VOUGEのWEBサイトを見ていたら、興味深い記事があった。
VOUGE:舘鼻則孝による文楽公演が、仏カルティエ現代美術財団で開催
文楽と言えば、数年前橋下さんが「文楽への補助金凍結」と発表し、文楽側から大反発が起きたことがあった。
結局、橋下さんと文楽の関係者が話し合い、補助金凍結は無くなったようだ。
ただ、この橋下さんの発言は「文楽」という伝統芸能が、身近なものではない、ということを示したような気がする。
同じ「伝統芸能」でも、歌舞伎などに比べると人気は当然、実際生で文楽を見たことがある、という人は多くはないと思う。
その理由の一つが、人形での芝居である、ということが大きいような気がする。
大きな会場で上演するのには、向かないため多くの集客が見込めない、という部分も「文楽」という伝統芸能を遠いモノにしてしまっているのではないだろうか。
そんな「文楽」に、チャレンジというか新しい息吹を与えようという動きがある、というのが今回のVOUGEの記事だ。
舘鼻則孝さんと言っても、「誰?」という感じだと思う。
実際、名前を聞いただけでは、分からなかったのだが、レディー・ガガがステージなどで履いている「ヒールレスシューズ」をデザインをした方のようだ。
舘鼻さんを一躍有名にした「ヒールレスシューズ」そのものが、舞妓さんの「ぽっくり」から着想したということで、今回のコラボレーションにつながったようだ。
それでも伝統芸能である「文楽」側としては、新作とはいえ「文楽」の世界とは縁もゆかりもない分野の人とのコラボレーションというのは、大いなるチャレンジだったのではないだろうか?
もしかしたら、伝統芸能だからこそ、このようなチャレンジができたのかもしれない。
「文楽の核」となるものがあり、そこへ新しいモノを足していく、という感覚でのコラボでありチャレンジ、というとらえ方をしたのだとすれば、伝統芸能という懐の深さなのだろう。
そして今回、文楽とのコラボレーションを後押しするのは、カルティエ現代美術財団。
日本のファッション企業の場合、このような活動をする企業がほとんどないように思われる。
ファッションに対する考えそのものが違うのかもしれないし、企業文化そのものが違うのだろう。
ただ日本の企業が伝統芸能の新しチャレンジを後押しするのではなく、フランスのカルティエの財団が行う、というのは残念な気がするのだ。
企業の使命の一つに「社会貢献」がある(と考えている)。
とすれば、自社の事業に比較的近い文化・芸術などを支援することも、立派な「社会貢献」なのでは?
多くの日本企業が、成熟期となりつつあることを考えると、このような「社会投資」も積極的に考える時代になってきているような気がするのだが・・・。
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