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自民党総裁選に思う

2007-09-23 22:42:04 | 徒然
安倍さんの突然の辞任から十日余り、自民党の総裁選挙が終わった。
「出来レース」と、言われていた通りというべきか?福田さんが総裁に決まった。
直後の記者会見では、「自民党のバランス感覚の良さ」というようなことをおっしゃっていたようだが、本当にバランス感覚が良いのかよくわからない。

この福田さんだが、昨年の総裁選の時出馬を求められて、「年寄りが出る必要はない」という内容の発言をしていた。
ところが今回は、一体昨年の「年寄り」発言はどこへいったのか?と言うくらい、やる気満々での出馬だった。
「自民党の危機的状況を打破できるのは、私だ」的な印象すらあった。
そしてその思惑は、自民党全体に広がり出馬表明直後には、「福田さんで決まり!」と言う雰囲気が漂っていた。

その福田さんだが、「一体どんな国政をしたいのか?」ということが、見えてこない。
これまでの福田さんの発言と言うものは、政治家としてのヴィジョンが語られることが余りにも少なかったような気がするのだ。
もちろん、選挙区では様々なヴィジョンを語っているのだろうけれど、「大物政治家」と言われている割には、そのような発言を公の場でされてこなかったような気がするのだ。

総裁選挙中、街頭演説で言っていた「自立と共生」は、民主党の小沢さんが、大分前に言っていた言葉のように記憶しているし、目新しさもなければ今の日本の状況をどれだけ把握した上で、どのような政策が必要なのか?と言う発言もなかった。
確かに、「自民党総裁を決める選挙」なのだから、そんな演説は必要ないかもしれない。
しかし現実には、自民党総裁=総理大臣・首相なのだ。
「これまでの(安倍)政権を引き継ぎ、発展させる」と言われても、その安倍さんの言っていた「戦後レジームからの脱却」や「美しい国づくり」では、生活者の気持ちにはまったく響いてこないのだ。

もう一つ考えてしまうのは、福田さんを選んだ自民党議員さんたちの思惑だ。
今回の安倍さん辞任~福田さん総裁就任までのバタバタ劇を見ていると、議員さんの多くは「寄らば大木の陰」というか、来年当たりにあるかも知れない「総選挙」をにらんで、「如何に、選挙に勝つのか?」と言う思いがあるのではないだろうか?と言う気がしている。
本来「選挙で勝つ!」ということは、議員としての活動実績やその政策・考えなどが優れていると、選挙民が判断した結果のはずなのだ。
ところが、今回の総裁選中度々聞かれたのは、「次の選挙で勝つための『顔』選び」と言う言葉だった。
この言葉を聞いた時、多くの議員さんは「自分や政党の政策や考えで、選挙をする気がない」という気がしたのだ。
参議院選の1人区惨敗の反省から、イメージ戦略として「安定感のある(その分、派手さや個性がない)福田さん=安定・安心感」を打ち出し、自分の選挙を勝ち抜きたいのだろう、と思ってしまったのだ。

いずれにしても、国会議員の多くは「国民の生活」に対する興味・関心よりも、「自分の次の選挙で手一杯」のように思えた総裁選だった。


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