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消費税税率アップが及ぼすコトを考える

2012-06-27 19:38:24 | ビジネス
昨日「消費税増税案」が、国会を通過した。
「消費税増税反対」を掲げ、政権与党となった民主党が増税を決める、という何とも言えない結果となってしまった。

この「消費税増税」については、産業界でも様々な意見が有るようだ。
経団連からは、賛成とは言わないまでも「財政再建のためなら、やむなし」と言う意見が多いように思う。
反対に小売業や中小企業は「財政再建も重要だが、仕事のほうがもっと重要」という、感じだろうか。

確かに小売業にとって「消費税の税率アップ」は、一時的な「駆け込み需要」を起こすが、実施されたとたん、駆け込み需要以上の売り上げの落ち込みが起きる。
それでなくても、今は「デフレ状態」で単価を下げ、利幅を薄くしても売らなくては商売にならない、と言う状況が随分続いている。
そこに追い打ちをかけるのが、今回の消費税増税。

それは中小企業にも言えるコトで、仕入れる材料には増税分の消費税が掛かってくるが、日頃メーカー側からは、値下げを要求されているのだから、増税分を加えることそのものが難しい、と言う状況だろう。

では、庶民の生活は?となると、やはり「財布の口は、固く閉ざされる」というコトは暗に想像が付く。
今のように「節約志向」が強い時に、「お金を使って下さい」というコト自体、なかなか難しい。
主婦向けの雑誌だけでは無く、最近では若いOLさん向けの雑誌にも「貯蓄」のページが普通にあるのだ。
世間は「いかにお金を使わずに暮らすのか?」という、生活に向かっているといえる。

「財政再建」というのであれば、もっと根本的なトコロの見直し論議があっても良かったと思うのだ。
そんなトコロをすっ飛ばして「財政再建をする為に、平税負担が平等な消費税のアップ」というのは、短絡過ぎるのでは?
そもそも、低所得者層が収入に対して負担する消費税の割合と、高所得者層が負担している割合とでは、随分違うはずだ。
なぜなら、低所得者も高所得者も日々の生活に必要なモノを購入するコトには、大きな差が有るとは思えないからだ。
高所得者層が、毎日のように高級食料品店で高額な食品を購入している、と言うのであれば話は違うだろうが、普段の買い物は高所得者も低所得者も大手スーパーで有れば、実感として大きな差が出てくるはずだ。
金額では無く、所得に対する消費税の負担率、という発想を持って考える必要が有るのが今の「消費税」なのでは?

「財政再建」という御旗を掲げるのは良いが、それで経済が停滞するのでは余り意味がない様な気がする。