日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

様変わりするヴァレンタインチョコ

2008-02-11 09:33:18 | トレンド
昨夜テレビを見ていたら、「ヴァレンタインのチョコレートを誰に上げるのか?」という、のをやっていた。
「告白チョコ」から「義理チョコ」、「私チョコ」と、チョコレートを贈る相手が変わりつつあることは知っていたのだが、10代の女の子たち(特に、小学生)の間では「女の子から女の子へ贈る『お友達チョコ』」が主流になっているらしい。
一部では「ヴァレンタインは、女の子から女の子へチョコレートを贈る日」だと、認識している女の子も、少なくないようだ。
それも、仲の良い女の子の家に集まって、みんなでチョコ作りをして、当日贈りあうらしい。
そういえば、ロッテのヴァレンタインCMは、女性同士で贈りあっているCMだ。

元々ヴァレンタインそのものは、「チョコレートを贈る日では無い」というのは、周知のコトだと思うのだが、日本ではチョコレート業界(というより、製菓業界だろう)が仕掛けた「イベント=記念日」である。
確かに、仕掛けとしてはロマンチックなお話が背景にあり、そのロマンチックなお話にチョコレートというのは、とても合うように思う。
その意味で、クリスマスに続く洋モノイベントとしてすっかり定着し、季節行事となっているのだから、その仕掛けそのものは大成功だっただろう。
贈る相手が変わり、その意味も変化してもチョコレートそのものは売れているのだから。

10代の女の子たちの贈る相手がお友達なら、20代以上の女性は「私チョコ」が主流になるのかもしれない。
だからこそ、チョット値が張っても普段では食べられないような「高級チョコ」を買う、ということになるのだろう。
事実、ここ数年「義理チョコ」向けの安価なチョコレートは、年々売場が縮小されてきているように感じる反面、ゴディバを始めとする高級チョコの売場は拡大している。

もっと注目すべきは「ショコラティエ」と呼ばれる、チョコレート専門のお菓子職人の作るオリジナルチョコの人気が急激に高まっていることだ。
一部の百貨店では、フランスの有名ショコラティエを招いてヴァレンタイン限定商品を提供しているところも、多くなってきた。
もちろん、このようなチョコは1粒1000円くらい覚悟しなくては買うことができないのだが、「私チョコ」なら「普段頑張っている私にご褒美」という気持ちで、買うコトができるだろう。
それに、例え義理でチョコを上げても職場の男性の多くは「チョコより他のモノ(おかきやお酒など)」ということを、既に多くの女性は知ってしまっている。
だから「例え義理でも、あげる気にはならない」というのが、本音かもしれない。

14日、職場の女性が義理チョコを配布しなくても、息子さんがチョコを持って帰らなくても、「自分(息子さん)が、もてない」と思わないほうが良いようだ。
なぜなら、ヴァレンタインのチョコを上げる相手が、変わっているのだから。