朝日新聞の今日の朝刊に、糸井重里さんのインタビュー記事が掲載されていた。
朝日新聞:糸井重里さん、コピーライターやめました、売れるを語る
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私と同世代以上の方にとって、糸井重里さんといえばパルコの「おいしい生活」などの数々のヒットコピーを創りだした人物である。20代、30代の方たちにとっては、ネットの「ほぼ日新聞」で知られている人物ということになるのだろうか?
その糸井重里さんが、震災以降の東北支援を兼ねた企業を石巻に立ち上げていた、というのは知らなかった。
「企業を立ち上げる」というよりも、「ほぼ日手帳」などをはじめとする「ほぼ日新聞」から誕生した商品の一部を石巻で作っている、という感じだろうか?
インタビューの中で「売れる商品を作っている」という内容が出てくるが、その答えが実に糸井さんらしい気がする。何より(売れっ子)コピーライターをやめた理由というのが、今の企業が抱えている問題点をわかりやすく言っているような気がしている。「やはり『ことばを使う』ことに長けている方だな~」という感じがする。
その糸井さんが言っている言葉から、今日のタイトルをつけさせていただいた。
「市場(しじょう)」というと、多くの人にとって「金融」とか「お金儲けのシステム」というイメージがある。
実際マーケティングという仕事をしていると、「売るためのknow-howを教えてくれるんですよね」といわれることが多い。あくまでも個人的な考えだが「売るためのknow-howを教える」ことは、マーケティングだとは考えていない。そもそも商売というのは、know-howがわかれば、確実に売れるというほど生易しいモノではない。
一番大切なことは、その商品やサービスを必要としている人=お客様の姿をキチンと観察し、どうしたら届けられるのか?ということを、考え・提案・提供することだからだ。
そもそも「市場」を創っているのは誰だろう?ということなのだ。
「市場」を創っているのは、決して企業ではない。
それらの商品やサービスを必要だと感じている人たち(=お客様)が、商品やサービスを購入することで初めて生まれ・育つのが「市場」なのだ。
そんなシンプルなことを、糸井さんは「市場(しじょう)=お客様」と一言で説明をされている。
記事全体をよく読むと、「マーケティングの基本=4つのP」の大切さなども話されている。
「マーケティングの4つのP」とは、ドラッカーが話した「マーケティングができていれば、営業(おそらく「セールス」という意味だと個人的に理解している)は必要ない」という4つの要素だ。
実際、糸井さんが「ほぼ日」で企画された商品というのは、積極的なセールスをしてヒットしたわけではない。
「お客様が本当に欲しい!と思えるのか?」ということを、真剣に考え尽くしたモノがヒットしているのだ。
最初から商品やサービスありきで、企画されたというわけではない。
ここが、コピーライターとして「モノを売る」ということを真剣にされてきたからこそ見えることなのだ、という気がする。
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