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女性マーケターから見た日々の出来事

東京都知事を決めるは、東京都民だが・・・

2020-07-06 11:19:45 | 徒然

昨日、東京都知事選があった。
結果は、現職の小池百合子さんが、圧倒的な得票数を得たようだ。
日経新聞:小池氏が都知事再選 コロナ下の選挙戦、圧勝366万票 (動画あり)

都知事選としては2位の圧勝得票数だったようだが、候補者が多数(22名立候補していたようだ)であったとしても、得票が分散することなく圧勝したことは、凄いと言える。
だが、小池さんの当確を受け、ビジネス誌のPRESIDETのオンラインには、辛辣ともいえる記事が掲載されている。
PRESIDENT on-line:いかさま王をまたも選んだ東京都民の罪・・・あまりにも残酷な僕たちの民主主義

「残酷な(僕たちの)民主主義」という表現をしているのは、おそらく「(投票率が低い)得票数」という多数決が、本当の「民主主義なのか?」という、問いかけなのだろう。
もちろん、市民や国民が知らないところでモノゴトが決まる政治が、良いわけではない。
このような政治は「独裁政治」と呼ばれ、一部の人たちに権力が集中し、市民の生活や経済の活動の自由が奪われるからだ。
その意味で「選挙制度」は、市民の考えを反映した人が政治に携わることができる唯一の方法、といってよいと思うし、市民の考えを反映した政治が行える=民主主義ということになるはずだ。

しかし、投票率が低い(今回は、前回より4.73ポイント下がり、55%だったようだ)と特定の考えの人たちが組織的に投票したり、「有名な人だから」という投票結果が、選挙結果に反映されてしまう為に「独裁政治」のような傾向を生みやすい、ということになる。
おそらく、この記事が言いたいことの一つは「本当に、東京都民が都政を考えた選挙結果なのか?」ということなのだと思う。

そして記事の内容は、小池百合子さん自身の政治手法に言及している。
「対立構造」をつくることで、「○か✖か」を問う「単純で考えない政治」をつくる政治手法だ、と指摘をしている。
記事の中では、米国のトランプ氏などの名前が挙がっているが、実は日本の政治もこのような傾向があるのでは?という気がしている。
「○か✖か」という政治を単純化することで、市民・国民の思考を停止させ「民主主義の中の独裁政治」のような構造をつくることができるからだ。
結果、世界の各地で起きている「格差社会」と「全体主義的」な社会思考が起きている。
これらは決して「自国ファースト」という考えではなく、「政治家ファースト」でしかない。

とはいうものの、東京都知事を選んだのは、東京都民だ。
東京都以外に住んでいる人たちには、関わることが無いし、文句の言いようがない。
それだけではなく、今回の都知事選で小池さんを支持したのが、女性が多かったという事実も忘れてはいけないだろう。
投票をした女性の多くは、小池さんになにかしら共感性を持ち、小池さんに期待したということだからだ。
その事実も考える必要があると思う。
もちろん、多くの女性は「対立構造」をつくることを望んでいないだろうし、その「対立構造」によって生まれる「格差社会」等は望でいないはずだ。

「投票率が低ければ低いほど、このような選挙結果を生みやすい」ということは当然だが、選挙そのものが「自分たちの未来をつくる唯一の方法」という認識がされていない、ということが大きいのではないだろうか?
「選挙に行き、自分たちの未来をつくることは、カッコいい!」という、社会的雰囲気を創ることが重要なのかもしれない。