きまぐれ発言

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「影の銀行の行方は???」

2013-08-01 11:10:25 | Weblog
「影の銀行の行方は???」       (2013-08.01)

国際通貨基金(IMF)は中国に対する2013年の年次審査報告書を発表し、「“影の銀行”(シャドーバンキング)」問題による金融リスクが増大していると警告。景気の底割れを避けるため、金融システムの整備と近代化を促した。19日から2日間モスクワで始まるG20会議でも「影の銀行」が取り上げられ、中國に説明が求められる見通しである。

影の銀行とは、銀行の融資以外の方法で資金の貸し借りを行う簿外取引で、地方政府の債務の隠れみのと指摘されている。中国社会科学院の調べでは昨年末の総額は日本円で約233兆円に登り、不良債権化が懸念される。

IMF理事会は報告で、中国の成長は依然力強いが「金融や財政、不動産の各分野で脆弱性が増し、成長見通しについて雲行きが怪しくなっている」と懸念を示した。其の上で、中國はショックに耐えうるだろうが「防護壁として、一段の政策強化に踏み切るのがのぞましい」とした。

中国政府の会計検査院に当たる、「審計署」は全国一斉の債務調査に乗り出す。そして「影の銀行(シャドーバンキング)」など特殊なルートで資金集めをした案件を、債務規模や返済能力、適法性などの面から数か月以内に洗い出す、意気込みをしめしている。
地方政府の債務残高が総額で20兆元(約320兆円)以上と見られ、GDP比で40%前後の規模であるから、規制が進めば不良債権化する案件も相次いで相当な金融リスクも高いにではないかと見て居る様だ。

中国の専門家の間では、早くから、「7月金融危機説」が語られて居たが、それが現実味を帯びて語られるようになり、世界第2の経済大国である中国だけに世界に与える影響は大きいのではないでしょうか。
上海銀行間取引金利(SHIBOR)の翌日物では、17日に4.813%だったのが、18日には5.596%、19日に7.660%と上昇。20日には13.444%と過去最高に跳ね上がった。そして、大手銀行の破綻の噂が流れるや、大慌てで、21日に資金供給を施し、一転8.492%に急落した。

金利の急上昇は、中國人民銀行が市場から資金を吸収する公開市場操作を実施し、需給が逼迫したのが要因で、金融市場のリスクを高めている「影の銀行」への資金流入を抑制するのが狙いと見られている。

「影の銀行」への金融引き締めのショック療法は副作用も大きく、此れによって中小金融機関や企業の資金調達が難しくなることから、「影の銀行」を潰そうとすれば、中國経済全体が潰れてしまいかねないと言う状況だ。

ここ数年中国の地方政府は公共事業を拡大に努めてきたが、その資金の主要な担い手は「影の銀行」で採算性の低い公共事業に対し、銀行融資よりもはるかに高利の債券を発行して来た資金の返済は、極めて困難である。地方政府は、「最後は国に〝付け”を回す算段でいるようだが・・・・・。」
(えびなたろう)