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偉人に学ぶ

2021-10-09 19:48:02 | アラカルト

和楽Webに「その昔、日本で検疫システムを短期間でつくり上げ、成果を出していた」という、記事があった。
和楽Web:23万人の検疫を2か月で実現!迅速な感染症対策に震災復興。今必要なのは「後藤新平」だ

現在放映されている大河ドラマ「晴天を衝け」の主人公は、「日本資本主義の父・渋沢栄一」だ。
ドラマの内容はともかく、明治・大正・昭和と活躍した実業家であり、近代日本資本主義の指導者である、ということはご存じの方も多いと思う。
渋沢栄一一人で、近代日本資本主義をカタチづくったわけではないにせよ、原動力となった人物である、ということには変わりないだろう。

その渋沢と「近代日本の礎をつくった」と言われるのが、後藤新平である、ということは歴史小説等がお好きな方ならご存じだろう。
その後藤新平の功績として挙げられるのが、東京市長(現在の東京都知事)として、都市計画を策定している。
東京市長退任後に「関東大震災」が起きるのだが、「復旧ではなく復興を目指す」等、今の災害復興の基礎となる考えを打ち出している。

何より、目を見張るのは和楽Webで紹介されている、短期間で20万人以上の検疫を行っていた、という点だ。
今では、「感染症の感染拡大を防ぐ」ために行われている方法が、今現在でも有効である、という点だと思う。
「新型コロナ」の感染拡大が懸念されるようになって、当時の菅総理は「気合と根性」そして「自助」という言葉で、政府が積極的に感染に関わるということが無かったように感じている。
もちろん、ワクチンの数量を確保に関しては、政府による各製薬企業との交渉があったからだとは思うのだが、それ以外の感染拡大防止策となると、どうなのだろう?

それだけではなく、第1波の時に「新型コロナ」の封じ込めに成功した台湾は、かつて後藤新平が赴任した土地でもある。
その台湾での封じ込めの基本となっていたのは、後藤新平が打ち出した「短期間で感染者の隔離」だったのでは?という気がしている。
もちろん、台湾のIT担当大臣のオードリー・タンさんの様に、IT技術を積極的に使うと同時に情報公開も並行して行うことで、台湾の人たちは大きなパニックになることもなく、終わっている。

そのように考えると、「未来の為に過去から学ぶ」ということも、必要なのでは?という、気がしてくるのだ。
何よりも、成功事例が日本にはあったのだ。
「気合と根性、自助でがんばれ」ではなく、科学的でありながら柔軟な発想をする後藤新平のような人材が必要だったのではないだろうか?

何より、後藤新平自身は「国の医師になる」という志を持っていたようだ。
今の日本で、「(バブル崩壊後30年経過しても)経済が好転する気配も感じられず、実質賃金が下がり続け、日本全体が貧しくなっている」ことをどれだけ冷静に受け止め、言葉と行動ができる政治家が、どれだけいるのだろう?