浜田屋遼太

世の中のために何の役にも立たないブログ  お暇なお方は是非どうぞ(^^♪

カーナビ純子の焼きもち

2010-10-12 | 日々是好日
クルマで移動する時に便利なのがカーナビですよね。

知らないところへ行く時には大変重宝します。

純子です  

僕もカーナビ純子とは長い付き合いで、もう7年目でしょうか。

純子とは僕が勝手につけた名前で、一時真由美と名を変えたが、真由美にしたとたん案内が急に荒っぽくなって危ない目にもあったので、また純子に戻した。

今は純子で昔の名前で出ています。

付き合い始めた頃は、何て賢い奴だ…と思った。

ちょっと年増の声だが「しばらく道なりに進むコースです」などと美しく喋っていた。

僕の知らない目的地を、目的地まであと何キロ、何時何分ごろ到着、などを実に正確に教えてくれた。

それが、いつの間にかギクシャクした関係になってきた。

原因は分かっている。

ETCを付けてからだ。

ETCは二十歳そこそこの若い娘の声で、張りがある。

年増のカーナビ純子とは、親子ほどの年齢差があるかもしれない。

純子はそれが気に入らないのだ。

「あたしというものがありながら」というやつだ。

「だからねぇ、純子とETCとは役目が違うでしょう。」

「ETCは料金所を通過するときだけの女なの!、そんなに深い関係じゃないし、まだガキだし第一そんな暇ないし」

と説明したのだが、純子はムッとしたままだ。

まだ他にも純子の機嫌が悪い理由があった。

それは7年の間に道路事情が変わった。

新しいバイパスや高速道路を純子は知らない。

そんな道を走ると純子は悲しげに黙りこむ。

「男は勝手なんだから」というやつだ。

純子の言うことを無視して新しいルートを走ると、とたんに純子はムッとして黙秘権を行使する。

「この頃意識してあたしの知らない道ばかり行ってるわね」

「なんなのよ、さんざんあたしを利用しておいて…あたしはあなたのなんなのよ」

と暗黙のうちに言っているのだ。

「なんなのよ」と言われても困る。

これ以上関係の冷えた年増女と問題をこじらせたくないので、僕は黙って走っていく。

息詰まるような空間から開放され、自宅に着くといきなり見慣れた同居人(妻ともいう)が

「明日の弁当のおかずの塩サバ買っといで!今日はアソコのスーパーが安いからね、買ってこないと弁当のおかずが無いよ!」

といつもの調子で喋る。


僕は思わず「なんなのよ」と言いそうになった。
コメント (2)
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