日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

リニア談合よりも、土砂崩れのほうがもっと問題だと思う

2017-12-19 22:37:29 | 徒然

リニア新幹線の工事に伴う、大手ゼネコンの談合が問題になっている。
中日新聞:大林組、リニア工事談合認める 公取委に課徴金減免制度で

リニア新幹線の工事は、巨額の資金が投入される大規模事業ということもあり、当然のことながら大手ゼネコンが共同事業として進めることには、違和感はない。
東京から神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知という県を通る事業なのだ。
愛知から先も三重、奈良、大阪というルートでの工事が、続く予定になっている。
その中でも、山梨、長野のルートは山を掘りトンネルを通す、という予定になっている。
これほどの大規模トンネルを通すだけの機材も技術も持っている企業は、大手ゼネコン以外ではまずないだろう。
そう考えれば、JV各社が工事の分担を決める、ということはあるのでは?という、気がしている。

確かに、談合をすることで「独占禁止法(だったと思う)」に、抵触するということはわかるし、そもそも談合そのものは、問題のある商取引だと思う。
思うのだが、素人目でも「難工事だろうな~」と、想像できる工事を「談合をしていたから」と、問題にするというのは、どうなのだろうか?という、気もしている。

それよりも、今日いくつかの新聞社のWEBサイトで取り上げられている、長野県で起きた土砂崩れの原因が、リニア工事であった、ということのほうが遥かに問題のような気がするのだ。
中日新聞:土砂崩落、リニア関連工事が原因か JR東海

このニュースそのものは、全国ニュースとして取り上げられなかったかもしれない。
12月15日に、長野県の県道松川インター近くの斜面で土砂崩れが発生し、車1台が被害にあったものの運転手などには、怪我がなかった、というものだ。
讀賣新聞:リニア工事近くの斜面崩落、県道が通行止めに
大規模な事故にはならなかったが、リニア関連工事が原因でこの土砂崩れが起きたとすれば、リニア工事をしている周辺地域の地盤そのものが、リニア工事に耐えられるのだろうか?という、不安が起きてくる。
そしてリニアが開通してからも、その地域は大丈夫なのか?という、疑問がわいてくる。

リニアの開業ルートが華々しく決定した頃から、「本当にリニアは必要なのだろうか?」という、疑問を持っていた。
今の「東海道新幹線」の運行状況や老朽化、東南海大地震などの予測などを考えれば、「東海道新幹線」に代わる新しい「新幹線ルート」が必要である、ということも十分に理解しているつもりだ。
しかし、「リニアである必要があるのか?」とか「何故そのルートなのか?」という、検討が十二分にされてきたのだろうか?
随分前、リニア新幹線をコンコルドに例えたことがあった。
採算に合わずコンコルドは、機体を解体された。
言い換えれば「コンコルドは、機体を解体すれば問題は解消される」のだ。
リニアの場合そのよう訳にはいかない。
既に動き始めてしまった事業工事なだけに、今更中止というわけにもいかないはずだ。

そう考えると、今問題になっている談合などよりも土砂崩れが工事現場付近で起きたことのほうが、問題は大きいと思う。