きまぐれ発言

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幻の報告書が出てきた。

2011-07-13 10:40:26 | Weblog
幻の報告書が出てきた。       (2011.07.13.)

福島第1原発事故の要因になった長時間の全交流電源喪失(SBO)について原子力安全委員会のワーキンググループ(WG)が1993年に炉心損傷を招く可能性を認めながら、「考慮する必要はない」とした国の安全設計審査指針を追認する報告書を出していたことが判明した。
安全委員会は報告を公表せず、安全対策にも反映されていなかった。

当時の原子力安全委員会の委員長は斑目春樹(まだらめはるき)氏で「SBOを考えなくて良い」と書いたのは最悪であったと認め、「前から安全規制改革をやっておれば事故は防げた」と述べている。
アメリカの原子力規制委員会(NRC)やフランスでも法的にOSB対策を求めたり危険を減らすため設計上の考慮が払われているが、我が国では「OSBの発生確率は小さい」「短時間で外部で電源等の復旧が期待できるので原子炉が重大な状態に至る可能性は低い」と結論付けていた。

今回の福島原発事故は、地震により外部電源を喪失し、更に津波によって非常用ディーゼル発電機が水没するなどして、OSB対策が出来ていない事そのものが、「メルトダウン」や「水素爆発」事故に繋がっている。政府は国際原子力機関(IAEA)に出した報告書で津波などSBOの原因になる自然災害への考慮が不足していたことを認めている。

菅総理の今回「ストレステスト」とはOSBに配慮した安全策の事を言っているのであると思う。今までの安全検査では、自然災害等、OSBに対する安全策は考慮されていないとこに対する「安心感を」付加する事を言っているので、当然必要であると思います。

今回の事故は、安全確保を委ねる最高の機関である、原子力安全委員会の委員長に斑目春樹氏の発言が無責任極まりない、「妄言」にかき回されたことに尽きると考えても可笑しくないのではないでしょうか。斑目委員長は3月12日朝、菅総理と福島原発を視察に行っている。そのヘリの中で首相にたいして、「大丈夫、大丈夫だ。水素爆発は起きない」と説明している。しかしその8時間後に一号機の爆発が起こっている。原子力安全委員は国会の同意人事で決められ、委員長は報酬も月百六万円と公務員では最高級である。総理と言えども辞めさせる事も出来ない人事には、総理のボヤキも無理のない事だと思う。

斑目氏は、典型的な原発推進の御用学者で電力会社や経産省のウケが良く東大大学院修士課程修了後、東芝に3年勤務後、東大で、安全規制行政など原子力社会工学を研究したエリート中のエリートである。今回も初動を間違えなければ、こんな大事故のならなかったと思うが、斑目氏のようなデタラメ委員長が安全委員会のトップにいたのが不幸中の不幸であったと思う。
(えびなたろう)