産経新聞に「千葉パルコ、採算悪化で来年11月閉店」という記事が、掲載されていた。
SANKEI BIZ:千葉パルコ、採算悪化で来年11月閉店へ、特損19億円計上
ネットユーザーのコメントなどを読むと、立地の悪さなどを指摘があるようだが、それだけの理由ではないと思う。
というのも、名古屋のパルコも以前ほどの活気を感じられないからだ。
名古屋パルコの場合、名古屋に進出したときが丁度バブル絶頂期だったこともあり、パルコに入っていたお店などは随分高級感のある海外ブランドなどだった。
バブル崩壊後も、それなりの人気があったように記憶しているのだが、ここ数年パルコに行っても以前のような「パルコらしさ」というものが感じられなくなっていた。
理由の一つは、私自身がパルコで買い物をする年齢ではなくなった、という事が大きいとは思う。
店内を歩いてみても、商品を見てみたい!という感じではなくなっていたからだ。
若者向けにシフトした、という事だと思ってみても、その若者も惹きつけられているのか?というと、疑問な点があった。
というのも、ここ数年で名古屋パルコ近辺には次々と、海外のファストファッションのお店がオープンし、ファッションという点では、そちらへ客足が流れているように感じていたからだ。
もう一つ感じていたことだが、以前のパルコは「商品を売る」という複合店舗ではなく「文化を発信する」複合店舗だった。
コピーライターの糸井重里さんを起用した、「おいしい生活」という名コピーがあるが、1970年代(=パルコが誕生した頃)から、そのような「生活文化を発信する」という傾向があった。
そして、時代もそのような「物からモノへ」と、価値観が変わりつつあったように思う。
バブルが崩壊し、企業が目先の利益を求めるため「リストラ」が慣例化するにしたがって、パルコのような「生活文化を発信する」複合店舗は、どんどん行き場を失っていったように思う。
代わりに台頭(?)してきたのが、「ユニクロ」に代表されるようなファストファッションであり、100円ショップのような気がする。
「ユニクロ」や100円ショップが、悪いわけではない。
生活者の「生活感」や「生活文化」が変わってきた、という事だ。
言い換えれば、パルコのような複合店舗や百貨店が、「生活文化」を発信する時代ではなくなっている、という事だと思う。
「もっと生活に密着した情報発信」という小売にとって代わる、という事なのかもしれない。
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