先日三菱東京UFJ銀行が、仮想通貨利用を検討している、という報道があった。
朝日新聞:注目集める仮想通貨の中核技術「フィンテックの本命」
今年初め「今年の注目のビジネスキーワード」として、拙ブログでも紹介した「フィンテック」。
「金融=ファイナンス」と「技術=テクノロジー」を合わせた、造語「フィンテック」だが、私自身はユーザー目線のファイナンスとIT技術への利用が中心だと思っていたのだが、どうやら現在の銀行が考える「フィンテック」は、違うようだ。
ところで「仮想通貨」というと、何を思い出されるだろう?
昨年だったと思うのだが、「ビットコイン」と呼ばれる仮想通貨の取引所が、突然閉鎖され世界中で問題となった。
まだまだ事件の全容がわかったわけではないようだが、この取引所(というのだろうか?)を運営していた男性が、集めたお金を好き勝手に使ってしまった、という報道もあった。
そのため「仮想通貨」というと、この時のイメージがありどうも良い印象がない。
むしろ、日本のメガバンクの一つである三菱東京UFJ銀行が「仮想通貨の利用」となると、心配される方のほうが多いのではないだろうか?
とはいうものの、現在検討されているのは、三菱東京UFJ銀行間の取引決済だけでの利用、ということなので今現在については預金者にはあまり関係の無いことなのかもしれない。
ただ、この報道で説明されている内容が、イマイチ理解できない。
というのも、銀行間での決済で利用することと、「フィンテックの本命」と言われる「ブロックチェーン」との関係が、よく理解できていないからだ。
銀行の本支店間を結ぶホストコンピューターにデータを一元管理化するリスクを、分散させるために「ブロックチェーン」を活用する、ということのようなのだが、データの一元管理を分散させることと「仮想通貨」が、結びつかないのだ。
詳しい方は、ぜひ教えていただきたい。
何よりこの報道を知った方の多くは、昨年の「ビットコイン」の事件のことを思いだされたのでは?
「仮想通貨」という「お金」を投資目的で利用し、金融工学に基づき人工知能を活用し、運用をするのでは?ということだ。
昨年の事件の背景には、このような「投資話」が絡んでいた、と記憶している。
だからこそ、三菱東京UFJ銀行が「仮想通貨」の利用を考えているのであれば、わかりやすい説明が必要なのではないだろうか?
ただ「フィンテック」そのものの利用が、このような銀行などの金融側の目線であれば、「フィンテック」そのものの市場は一般化するまでに時間がかかるような気がする。
なぜなら、市中のお金を集めることで「金融」は動くからだ。
市中のお金というのは、私たち生活者のお金のこと。
もちろん巨額なお金を動かす投資家のほうが、目に見える影響は大きいかもしれないが、様々なカタチで日々「お金」を動かしているのは、生活者だからだ。
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