換えれば、オリンピックは開催都市にとって、経済的負担が大きなスポーツイベントだったのだ。
それを「お金が儲かるスポーツイベント」となり、様々な都市が手を上げるようになったのだ。
クーベルタン男爵の掲げたスポーツの理想や理念が置き去りになっていった結果が、オリンピックのビッグビジネス化、ということなのかもしれない。



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