日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

プロ野球が少し変わった・・・

2017-11-05 21:26:31 | スポーツ

昨日行われた、プロ野球日本シリーズ第6戦。
結果は既にご存じの通り、ソフトバンクの優勝で幕を閉じた。

セ・リーグはシーズン中、圧倒的な強さを見せたカープが、まさかの結果。
その広島を破たDeNAも3連敗となり、後がない状況で本拠地・横浜での試合で2連勝。
地元に戻ってのソフトバンクが、白熱した試合を制した・・・という、見所がたくさんあった日本シリーズだったのではないかと思う。

試合後の両チームの監督のコメントを読むと、なんとなくだが「日本のプロ野球が変わった、日本シリーズだったのかな?」という、気がした。
それを象徴するのが、今日のスポーツ報知に掲載された1枚の写真だ。
スポーツ報知:DeNA ラミレス監督、下克上日本一ならずとも「選手たちは誇り」

記事の内容ではなく、掲載されたDeNAのラミレス監督とソフトバンクの工藤監督が、試合後互いの健闘を称え握手をしている。
おそらくこれまでも、試合後監督同士が握手をする、ということはあったと思う。
ただ、スポーツ新聞などに掲載されるということは、ほとんどなかったのでは?という、気がしている。
あくまでも個人的な印象で、野球そのものをほとんど見ることがないので、断言できるわけではないのだが、敗者となった監督が、自分のチームの選手たちを称え、相手チームを称える、という場面はあまり見たことが無いような気がするのだ。

ラグビーなどでは、試合が終われば「ノーサイド」。
互いに健闘を称えあう、のが当たり前だ。
しかし、野球に関していうなら高校野球などでも、勝者となったチームと敗者となったチームの対照的な光景を見ることはあっても、この写真のような場面を見ることはないように思う。
プロ野球の日本一を決めた試合であれば、尚更見ることはなかったように思う。

もしかしたら、DeNAのラミレス監督と(DeNAの前身ベイスターズに在籍をしていた)ソフトバンクの工藤監督の二人だから、このような場面の写真が撮れたのかもしれないが、それでもプロ野球が少し変わったのかな?という、印象を与える写真のように思えるのだ。

日本のスポーツの中でも、圧倒的な人気を誇ってきた野球。
その中心チームである、巨人の人気に翳りが出始めた頃から、パ・リーグの人気が徐々に出始めてきた。
パ・リーグの人気を支えたのは、「本拠地のファン」だった。
今では、ソフトバンクは九州の顔となり日本ハムは北海道のチームとして、それぞれの地域の人たちから圧倒的な人気を得るようになっている。と同時に、観客動員にもその数字が表れ始めている。
なんとなくだが、そのようなファンの変化がこのような素敵な場面をつくりだしたのでは?という、気もしている。
それは「日本の野球」の文化が、変わってきたようにも思えるのだ。


イチロー選手、おめでとうございます。そしてリオで活躍選手たちにエール

2016-08-08 20:34:02 | スポーツ

先週末に開幕した、リオデジャネイロオリンピック。
時差の関係で、寝不足の方もいらっしゃるかもしれない。
そして、昼間は高校野球。
真夏の昼間、炎天下で野球をするのも観戦をするのも「命がけ」という気がするほどの、暑さの中での試合が続く。

そのスポーツにページに、新たな記録が刻まれた。
イチロー選手のメジャー通算3000本安打。
今日お昼ごろ、外出した先では「号外」が配られていたようだ。

今、そのイチロー選手と2016年リオデジャネイロオリンピック、パラリンピックに出場するアスリートたちが、登場するトヨタのCMが流れている。
トヨタ:WHAT WOWS YOU この世界のすべての心にWOWSをつくろう。 (音声が出ますので、注意をしてください)

イチロー選手のメッセージに、「他のひとより、という考え方は自分には無いんです」という、言葉がある。
おそらく「ライバル」となるのは、イチロー選手自身なのでしょう。
だからこそ、このような偉業を達成することができたのでしょうし、オリンピック、パラリンピックに出場する選手たちも、同じような気持なのだという気がする。

イチロー選手、おめでとうございます。
そして、自分自身と戦っているすべての人に、エールを!

お知らせ:明日から少し早いお盆休みに入ります。今年は親戚の初盆がいくつかあり、例年よりもバタバタとしたお盆休みになりそうです。何より、今週・来週は猛暑(というか炎暑)の予報。熱中症などに気をつけて、お盆休みをお楽しみください。


オリンピックは、ビジネスとなった?

2016-05-23 18:36:56 | スポーツ

JOCが、コンサルティング会社へ2億を超すお金を渡していた、と問題になっている。
お金をもらったコンサルティング会社そのものが、すでに無くなっているため「賄賂」であったのか、「謝礼」であったのかは不明のようだ。

これまでの報道を見てみると、海外からは「賄賂」の可能性が高いという指摘になっている反面、JOC側は「あくまでも、オリンピック誘致のための分析及びコンサルティング料」だという。
気になるのは、「電通」が絡んでいるという点だ。

「電通」と言えば、日本で影響力のある広告代理店だ。
広告代理店と言っても、昨今は広告宣伝を請け負うだけが仕事ではない。
様々なイベントのプロデュースなども、するようになってきている。
その範囲は、世界的なスポーツイベントなどにも及ぶ。
「電通」と密接な関係があるスポーツイベントと言えば、FIFAが行うサッカーW杯だろう。
実際、一時期はFIFAと電通が共同出資をして、マーケティング会社を作っていた時期もあった。

電通だけではなく、日本の広告代理店は国際的なスポーツイベントなどでも、相当かかわってきているはずだ。
それがわかるのが、国際大会などで見かける「日本企業の広告」の数で、分かると思う。
上述した通り「電通」は、他社よりも強い影響力を持つ広告代理店だ。
当然のことながら、誘致活動においては様々な分析をしてきていただろうし、それだけの力はあるはずだ。
なぜなら、様々な国際スポーツイベントを通して、国際的なスポーツ界に対してコネクションを持っていたと、思われるからだ。

しかし、JOC側の「票読みが難しく、(贈収賄を指摘されている企業に)分析及びコンサルティングをお願いした」というのは、どこか解せない。
そのような情勢を分析して、効果的な「ロビー活動をする」ことも、広告代理店の仕事なのでは?と思うからだ。
にもかかわらず、JOC側は「電通から紹介された」という。
本来であれば、電通側がそのコンサルティング会社を使って分析をし、より効果的なロビー活動を展開するのが、仕事なのでは?
もし、JOCが電通側とそのような契約を結んでいなかったとすれば、JOC側の「オリンピック誘致」に対する本気度は、さほど高いモノではなかったのかもしれない、という気がしてくる。

なんとなくだが、今回の一件だけではなくオリンピックという国際的な総合スポーツイベントそのものが、ビッグビジネスとなり、そこに「金儲け」のために数多くの人達が集まってきているように思えてくるのだ。
このような傾向が出始めたのは、1984年のロサンゼルスオリンピック以降と言われている。
それまでのオリンピックは、イベントとして儲けが無くても「国威発揚」という目的で、開催されるコトが多かった。
言い換えれば、オリンピックは開催都市にとって、経済的負担が大きなスポーツイベントだったのだ。
それを「お金が儲かるスポーツイベント」となり、様々な都市が手を上げるようになったのだ。
クーベルタン男爵の掲げたスポーツの理想や理念が置き去りになっていった結果が、オリンピックのビッグビジネス化、ということなのかもしれない。


野球とお金、そして「もしドラ」

2016-03-16 12:06:12 | スポーツ

昨年の巨人在籍選手による「野球賭博」に端を発した、「野球とお金の問題」。
今年に入り、他の選手も「野球賭博」をしていたと、先日謝罪記者会見があったばかりだ。
その結果、巨人のオーナーをはじめ渡辺恒雄氏まで辞任に追い込まれた。
今週に入り、再び「野球とお金」の問題が巨人に浮上した。
ただ今回は、巨人だけではなく阪神や西武という他球団でも同様のことがあった、ということが判明。
プロ野球界全体が、「選手たちがお金をかけて、試合をしていたのでは?」という、疑念を持たれるような状況になりつつある。

巨人の初代オーナーであった正力松太郎は「巨人軍は球界の紳士たれ」という遺訓を残し、この言葉が巨人のイメージを作ってきた部分があるような気がする。
V9時代の長嶋や王といったスター選手のイメージは、まさにそのようなイメージのような気がする。
反面、読売新聞の販促部隊としてのチームという部分もあり、販売部数を伸ばすためには「勝つことが使命」だともいわれている。
広島などの市民球団とは全く違う「事業目的」を持った、球団ともいえるかもしれない。
ただ、巨人だけではなく他球団でも同様のことが行われていた、ということは「プロ野球とは何か?」ということを、考え直す必要があるのでは、という気がしてくる。

数年前に、ドラッカーの「マネージメント」をわかりやすく書いた、「もしも、高校野球の女子マネージャーがドラッカーの〚マネージメント〛を読んだら」が、話題になった。
読まれた方も多かったのではないだろうか?
この高校野球の女子マネージャーは「高校野球とは?」という、視点から自分たちのチームは「何を目的とするのか?」というところから、話が始まる(だったと思う)。
「事業の目的(=高校野球をする意味)は何か?」ということを、チーム全体が認識・理解をし、「目的に必要なことは何か?そのために何をすべきか?」ということを、考えながらチーム全体が成長する・・・、そんな内容だ。

今回の問題では「試合のモチベーションを上げるため」という、趣旨の発言が選手側からあったという報道がある。
プロ野球選手は、同世代の一般的なサラリーマンよりも高い年棒をもらっている。
現役選手として活躍できる期間が短い、ということへの「保障」という意味合いもあるかもしれないが、やはり「活躍、選手としての技能、努力」に対する評価があってのことだと思う。
「高い評価=高い年棒」が、モチベーションとならず、「試合の勝ち負けで払うお金」がモチベーションになっていた、とすれば、ファンに対して失礼なのではないだろうか?

プロ野球は、「もしドラ」を読んでみたほうが、良いかもしれない。
自分たちが野球をする目的は何か?そのために必要なことは何か?など・・・。
「お金」に縛られる試合など、多くの野球ファン、スポーツファンは見たいとは思わないと思う。


アマチュア野球選手のゴールは、プロ選手だけなのか?

2015-06-13 20:12:22 | スポーツ

今日の午前中(日本時間)には、「なでしこジャパン」の試合があり、テレビ観戦をされていた方も多いのでは?
彼女たちのほとんどは、プロ選手ではない。女子サッカー選手の生活環境というのは、男子と比べると随分厳しい、ということはご存じの方も多いと思う。

そして、そのようなスポーツのほうがほとんどで、プロ選手として活躍できるスポーツは一握り。
日本におけるその頂点というのは、おそらく「Jリーグ」ではなく「プロ野球」だと思う。
最近ではサッカーも随分一般紙やスポーツ紙の紙面をにぎわすようになってはきているが、シーズンを通してトップ記事として扱われる回数が多いのは、プロ野球だと思う。

ネットのニュースチェックをしていたら、日本のスポーツメディアや野球関係者の志向(というか「思考」というか)が、随分古臭いのかな?という記事を見かけた。
産経IZA!:プロ注目の155キロ右腕が仰天発言 流経大・生田目「市役所に勤めたい」

試合の内容が素晴らしい結果だからこそ、ヒーローインタビューでいろいろなことを質問されるのだと思う。
当然のように「将来はプロ野球で活躍(できれば、具体的な球団名まで)」ということを、聞き出したかったのだと思う。
ところが「出身地の市役所に勤めたい」という答えは、肩透かしどころか、質問をした記者さんや一緒にいた記者さんたちにとっては「想定外」だったのだろう。
だからと言って「仰天発言」というのは、どうなのだろう?
「期待通りの回答ではなかった」ということもあるのだろうが、生田目選手の将来を関係のないメディア関係者があれこれ言うことではない。

実際鳴り物入りでプロの世界に飛び込んでも、活躍ができる選手などはほんの一握り。
多くの選手は、夢破れてその舞台から去っていく。
だからと言って、プロにいくことをけしかけたメディアには、責任は無い。
なぜなら「プロにいく・いかない」は、選手個人の選択だからだ。
であれば、「仰天発言」という言葉は、必要なかったのではないだろうか?
産経だけではなく、多くのスポーツ紙には同様の言葉が使われていた。
その使い方を見ると、アマチュア野球選手が目指す最終地点は「プロ野球でなくてはならない」という、ある種の固定観念にとらわれているかのようだ。

もし生田目選手が、市役所の職員として「市民スポーツ」にかかわるのであれば、それはそれで素晴らしいことだと思う。むしろ子どもの野球人口が減っている状況を考えると、歓迎すべきことかもしれない。
トップ選手を支えるためには、様々な人の力が必要だ。
スポーツ振興を考えるのであれば、指導者やスポーツ施設、場合によってはスポーツ医療や栄養学という、様々な人の協力が必要だ。
むしろ「ドラフト注目選手=プロ野球選手候補」という決めつけを外すことが、「スポーツメディア」には必要だと思う。


FIFA汚職から見えてくる、「力関係」

2015-05-29 19:55:04 | スポーツ

昨日から「FIFA」の理事による汚職が問題になっている。
朝日新聞:FIFA利権、カネまみれ 1万ドル単位の札束
この事件の捜査指揮をしているのが、米国のリンチ米司法長官だ。

これまでFIFAには、様々な「お金のスキャンダル」の噂はあった。
それ自体、今に始まったことではない。
むしろ、誘致合戦だけではなくスポンサー関係など、W杯ビジネスそのものが巨額なお金が動く「ビジネス」であり、そこには後ろ暗いお金のやり取りがある、というのは半ば暗黙の了解というか、知ってはいても見て見ぬふりをしていただけだったような気がする。

ただ今回の汚職騒動を見てみると、「FIFA内での力関係」のようなモノも見えてくるように思う。
というのも、今回汚職が取りざたされているFIFAの理事が、すべて「中南米の関係者」だからだ。
対象となった汚職が「南米選手権」であったということだが、「UEFAチャンピオンシップ」では、そのようなことがなかったのか?と、言い切れるのだろうか?
W杯ビジネスそのものが、巨額なお金が動く「世界最大のスポーツイベント」でありながら、「中南米関係者のみ」というのも、おかしな話だ。

今回の件で猛烈なブラッター会長批判を繰り広げているのは、UEFAの理事メンバー。
UEFA=欧州のサッカー連盟なので、「中南米VS欧州」理事によるFIFA内での、覇権争いのような一面もあるように感じる。

なぜなら、現在のブラッターさんが会長になれたのは、
1.前任者であるアベランジェ会長の後押しがあった
2.UEFA内での意見がまとまらず、対抗馬が出せなかった
ということがあったからだ。
アベランジェさんは、ブラジル出身の実業家でありFIFA会長として、前例がないほどの「長期政権」だった。
欧州側の理事としては、快くない状況が長い間続いているのだ。
会長選が行われるたびにUEFA側は立候補するも、決して一枚岩ではなく、アフリカやアジアからの賛同を得ることができずにいる、ということもある
米国がどちらの立場なのか?ということは、わからないが捜査指揮を米国の司法が動いている、と考えるなら米国のサッカー連盟も欧州寄りと考えるほうが自然かもしれない。

できれば日本は中立の立場を貫いてほしいと思っている。
というのも長い間、日本は南米寄りといわれており日韓W杯の実質的誘致の失敗は、南米寄り過ぎたという指摘もあるからだ。
何より、久しぶりに日本サッカー協会からFIFAの理事を出すことができたのだ。
このようなことに巻き込まれ、再び理事の椅子を失うことになると、世界のサッカー界の中での日本の発言力が弱まるだけではなく、地道に続けているアジア全体のサッカーレベルを引き上げる、というビジョンもとん挫してしまう可能性があるからだ。


ドラフト会議とブランド力

2014-10-24 18:12:30 | スポーツ

昨日、プロ野球の「ドラフト会議」があった。
その結果は、ご存じの通り。
今回一番の注目の選手が、どの球団が交渉権を得た、などのニュースが新聞やスポーツ新聞大きく報じていた。
この報道を見て「?」と、思ったコトがある。
それは、ドラフト指名選手が最近ある特定球団の入団のために入団を辞退したり、ドラフト会議前から「○○球団に入りたい」というコトを言わなくなった、と言うことだ。

ある特定球団というのは、ご存じの通り「巨人軍」のことだ。
随分前「江川問題」とか「空白の1日」などと言われたことも、あった「巨人軍」への入団。
その後も「巨人軍」に入団したいが為に、辞退をし1年海外の大学へ「野球留学」をした選手もいたように記憶している。
「逆指名」ができる様になると、ドラフト有望選手がこぞって(?)「巨人軍」を指名。
その結果、他球団が最初からその選手を指名から外す、と言うこともあったと思う。

それが、ここしばらくは「逆指名」が出来なくなったコトも影響していか?「何が何でも巨人軍」という選手が、減ったというかいなくなった様な気がする。
今回、複数の球団から1位指名をされた選手は「ドラフト1位指名が夢だった。その夢が叶った」と、コメントをしているようだ。
何より、人気という点では、圧倒的にセリーグの方が人気があるように言われていながら、今回話題になった選手がパリーグの球団からの指名を、ネガティブに受け止めていない、と言う点に大きな変化を感じている。

元々野球ファンではないので、認識間違いがあるとは思うのだが、長い間日本のプロ野球は「巨人軍」という圧倒的な強さを人気を誇るチームによって牽引されてきた。
その為「巨人軍」を頂点とする、セリーグのほうが何かと注目を浴び、人気も高かった。
一方、その様な圧倒的な人気と強豪チームを持たない、パリーグのチームは実力は別にして人気という点では、観客動員も少なく、空席が目立つ様な状況が長い間続いていた。
その様な状況だったからこそ、野球少年達が目指す頂点は「巨人軍」だったのかも知れない。
もちろん、「阪神ファン」もいれば「広島ファン」、「中日ファン」や「横浜ファン」、「ヤクルトファン」もいるのだが、基本的には圧倒的な人気を誇り、ドラフトの話題も「誰が巨人に入るのか?」というコトだったような気がする。

その流れがいつの間にか、大きく代わりパリーグのチームの試合の観客動員は増え、テレビなどでの野球中継では無く、ファンが球場に足を運び観戦する、と言う「観戦スタイル」が定着。
と同時に、ドラフト会議のような場所でも指名をされた選手が交渉辞退をすることなく、入団をする様になってきた様に感じるのだ。

そう考えると、圧倒的に強いブランド力のあった「巨人軍」のブランド力は、どうなってしまったのか?と言う気がしてくる。
おそらく「巨人軍」のブランド力が低下したのではなく、他の球団のブランド力が強くなってきただけなのだと思う。
特にパリーグのチームが、積極的に観客動員を増やすために様々な方法で、チームの魅力を発信し、努力を積み重ねてきた結果が、ここ2、3年に見られる様な「ドラフト会議、指名選手のコメント」に繋がっている様な気がする。
結果として「巨人軍」のブランド力が、霞んでしまった(?)という気がした、今回のドラフト会議だった。


W杯選出メンバーとクラブチーム

2014-05-12 20:53:18 | スポーツ

今日の午後2時、2014W杯ブラジル大会のメンバーが発表された。
この様な発表には、「サプライズ」がつきもの。
今回の「サプライズ」は、川崎Fの大久保選手だったようだ。

メディア的には大久保選手かも知れないが、個人的には鹿島から選出されなかったコトが「サプライズ」だった。
現在のJリーグの順位でも、ある程度の結果を出しているし、これまでも鹿島からは柴崎選手が呼ばれていたりしたからだ。
Jリーグでの順位というのは、あくまでも「チーム成績」というコトなので選出される選手一人ひとりの実力を図る訳では無い。
だが、それなりの戦績を残しているチームの選手というのは、個々の力もそれなりに持っている、と考えるのが普通だった。
そう考えると、現在鹿島よりも下位に低迷しているチームから選出された選手というのは、個々の力が高く評価された、と言うコトになるのだろう。

ただ、一つ考えられるのが「Jリーグでのチーム戦術と代表監督の戦術の違い」、と言うコトかも知れない。
と言うのも、ザッケローニ監督は「攻撃的なチーム」と言う表現をしているからだ。
「攻撃的なチーム」というと、攻撃的な選手中心と思われがちだが、どちらかというと「攻撃的なチーム=攻撃的ポジションであっても、しっかりディフェンスができる」という選手のほうが選ばれやすいのでは?と、思っている。
守備的なチームの場合、個々の選手の役割がハッキリしていて「攻撃的な役割=攻撃中心・守備的役割=守備中心」という場合が多い。
「攻撃的チーム」というのは、実は攻撃的役割を担う選手であっても守備がしっかりできる、と言う選手一人ひとりに課せられる能力というのは、幅広い。
攻撃だけでも×、守備だけでも×。全体のバランスを選手一人ひとりが取りながら、守備から攻撃へと素早い転換をする、と言うことが必要だとおもうからだ。
実際、欧州の強豪チームの多くは、その様な傾向にあると言われている様だ。

そう考えると、鹿島から選出されなかったのは、クラブの戦術と代表監督であるザッケローニの考える戦術が、違っていたと言うコトなのかも知れない。
選出された選手達は、ここからがスタート。
W杯で1勝をあげることは、どの国にとっても大変なこと。
前回決勝トーナメントに進出することができたからといって、今回も決勝トーナメントに進出できる保証などはない。
それぞれの試合が真剣勝負。
良い結果を残すために、しっかり準備をし、これまでの努力の成果を発揮して貰いたい。

そして選外となった多くの選手達には、次のW杯を目指すだけではなくW杯を通して「新しいサッカー」というものを発見して貰いたい。


ソチ五輪でわかった、日本の問題点

2014-02-25 12:36:14 | スポーツ

ソチ冬季オリンピックが閉幕した。
今回のオリンピックで感じたことの一つが、「若い選手の活躍」だ。
男子フィギュアスケートで金メダリストとなった、羽生結弦選手をはじめ、10代のメダリスト達が誕生した。
もちろん、「レジェンド」として讃えられた葛西選手の活躍は、素晴らしいと思う。

その様な選手達の活躍ぶりを見ていると、「日本も様々なスポーツの裾野が広がりはじめているのかな?」という気がしている。
様々なスポーツにチャレンジをし、その才能を開花させるチャンスが増えているとすれば、日本のスポーツ文化も発展しているのだな~と、嬉しくなってしまう。
嬉しいだけではなく、それを実感できたのが今回のソチだったと思う。

反面、2020年の東京オリンピック組織委員会長の森さんの発言を聞いていると、もう一つの日本スポーツの問題のようなものを感じる。
それは「スポーツ文化を理解している政治家の人材不足」だ。
確かに、浅田選手に対する発言は「真意が伝わっていなかった」のかも知れないが、発言全体を通してよく読むと、他の選手に対する暴言があった、と言うことが分かる。
メディアが浅田選手の部分を中心に取り上げたために、もっと大きな失言が見逃されてしまった感がある。

そして、日曜日に行われた秩父宮ラグビー場での天覧試合でも、「ハァァ~~~」という発言をしていらっしゃる様だ。
スポーツ報知:森元首相 秩父宮では平穏 両陛下の説明役務めご満悦
記事そのものは、森さんが得意げに両陛下の(ラグビーの)説明役をした、と言う内容なのだが、陛下が「ラグビーがこんなに面白いスポーツだと思わなかった」というお言葉に対して、余分な一言。
確か森さんは、日本ラグビーフットボール協会の会長をしていらっしゃったと思うのだが(だから、天覧試合で説明役になったと思うのだが)、ラグビーというスポーツを振興しようという気が余りないようだ。
ご本人は「早稲田大学ラグビー部」という経歴がある、と言うことでこの様な要職に就いているはずなのだが、この様な発言を知ると「本当にラグビーというスポーツが好きなのだろうか?」と、疑問に思ってしまう。

なにより、オリンピック組織委員の会長などの要職ができる人材が、この様な人なのか?と思うと、スポーツという分野においての政治的人材不足を感じるのだ。
これまで元スポーツ選手が政治家になることはあっても、政治家がスポーツ振興のために国際舞台で活躍をした、と言う記憶は無い。
2020年の東京オリンピック組織委員会の場合、会長になる方がおらず「消去法」で森さんになった、と言う話を聞いたコトがあるが、言い換えれば森さん程度の人材しかいなかった、と言うことにもなる。
スポーツの国際舞台の裏側というのは、国際政治の舞台と同じ様駆け引きがある、と言うことを聞いたことがある。
とすれば、ご自分が経験したコトがあるスポーツですら失言をしてしまう様な人材では、とてもでは無いが国際舞台での駆け引きなどできないと思うのだ。

その点で、日本のスポーツにおける問題は「スポーツに対して理解がある政治家がいない」ということのような気がする。


オリンピックに思う

2014-02-12 18:01:12 | スポーツ

ソチオリンピックが開幕し、連日のように日本選手の活躍が報じられる。
今朝は、スノーボードハーフパイプ男子で、銀と銅の日本人メダリストが誕生した。
銀メダルを獲得した平野歩夢選手は、冬季オリンピックでは最年少メダリストとなった。
一方、金メダルの期待があった、ジャンプ女子の高梨沙羅選手は、4位入賞という結果になった。

私などは、「運動音痴にも程がある!」と言われる程運動が苦手なので、オリンピック選手に選ばれるだけでも大変な才能と努力だな~と、感心しきりなのだが、オリンピック大好き国民は、この時ばかりは、その成績に家族や友人でもないのに一喜一憂する傾向がある様な気がしている。
もちろん、メディアの扱いそのものも「オリンピックに出場する限りは、メダル獲得」という感じなので、しかたないのかも知れないのだが、日本の場合、選手強化のために努力をしているのは所属チームの企業や選手個人が中心で、所属団体を通しての国からの支援などは「・・・」と言うのが、現状だ。
そのことについて、400m障害でオリンピックに出場した経験のある為末大さんが、スポーツ新聞のコラムに書いていらっしゃる。
日刊スポーツ:為末大学「結果不振選手批判はブラック企業の論理」

よく言われる「国費を使って・・・」と言っても、実はその国費の使われ方も本当に選手強化に使われているのか、甚だ疑問というケースもある。
以前、夏のオリンピックでメダルの期待があったあるチームスポーツが、思ったような成績が残せず帰国したことがあった。
後で判明したことは、移動中の飛行機で役員達はビジネスクラスで移動。肝心の選手やコーチ、スタッフなどはエコノミーでの移動だった、と言うことだった。
体の大きな選手達が窮屈なエコノミーで移動をし、試合をしない役員達がビジネスの利用というのは、本末転倒では?と批判が出たと記憶しているのだが、もし国費を使っていても、この様な使われ方をしていれば、選手強化などには結びつかないだろう。

そもそも多くの人にとって、オリンピックという舞台は「観戦をする側」であって、その選手達の努力などを目の当たりにし、応援をしている訳ではない。
にも関わらず、この時ばかりは親類縁者か友人の様な気持ちで応援をし、結果が残せないと批判をする、と言うのは何とも無責任のような気がするのだ。
一方、結果を残した選手にとっても、その後のマスコミの追っかけというのは、凄まじいものを感じる。
ご両親や関係者への取材は当然、子どもの頃の恩師や同級生の話など、スポーツとは関係のない話まで取材され、選手は追いかけ回される。
今大会初のメダル獲得となった平野選手は、まだ中学3年生。
ジャンプの高梨選手も17才の高校生なのだ。
これから先の選手生活だけではなく、選手引退後の生活のほうが遙かに長い若い選手達だ。
その伸び盛りの選手達をもっと成長するように、応援するのが「観戦をする側」にも必要なのでは?

スポーツ大国というのは、メダルの数だけでは無く「観戦する側」にも、マナーのようなものがある国だと思う。