Yahoo!のニュースのローカル版に、「名古屋の老舗百貨店が愛されるわけ」という記事があった。
Yahoo!メーテレ:【特集】名古屋駅の老舗百貨店が愛されるワケ
という記事があった。
日付を見ると半月以上前にテレビ放映されたようだが、活字としてみると「なるほどな~」と思う部分がある。
この記事で取り上げられている「名古屋駅の老舗百貨店」というのは、名鉄百貨店のことだ。
場所は、JR名古屋駅にほど近い場所で、名古屋鉄道(=名鉄)名古屋駅の駅ビル百貨店だ。
名古屋鉄道は、愛知県を横断するようなカタチで豊橋~岐阜、知多半島までの路線を持っている為これらの地域の人たちにっては、とてもアクセスが良い場所の百貨店ということになる。
以前から「名駅と栄とでは客層が違う」といわれてきたが、その理由は名鉄を利用して名古屋に来くる買い物客にとって、栄にある百貨店(=松坂屋・名古屋三越栄店)は、乗り換えをする必要があるなどやや不便な百貨店でもあるのだ。
いくら名古屋の老舗中の老舗百貨店・松坂屋であっても、よほどの買い物目的を持たないとこれらの地域に住んでいる人たちにとっては、買い物に行きづらいともいえる。
このような百貨店であれば、名古屋に限らず東京や大阪にもあるだろう。
大坂・梅田にある阪急百貨店や阪神百貨店なども、同じような駅ビル百貨店だろう。
しかし決定的に違うのでは?と感じたのは、書き込みの中にあった「三河弁で話せる」という点だ。
意外に思われるかもしれないが、地方、地方の言葉というのは、普段言い慣れている言葉でもある。
反対に標準語といわれる言葉は、確かに綺麗で丁寧だがどこか冷たい印象を与える。
実際、転勤族であった父について、引っ越しが多かった我が家は基本標準語で話すことが多かった。
成人をして、仕事をしているときには何も感じなかったのだが、ある時「標準語で話されると、冷たい印象」と、言われたことがある。
この言葉は、私的には衝撃的であった。
共感性という点でも、地方の微妙なイントネーションなどと標準語のイントネーションとでは、受け手となる相手の印象が大きく違うようだ。
違う言い方をするなら、「地方の言葉を話す人(あるいは分かってくれる人)=自分の仲間」という、意識を持ちやすいということだ。
だからこそ、同じ名古屋駅にあるターミナル百貨店「名古屋髙島屋で買い物をすると、緊張する」という、書き込みにつながるのだ。
確かに品ぞろえや客層の分析、「モノ消費からコト消費」への対応など、百貨店側の努力があってのことなのだが、顧客の利用する理由の一つに、このような「ことば」があった、というのは意外な気がしたし、ローカル百貨店の強みというのはこのような点もあるのでは?という気がしたのだ。
「百貨店」と言う言葉通り、一つの店舗に様々な商品があり「ワンストップで買い物ができる」ことは、大きな魅力だった。
しかし今のように、「ワンストップで24時間買い物ができ、指定した日時に送られてくる」ECサイトなどの登場により、実店舗は苦戦を強いられている。
しかし、人はどこかで人と相談をしたり、話しをしながら「買い物を楽しみたい」という気持ちがある。
その時、「地方独特のニュアンスやイントネーション」での会話は、買い物客を安心させ、コミュニケーションを取りやすくしているのかもしれない。