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インバウンドと文化、そして震災

2024-03-03 22:01:54 | マーケティング

Huffpostを見ていたら、「震災と祭り」というテーマの記事があった。
正しくは、過疎が進む地域に残る伝統的祭りと震災、というテーマになるのだと思う。
Huffpost:「過疎地に国力を注ぐ必要はない」って、本当ですか?反論に続々と思いが集まった【能登半島地震】

1月1日に発生した「能登半島地震」だが、復興までの道のりはまだまだ遠いはずだ。
というのも、13年前に発生した「東日本大震災」ですら、復興という状況とは程遠い、と指摘されているからだ。
「東日本大震災」の場合、確かに「東京電力福島第一原子力発電所事故」という、これまでの災害とは違う事故が発生しており、同じように考えるべきではない、という方もいらっしゃると思うのだが、「一度衰退した地方の復興は難しい」という点では、同じ問題を抱えているのでは?と、考えている。

その最たるものが「地域の伝統的な祭り」なのでは、内だろうか?
「福島第一原子力発電所事故」により、全地域が避難地域とされた相馬には「相馬馬追い」という、勇壮な伝統的祭りがあった。
しかし、全地域が避難地域とされたため、地域住民がバラバラとなり避難地域から外れた今でも、かつてのような「相馬馬追い」ができない、という状況にあると聞く。
理由は、一度離れてしまった住人が「祭りに参加しにくい」という状況にある、ということだ。
地域の中で伝統的に守られてきた「祭り」は、「祭りの準備」という段階から、その地域全体が「祭りに参加する」という、ある種の連帯が自然に生まれ、それが祭りというカタチとなっているからだ。

そしてこのような「地域に根差した伝統的な祭り」は、海外からも注目されるようになってきているはずだ。
というのも、以前のような「爆買い」のような観光から、「体験型」へと旅行の目的が変わりつつあるからだ。
その最たるものが「伝統的な祭り」ということになるのではないだろうか?

この「伝統的な祭り」こそ、都市部では見ることができない「日本文化の体験」であり、欧州の富裕層にとっては「体験したい旅行先」となりつつあるのでは?と、感じている。
それは、昨年父の介護の為に一時帰省した11月の「出雲大社・神迎え」の頃に見た、海外からの観光客の姿があったからだ。

確かに、過疎地となってしまっている地域で震災が発生すれば、「既に人が減っている地域に、膨大な予算をつけ、復興する意味があるのか?」という指摘があっても、おかしくはない。
特に都市部で生活をする人達からすれば、「当然の指摘」だと思うだろう。
だからこそ、考える必要があると思うのは、「日本の伝統文化の継承は、誰がするのか?」ということなのだ。
それは「伝統工芸」と呼ばれるモノだけではなく、「伝統文化」も同じなのだ。

そう考えると、「伝統文化の観光化」ではなく「伝統文化を地域資産と考え、地域経済の一つの柱」と考え、振興するということは「地域の精神的復興」と言えるのではないだろうか?



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