きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

日露首脳会議

2012-06-20 10:25:14 | Weblog
日露首脳会議      (012.06.20.)

野田総理とプーチン大統領との会談で、日露関係の今後について話し合い、半世紀以上に及ぶ、両国の未解決問題として、何と言っても北方領土の問題が有る。
日本は、此れまでの外交上の諸合意文書に基付いた交渉を前提として北方領土に関する問題はもとより、その他両国の経済協力や安全保障問題、海洋における協力強化等々、特に中国のアジアに於ける姿勢に対抗する意味においても両国の親善関係を深めて行きたい、との話し合いに合意をしたと言う事である。

真に良い初動の雰囲気であるが、今迄半世紀以上も和解が出来なかった問題の本質が何処にあるかを根本から考え直し、其の上で、両国の国益に通ずる立場を考えて、総合的観点から話し合わないと、今迄の交渉と何ら変わらないお互いの言い分の押し付け合いに終始するだけで、終わってしまう事になるのである。
北方領土の国後・択捉・歯舞・色丹の4島は、日本に執って大変重要な島ではあるが、今迄真剣な形での交渉はしてこなかった、一方ロシア側は、領有している間に実効支配に力をいれ、地域産業として色んな企業を設立し、住民への教育や医療問題にも力を尽くして、行政支配のインフラを作ってしまった。

当初住民は、日本の先進技術を慕って「日本に帰属したい」と希望する住民がほとんどであったため、日本側もこの雰囲気に期待して、楽観的な外交を続けていたが、今や、ロシアの実効支配の手が行き届き、住民世論はロシアへの帰属を望んでいる様である。この様な住民の変化は、余りにも日本が半世紀以上もホッタラカシの状態にして置いたからである。
日本には、現地に住んでいた島民が団体を作って、4島返還を強硬に主張している様だ。

半世紀以上たった現状では、最早時代が変わり単なる領土返還要求は時代にそぐわない要求でしかないと思います。其れよりも、ロシアがアジアや太平洋地域への発展に対し、ウラジボストックを窓口にシベリアの開発に日本の助けを非常に希望している。従って、北方領土の問題を梃に、シベリア開発の権利を日本が要求し、その事業に北方領土に住んでいた住民に近代的な権利を与え、政府が協力して、開発・発展に力を注いだ方が、大きな国益に繋がるのではないでしょうか。

半世紀以上昔の事に拘り、何時までも停滞している日本は、中国や韓国にシベリア開発の権利を奪われ、日本は益々遅れを取ってしまいます。
プーチンの心の中は日本にシベリア開発をやってもらいたいのです、天然ガスパイプラインのアジアへ引く計画も、買ってくれる相手は、中国や韓国ではありません、日本に買って貰う事を考えているのです。外交交渉は両国にとって国益に繋がる事をお互いが相手の立場を良く考える事で成立するのです。
(えびなたろう)