日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

Amazonが、衣料品販売のトップシェアであった、という事実

2021-05-02 21:05:35 | ビジネス

タイトルの「Amazonが衣料売でトップシェアを獲った」というのは、実はアメリカでの話だ。
WWD Japan:アマゾンが衣料品販売で「全米トップシェア」の衝撃

世界的に「新型コロナ」の感染拡大する前から、アメリカのアパレル販売に関して厳しい状況が続いていた。
だが、大手衣料品販売店が相次いで破たんしたのは、昨年の春頃のことだった。
時事通信社:米小売り、コロナで深まる苦境 破綻続く恐れも

米国では、衣料品のJクルーが昨年春に破綻し、百貨店のニーマン・マーカスグループやJCペニーなどが破産申告の準備に入っている、と言われていた。
日本と米国の百貨店の大きな違いは、日本の百貨店がその名の通り「百貨=食品から家具、衣料品に至るまで様々な商品を扱っている」のに対して、米国の百貨店は衣料品などのアパレル関連商品が中心で、食品などの取扱がほとんどない、という点だろう。
その衣料品の売り上げが、「新型コロナ」の感染拡大によって決定的な落ち込みとなってしまった、ということだ。

もちろん、日本の百貨店でも婦人服などの売り上げが百貨店の収益を左右する、と言っても過言ではないのだが、その一方で「デパ地下」という言葉があるように、「百貨店グルメ」という独特な市場を創り出してきたのが、日本の百貨店でもある。

日本と米国とでは、アパレル商品の売り場となる場所が違っている、ということもあるだろうし、元々米国では通販で買い物をする、という行為自体は昔からあった。
百貨店のメイシーズなどは、通販が事業の始まりだったということ知れば、米国における通販の歴史の長さが分かるだろう(JCペニー同様、メイシーズも実店舗は苦戦を強いられているのが、現状だ)。
そのような「買い物文化」の違いと今回の「新型コロナ」の感染拡大により、Amazonで商品を購入する人が増え、特にアパレル商品においては、全米でのシェアがトップになった、ということなのだ。

日本では、以前からアパレルを中心とした通販会社のサイトがあり、平行してカタログなどを顧客に提供し、オリジナル商品の開発などに力を入れてきた、ということもあり、米国のようなAmazon一人勝ちのような状況にはなってはいないが、百貨店という実店舗での売り上げが著しく落ち込んでいることとには、変わりない。
それだけではなく、「バブル経済崩壊後」から日本の百貨店は売り上げが回復している、と言えない状況が続いている。
代わりに伸びてきたのが、イオンモールやららぽーとのような買い物だけではなく、遊びの部分もある郊外型ショッピングモールだ。
「家族で1日安価に過ごせる場所」として、人気があるのだ。

上述したように、米国と日本とでは生活者と小売店の関係が違う。
そのため、アパレル関連の売り上げでAmazonがトップシェアを勝ち獲るとは思えないのだが、Amazonが生活者に支持された結果として、日本の通販サイトなどは危機感とサイト運営など分析する必要がある、ということだと思うのだ。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。