Huffpostに、「アイディアは良かったのにね~」という、記事があった。
Huffpost:推しメンが出ない…Jr.EXILEのファイルに苦情「30枚買っても全部同じ」
大変申し訳ないことに、EXILEおよび関連するグループそのものに興味がないため、運営会社そのものの名前も知らず、最初に販売を停止した「LDHって何?」だった。
記事を読んでやっとわかったのだが、このトラブルに関していうなら「アイディアは良かったのにね。企画としては失敗かな?」という印象を持った。
このファイルを購入したファンからすれば、
①クリアファイルの種類が多い
②誰のクリアファイルが送られてくるのか分からない、という一種の「福袋」のような面白さ(ワクワク感やドキドキ感がある)
③1枚当たりの単価が安い(かどうかは、購入者の価値観によるが)ので、大人買いをしても大丈夫
という気持ちがあったのだと思う。
一種のゲームに参加するような気持ちがあった、という感じだろうか?
だからこそ、一人で30枚とか100枚という「大人買い」をした、ファンが少なからずいた、ということは暗に想像ができる。
全メンバー38人、計76種類ということは、一人2ポーズのクリアファイルデザインが用意されていた、ということになる。
とすれば、約40枚購入すれば1ポーズではあるが全メンバーのクリアファイル+α(この「α」の部分が、福袋的ワクワク感ということになるだろう)となるはずが、送られてきたものがすべて同じであった、という落胆ぶりは想像できる。
何故なら、①と②の部分の期待が、一瞬のうちに失われてしまったからだ。
送られてきたクリアファイル全てが自分の推しメンであれば、落胆感もさほどではないだろうが、推しメンでなかった場合の落胆ぶりは、ファンではない私などからは想像もできないほどだったのではないだろうか?
これほどの落胆感を味わってしまうと、この企画よりも運営会社に対して不満というよりも不信感を募らせることになってしまう。
問題は、「アイディア」ばかりに頼った、「企画の失敗」という点だろう。
そもそも「38人のメンバー全員が2ポーズ取ったファイルを、注文通りにランダムにあつめて送る」という作業工程は、相当複雑な作業を要することが分かるはずだ。
しかも、注文者一人当たりの注文枚数を最初から決めているわけではないため、購入者が好きな枚数を購入することとなると、注文の数合わせ+不規則性に基づいた(=ランダムな)商品ピックアップが必要となる。
さほど人気の無いアイドルグループであれば、注文者数もさほど多くはないかもしれないが、人気グループとなれば注文者数そのものも膨大な数だったはずだ。
このような企画でなくても、それだけの注文数をさばきながら、確実に配送準備をするというのは、それこそAmazonの倉庫で商品をピックアップするより大変な作業であり、人手も時間もかかるはずだ。
決して、配送の為のパッキングを請け負った業者の責任だけとは無い、と考えている。
言い換えれば「企画が甘かった」ということだ。
「企画力」というものは、このような「商品が生活者の手元に届けられ、そのパッケージが開けられ・使われ・捨てられるまで」をイメージし、作業を含めた工程までのことを考えたものはずだ。
少なくとも、会社員時代「マーケターの基本」として、叩き込まれた(まぁ、そんな時代だったのかもしれないのだが・・・)。
今回の問題は、「アイディア」としては良かったのかもしれないが、商品を届けるための作業工程と労力、ミスの発生しやすさなどを全く考えなかった「企画力」の問題だと思う。