きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

金の力で人の心も変わるのか

2011-07-06 10:54:18 | Weblog
金の力で人の心も変わるのか       (2011.07.06.)

佐賀県玄海町の2・3号機再稼働に向けての交渉で、自治体側が同意したことにより、全国で定期検査後の運転が届こうっている事に先駆け、初の再稼働が行われることに注目が集まっていた。しかし、その内情は複雑なものが有り、原発に対する危険性が払しょくされての相互理解が得られたものではない様である。
周辺自治体によっては、福島原発の結果も解らないで、稼働する事に難色を示している所もあり、住民の不安をうけて態度を保留している状況にある。

その最大の理由は原発を稼働させると、自治体に入る「核燃料税」と言うお金が入ることである。 玄海町では、歳入の6割近くが原発関連の交付金と核燃料税で、賄われている。
この様に原発関連のお金は田中内閣時代に「電源三法」と言う法律を作りその財源は電気利用者から「電源開発促進税」として電力会社が徴収し、それが「特別会計」として入るから、それを使って、力ずくで原子力発電推進に使われて来たのである。

法律を作った最初の目的には、立地地域の活性化や過疎からの脱却と言う事であったが、実際には「原子炉立地審査指針」では、「低人口地帯」「人口密集地帯から離れている事」などを掲げ、結果的に使われた金は地域振興ではなく過疎の継続を強いる事への“慰謝料”の様相を呈していたのである。
新潟県の柏崎刈羽原発に田中角栄氏は「東京に造れない物をどんどん造る、造って東京から金を送らせるんだ」と述べている。また、全国原子力発電所所在市町村協議会会長を務めた福井県敦賀市の高木孝一市長は原発誘致を進める講演会で「こうした濡れ手であわの『つかみカネ』は、人間の理性をマヒさせる」と本音を吐露したとの事です。従って当時は小さな自治体では「原発を持って来れば、あとはタナボタ式にいくらでも金は落ちてくる。早い者勝ち!」と言う空気があったようである。

この様な状態で、特別会計と一般会計で年間5000億円近い金が、交付金や補助金としてふんだんに使われてきたのである。従って、流れた金は、反対派の抑え込み、政界・学会・マスコミ関係・評論家等々広い分野にまで及び、人間の理性をマヒさせる働きをしてきた事を思えば、今回の震災による「原子力神話」は根底から覆され、根本から見直しする事に迫られている。

「脱原発」をただ唱えることは簡単であるが、現状迄の経過を経た中で、一挙に変えることは、大変大きなリスクを伴う事になる。それだけに、危険を伴っても稼働をあえてしなくてはならない事もある。危険度を最小にした中で、行う事を、明示し納得の上でやるしかないと思います。もし遣らないのなら、相当な痛みも覚悟の上で、停止しなくてはなりません。そして、最終は「脱原発」に持ってゆくことが必要である。
(えびなたろう)