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自動車の進化に必要なインフラは、どうなっているのか?

2018-03-06 20:21:03 | CMウォッチ

Yahoo!のアドバナーに、日産のミニバン・セレナの広告が、頻繁に表示されるようになった。
日産:「NISSAN PRIDE セレナe-POWER誕生」篇
テレビCMを見ればわかるように、今回のセレナは電気で走る「電気自動車」だ。
しかもミニバンという、これまでよりも大きな車体の車を電気自動車として、投入してきた。
今年の初め、米国のテスラ社が大型の電気トレーラーを発表して以来の、大型車ということになるのかもしれない。
もっとも、テスラ社の大型電気トレーラーはまだまだ市場販売とはなっていなかったと思うので、今回の日産セレナが電気自動車として初めての大型車ということになるのかもしれない。
だからこそ、「日産がやらなくて、誰がやる」というキャッチコピーが、効いてくるのだ。

一昨年あたりから、欧州だけではなく中国でも電気自動車への転換を政策として、明確に打ち出している。
日本では、そこまで明快な打ち出し方をしていないのは、現在の主流となっているのがガソリンと電気を併用する「HV車」だからだろう。
欧州や中国などの電気自動車への政策転換により、日本のHV車が「ガラパゴス化」するのでは?という、懸念をされる方も少なからずいらっしゃる。
日本のHV車の「ガラパゴス化=日本車のガラパゴス化」と、考えられるからだ。

もちろん、そのような懸念があるのは十分に理解できるし、危機感を持つ必要があると思う。
ただ、問題は電気自動車の普及に似合うだけのインフラがどれだけ整備されているのか?という点だ。
拙ブログでも何度か指摘をさせて頂いているが、電気自動車を国やEUのように政策的に推し進める理由はただ一つ「CO2の削減」だ。
確かに電気自動車の普及により、自動車から排出されるCO2は削減されるだろう。
しかし問題は、その電気自動車を走らせる為の電気の供給をどうするのか?という点だ。

EUでは、自然エネルギーへの依存度を高める政策を打ち出しているが、電気自動車が今現在の自動車と同じ台数だけ走れる状況なのか?というと、疑問な点がある。
中国に関していえば、その問題はもっと深刻だろう。
何故なら、自国で排出されるCO2は自動車だけの問題ではなく、様々な工業製品の製造過程での削減が最優先されるべき問題だと考えている。

「電気自動車普及」には、実は自然エネルギーの普及と電気自動車への供給システム、蓄電池技術という複合的な問題が解決されて、初めて実現できるのだ(少なくとも、私はそのように考えている)。
もっと厳しいことを言えば、クルマを製造する工程でも電気を必要とする工程は、自然エネルギーへの転換が必要なのでは?と、考えている。
それほど、CO2削減の為の自然エネルギー活用というのは、難しい問題を抱えていると思っている。

だからだろう、トヨタ自動車が中心となって、水素電気の供給ステーションを供給する会社を自動車メーカーだけではなく、エネルギー企業を含め立ち上げた。
RESPONSE:トヨタなど11社、新会社「日本水素ステーションネットワーク」設立 オールジャパンで普及加速へ

おそらく技術的には、今年初めテスラ社が発表したような大型トレーラーの電気自動車化は、何の問題もないだろう。
むしろ問題なのは、その供給システムや製造工程でのCO2の削減対策なのではないだろうか?
その分野でいち早く「世界標準(あるいは世界基準)」を獲得する国や企業が、市場を押さえることができるのだと思う。



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