日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「有休消化」と言ってもね・・・

2017-12-11 20:09:22 | ビジネス

Yahoo!のトピックスに、日本人の有休消化が、世界で最低である、というニュースがpickupされている。
ITMedia News:日本人の有休消化率、世界最低 エクスペディア調査

この調査結果を知っても、「そうだろうな~」という程度にしか、思っていない。
「年間の平均有休支給日が20日あり、平均10日間しか消化できていない」という現実は、私が会社員だったころから少しも変わっていないだろう。
何故なら「有休そのものを取得するのは、遊び以外で取得するもの」という、認識が日本の社会全体にあると、感じているからだ。

私が新社会人だった、30年以上前。
入社後半年経過したので「有休を取りたい」と、上司に申し出た時「遊びで、取得など認められない」と、言われたことがあった。
結局、取得できたか・できなかったかは覚えがないのだが、その時上司に言われた言葉だけは、印象深く残っている。
その後転職をしたのだが、転職先の企業が「女の子(「女子社員」という認識ではなく「女の子」という認識)は、好きに休んで!」という、雰囲気があったので「自己都合」として休むことができた。
それでも、堂々と休みが取れるようになったのは、前々年度の有休があり、消化できなくなってからだったような気がする。
しかも、お盆やお正月休みで「帰省の切符が取れないので・・・」という、なんとなく周囲が「仕方ないね」と納得してもらえるような理由を付けて有休を取得していたような気がする。

記事にあるように、「病気休暇」という制度もないため、風邪などの病気で休み時ぐらいしか有休を使う時はないし、日本の企業文化として「遊びで有休を使うな!」という暗黙の了解(あるいはプレッシャー)が、あるのではないだろうか?
元々勤勉な日本人だからこそ、「お金をもらって、仕事を休む」ということに、抵抗感があるのだと思う。

それだけではなく、「ご近所の目」という気にしなくても良い「世間の視線」も気にしている、ということはないだろうか?
平日の昼間「本来出勤してるはずなのに、休んでいる」という姿を、ご近居の噂好きな人に見られると、「どうしたのかしら?」と要らぬ詮索をされるような雰囲気があるのでは?
「どうしたのかしら?」程度で済めばよいが、それが年間20日もあると「大丈夫なのかしら?」と、ますます要らぬ心配話にまで発展するという、思い込みもあるような気がする。
この「大丈夫なのかしら?」の中には、「会社が大丈夫」と「リストラにでもあったの?」という、二つの意味がある。
そんなに他人のことが気になる人がいるのか?と、思われるかもしれないが、会社を辞めてしばらく自宅にいた頃、ご近所の方から、「お仕事してるの?」と聞かれた経験がある。
親しいというほどの関係ではなかったのだが、案外、人のことを見ているのだな~と、実感した出来事だった。

そう考えると、日本では「仕事を病気や介護でもないのに、休む」ということ自体、なかなか難しいのではないだろうか?
いくら「働き方改革」と国が旗を振ったところで、このような日本独特の社会観が変わらない限り、難しいような気がする。