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「文春砲」とメディア、そして社会

2018-01-26 19:16:57 | 徒然

ミュージシャンで音楽プロデューサーの小室哲哉さんが、突然の「引退」を発表して1週間くらいになる(と思う)。
引退の切っ掛けとなったのは、ご存じの「週刊文春」に掲載された小室さんの不倫という記事だった。
ところが、記者会見の場は「不倫」に対する謝罪記者会見(って、一体誰に謝罪すのだろう?と思っていた)から、奥様のKEIKOさんの病状やご自身の話が中心で、「けじめをつけるための引退」という記者会見になってしまった。
実際の記者会見の様子を見ていないので、その場の雰囲気のようなものはわからないのだが「そこまで言う必要があるのかな?」と感じるほど、プライベートな内容まであったようで、まるで「公開何とか」のような印象を様々なメディア報道から受けた。

一昨年あたりからだろうか?「週刊文春」がスクープを連発し、そのたびごとにテレビなどがその後シップを追いかける、という状態が続いている。
その結果ついた名前が、ご存じの「文春砲」だ。
確かに、タレントさんたちのゴシップはいろいろな意味で話題にもなるし、世間の興味も引きやすい。
テレビのワイドショーなどとの親和性も高い。
当然、ワイドショーなどではある程度の視聴率が稼げる話題となっているはずだ。

ただ今回の小室さんの「不倫」記事は、思わぬ方向へと進んでいる。
それは、記者会見を見た人や記者会見の内容を知った人たちからの反応が、今までとは大きく違い小室さんへの同情はあれども、週刊文春やワイドショーなどに対して「そんなゴシップスクープをする暇があったら、政治家の疑惑などを追求したら」という、これまでとは逆の反応が多いのだ。

ネット上で見られる「政治家の疑惑」などばかりをテレビや週刊誌が、追求しているとおそらく文春などの雑誌の売り上げ部数は伸びないだろう。
まして政治や経済の記事ばかりでは、息がつまりそうになるはずだ。
自分とは全く関係のない芸能人のゴシップであれば、ご近所や職場の昼休みなどの話題にもしやすい。
だからと言って、記事となった人を「引退」にまで追い込むようなことはしたくない・・・というのが、おそらく多くの人の気持ちなのではないだろうか?

これがもし、週刊文春ではなく女性のヌード写真があるような週刊誌であれば、多くの人は「眉唾」と思い、スル―していただろう。
それだけ週刊文春という雑誌は、社会的信頼のある雑誌媒体であった、ということでもあると思う。
そして「文春砲」が、芸能人ではなく政治家などのゴシップ、スキャンダルであれば、これほど叩かれることも無かったと思う。
「芸能人のゴシップを楽しんでいるのは、私たち生活者でもある」という事実を、改めて感じた方も多かったのではないだろうか?
小室さんを引退に追いやった今回の「文春砲」は、今までのゴシップなどの話題との付き合い方を、考えさせる切っ掛けとなったはずだ。





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