昨日、愛知県の常滑にある「アイチ・スカイ・エキスポ」で開催された、ヒップホップイベントについて批難が巻き起こっている。
地元の常滑市長をはじめ、会場となった「アイチ・スカイ・エキスポ」の管理者である愛知県知事が相次いで、声明を出している。
もちろん、イベントに関する批判だ。
毎日新聞:愛知の野外フェスで密状態 主演のZeebraさん「危険な状態だった」
確かに、一部メディア等で報じられているイベントの写真を見ると、「一体どこにソーシャルディスタンス?」という位「密」状態だ。しかもマスクはしていない。唯一、野外であるため換気の心配だけは無さそうだ。
ただ、お盆明けの週末に開催された「フジロック」に対する批判が上がる中、主催者側はよくこのようなイベントを開催できたものだ、と驚いている。
驚くのは、これだけではない。
今日、主催者側が「お詫びと経緯のご説明」という文を発表しており、その文面を見る限りでは「この会社がこのようなイベントをしてはいけなかったのでは?」という、気がしている。
主催者側は、
①8月20日までに8,000枚のチケットを完売していた為、入場制限ができなかった。
②飲酒はダメだと分かっていたが、一部キャンセルできないものがあったため、愛知県の担当者と協議の上、1人2杯を上限として了解を得ていた
③販売杯数管理の為、飲酒チケットを販売していた(本当のところは、売上管理の為だったのでは?と、考えている)
④ソーシャルディスタンスを保つために、ステッカー等を貼り、エリア外での飲食を禁止、飲食時以外でのマスク着用のお願いをしていた
等がお詫びと共に書いてあるのだが、これらのこと自体、どこかおかしい。
おそらく「フジロック」でのチケット販売は、通常の販売枚数の1/2~1/3程度だったのではないだろうか?
中止となった野外音楽イベントも、元々チケットの販売数を通常よりも大幅に減らしていたはずだ。
野外音楽イベントとなると、席が決まっているわけではないので、ブロックごとの割り当て人数も事前に相当減らすことで、何とか「ソーシャルディスタンス」が保て要るような策をとっていたはずなのだ。
にもかかわらず、8月20日までチケット販売を続けていた、ということがおかしいのでは?
8月18日時点で、既に5,000枚のチケットを販売しているのだから、その時点でチケット販売を中止すべきだったし、同時に払い戻しの告知をすべきだったのだ。
酒類の販売についても、キャンセルができないのであれば、買い取りをすればよいだけなのでは?
どれほどのキャンセルができない酒類があり、販売することになったのかは不明だが、飲酒用のチケットを販売するために来場者数×2の飲酒用チケットを用意していた、と考えるのが自然だと思う。
当然のことながら、過去に起きたクラスターの中でも、若い人たちの場合は「飲酒を伴う会合」が多かった。
今年の春には、そのようなことは判明していたにもかかわらず、最初から飲酒販売を想定していた、と考えるべきだろう。
何よりもこれらの「お詫びと経緯についての説明」文には、自分たちの認識の甘さによってこのような事態を招いた、という意思が全く伝わってこない。
会場を貸した愛知県の担当者と相談しながら、対策をとっていった。
開催前までに販売したチケット枚数が多かったので、対応しきれなかった。
等々、言い訳じみた内容ばかりなのだ。
このような言い訳じみた内容の「お詫びと経緯説明」等されると、9月以降予定されている様々な音楽イベントの関係者に対して、世間の目は厳しくなる。
多くの主催者側は、販売席数を大幅に減らし、ソーシャルディスタンスが保てるような席順等、ミュージシャン側も観客側も「音楽を楽しむために万全の策」を互いにとる努力をしているはずだ。
にもかかわらず、このようなイベンターの存在によって、今後予定されている音楽イベントが中止になる可能性があるとすれば、音楽イベント全体に多大な損失を与えたという認識はほぼ無く、イベンター失格会社が金儲けで開催した、ということになると思う。