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女性マーケターから見た日々の出来事

文春の謝罪広告は、何故1ページ目なのだろう?何故1年間なのだろう?

2015-05-27 21:46:15 | 徒然

新聞各社のWEBサイトに、「え?!」と思うような記事が掲載されている。
読売新聞:元女優の名誉棄損、文芸春秋に賠償と謝罪命令

争点となったのは、文芸春秋が掲載した記事によって自民党からの公認候補を取りやめることになった、という点だと思うのだが、それにしても請求賠償金額が1600万円を超す、高額なことにまず驚いた。
賠償額はその1/4程度の440万円になったようだが、損害賠償金額として考えると決して少ない金額ではないような気がする。
確かに、元女優さんという立場からすれば、根も葉もないゴシップ記事を一般誌に書かれるというのは、名誉棄損に値するだろうし、まして選挙に立候補しようとしていたなら、ダメージも大きいだろう。
何より、謝罪広告を雑誌の1ページ目に掲載することを1年間という、根拠がわからない。

「人は忘却の動物」とよく言われるが、このようなゴシップ記事(本当のところはわからないが)などは、数週間~数か月もしないうちに、多くの人から忘れ去られてしまうことのほうが多い。
むしろ1年間も掲載されたら、忘れ去られるどころか、記憶に残ってしまうのでは?
テレビの何かのネタで、忘れ去られた頃取り上げられるかもしれないが、それは元女優さんのネームバリューがあってのこと。
大変申し訳ないのだが、この名誉棄損を訴えた女優さんの名前と顔がわからなかった。
とすれば、長期間にわたる謝罪記事というのは、むしろ元女優さんにとってイメージダウンにつながりかねないような気がするのだ。
謝罪記事そのものよりも「こういう話題で雑誌を賑わせた人」という、ゴシップ記事のほうが印象に残ってしまうように思うのだ。

しかも雑誌の1ページ目。
男性雑誌などでは、グラビアアイドルが水着姿で「ニッコリ」と微笑んでいるページだ。
ある意味「雑誌の顔」のような場所に、謝罪文というのは雑誌社にとってもダメージが強いが、上述した通り訴えた元女優さんにとっても、ダメージが少なくないページだと思う。
事実云々ではなく、謝罪記事が掲載されたことで、謝罪内容ではなく「ゴシップ記事」の印象が、強く残ってしまう、という可能性というか、リスクの問題なのだ。

確かに、雑誌の顔となる1ページ目に謝罪文を掲載させる、というのは雑誌社にとってのダメージが大きく、訴えた側の元女優さんとしては「溜飲を下げる」ことになるかもしれない。
ただそれは、元女優さんの気持ちの部分であって、その後のご自身のイメージや生活者が持つ印象というところまで考えてのことだろうか?

あくまでも裁判所の判決なので、元女優さんがそれを求めていたのかはわからないが、「・・・・???」という印象ばかりが残る判決のような気がする。

 



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