きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

完全養殖=餌の解明で

2013-08-28 07:37:55 | Weblog
完全養殖=餌の解明で        (2013-08.28)

日本人に親しまれて来た、ウナギやマグロが、将来食べられなくなるかも知れない。生息数の激減で、漁獲や、取引の世界的な規制強化が、確実視されて居るからである。

この状況を打開する為、政府は、天然資源に頼らない、完全養殖の大規模な商業化を平成32年までに実現する方針を決定、その研究を国を挙げて、進めている。

国際自然保護連合(IUCN)は7月、乱獲で激減している、日本うなぎを、絶滅危惧種としてレッドリストに乗せるか本格的な検討を開始した。クロマグロは22年ワシントン条約締結国会議で国際取引の全面禁止が提案され、日本などの反対で、かろうじて拒否されたが、其れも一時的なもので、漁獲量管理の厳格化を求める国際世論は益々強まる傾向にある。

日本の食文化を絶やさない為には、養殖が不加欠であるが。それも、普通の養殖(稚魚を育てる養殖)では、結局、天然資源の動向に左右されてしまい、抜本的な解決策では有りません。完全養殖の為には、成魚から採卵して人工授精し、再び成魚に育てるまでを完全に実用化する事である。

ウナギの完全養殖は22年「水産総合研究センター(横浜市)が世界で初めて成功した」。
しかし、卵から幼生のレプトセファルス、稚魚のシラスウナギ、成魚へと育てる養殖サイクルのうち、幼生は餌が不明なため9割以上が死んでしまい、実用化には至らなかった。

しかし、鍵を握る餌に付いて、昨年東大チームが解明し、太平洋で採取した幼生を調べ、プランクトンの糞(ふん)や死骸が餌だった事を突き止めた。最近の研究では、鶏卵やヤマメの精巣も餌に成る事が判明し、幼生の9割までが育つまでになったのである。後は、「飼育の規模拡大化が課題で、実用化は確実に実現に近づいている」と言うことである。

また、マグロの完全養殖に付いても、14年に近畿大水産研究所が世界で初めて成功して、既に成魚を市場に出荷しており、養殖用として体長約30センチの稚魚(ヨコワ)も年間4万匹生産している。

価格はまだ、天然ものの約2倍と高いが、「完全養殖ヨコワを主流に使う事になれば、低コスト化が出来る」と自信満々である。

水産総合研究センターは今年の6月長崎市の陸上に直径20メーターの水槽2基を作りマグロの完全養殖施設を建設した。海上の生簀より水温や日照時間の管理が容易で、安定的な産卵・育成が出来ると言う事で、28年度には年間10万匹の完全養殖を目指しており大量出荷の道筋が、見えてきたと言う事である。

ウナギにしても、マグロにしても、完全養殖技術が、日本で確立されれば、国際的に何の制約を受けることなく、食卓を賑わせる事は、此れもまた、日本の得意わざの一つとして、世界を制する事に成るのでは無いでしょうか。
(えびなたろう)