きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

医療保険制度の精神とは

2008-05-25 11:59:04 | Weblog
医療保険制度の精神とは    (008.05.25.)

医療に関する問題で、国民誰もが、健康障害が生じた時には、医療のサービスを受ける必要が生じます、従って、医療サービスが必要になったときの事を思い、このサービスの提供を総合的・一体的に利用できるよう社会的連帯の精神に基づいて公平に受益出来る制度として、存続させて行く考え方が基本です。

運用に当っては、先ず、財源が必要です。その財源に応じてサービスが出来るわけです。
サービスを受ける側は、国民全体ですから、若年層から高齢者層に至るまで全体をひっくるめて、其の状況に応じたサービスを受けることになります。

財源に付いては、社会的連帯精神に基づいて制度を維持する考え方から、現役で働き収入の多い人ほど保険料は多く、収入の無い人は、当然無料と言うことになります。
若年層の人でもいずれは高齢者になり、働きたくても働く事が出来ない状況になれば収入が有りませんから、若年層の払っている保険料がこの制度運用の主体となっていることは当然で、此れが、社会的連帯精神で運用される保険制度の精神であります。

従って、社会連帯的運用の立場から、母体になる被保険者の規模が大きければ大きいほど、若年層の多ければ多いほど財政的には楽になり充分なサービスが対応できる事になります。

この様な保険制度の基本的な考え方から言って今回問題になっている、後期高齢者層を分離独立する遣り方には、非常に理解しにくい問題が山積しています。

先ず、入る財源全体と、受けるサービス全体が同じであれば、社会全体で受けるサービスは同じであります。それは今保険制度が若年から高齢まで一つに成っているからです。

此れをいま若年と高齢に二つに分けた制度にすれば、サービス量を多く必要とする高齢者だけを分離してた場合は、保険制度はたちまち行き詰まり、多額の補助金を投入するか、サービス内容を落とす以外には、運用困難におちいります。

保険制度は、若年層と高齢層が一体になっているから成り立つので、此れを分離する考えは保険制度の精神から全く逆行する物で、若い人も若年層に所属して居る間は良いがいずれ高年者層に入れば、充分なサービスが受けられなくなることは、何の為に今まで保険料を払っていたのかと言う事になり、先行きの老後に不安を残す事になります。

保険制度は本来、先行きの不安の無い生活の安全を求めて保険に入るもので、今の高齢者は、現役世代の若い時に、老後の備えにと永年払い続けてきた物で、今になって、其の制度から切り離されると言う事は、将に姨捨山集団に入れられた思いである。

財源的な問題からの発想であるなら、役人による、税金の無駄使いになぜもっとメスが入れられないのか、公務員改革も全くやる気が無い政府の遣り方には、国民はやりきれない思いで一杯だと思う。
(えびなたろう)