NAO日和

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<7月の鑑賞予定映画>

「フェラーリ」「キングダム 大将軍の帰還」「メイ・ディセンバー ゆれる真実」「もしも徳川家康が総理大臣になったら」

「愛を読むひと」

2009年06月30日 | あ~か行の映画

~愛は、本に託された~

2月のアカデミー賞の時から気になっていた作品。早々に行ってきました。
(記事の更新は遅くなったけど^^;)

2008年 アメリカ・ドイツ合作  ショウゲート配給 (09.6.19公開)
監督:スティーブン・ダルドリー
原作:ベルンハルト・シュリンク 「朗読者」
音楽:ニコ・ムーリー       上映時間:2時間4分
出演:ケイト・ウィンスレット・・・・・ハンナ・シュミッツ
     レイフ・ファインズ・・・・・・・ミヒャエル(マイケル)・ベルク
    デビッド・クロス・・・・・・・・・少年時代のミヒャエル
    レナ・オリン・・・・・・・・・・・・ローゼ・マーター/イラーナ・マーター(二役)
    ブルーノ・ガンツ・・・・・・・・ロール教授

<見どころ>
原作は、ベルンハルト・シュリンクのベストセラー「朗読者」。
名匠スティーヴン・ダルドリーが映像化。戦時中の罪に問われ、無期懲役となった
ヒロインを『タイタニック』のケイト・ウィンスレット、彼女に献身的な愛をささげる男を
レイフ・ファインズが好演。
物語の朗読を吹き込んだテープに託された無償の愛に打ち震える。

<あらすじ>
1958年のドイツ、15歳のマイケルは21歳も年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)と
恋に落ち、やがて、ハンナはマイケルに本の朗読を頼むようになり、
愛を深めていった。ある日、彼女は突然マイケルの前から姿を消し、
数年後、法学専攻の大学生になったマイケル(デヴィッド・クロス)は、
無期懲役の判決を受けるハンナと法廷で再会する。

<感想>
ケイト・ウィンスレットが、6度目のノミネートにして初のオスカーを手に入れた作品。

ひょんなことで、15歳のマイケルとハンナは出会って恋に落ちるが
いやぁ、前半から歳の差カップルの激しいベッドソーンを観るとは思わなかった。
それもカメラワークが、いかにもって感じの取り方でずいぶん艶めかしい。
初体験が終わって家に帰宅したマイケルが家族を見つめる表情は、
こちらも、なんか想像をかきたててしまうような状態になってしまった。
 
でも、ハンナが未成年の子に手を出しておきながら、「チャタレイ夫人の恋人」の
感想で「卑猥だわ」って言うのには、思わず失笑。
「あんただって、それに近いことしてるやん!」ってね。
 
それにしてもケイトの体当たり演技には、驚きの連続。
だって前半、↑のような姿ばっかりでしたもん。
 
で、マイケル役のデビッド・クロス君には、拍手を送りたい。
新人で、あそこまでの演技力。とりわけ法廷でハンナを見つめる表情は
こちらも涙を誘う。

マイケルの大人になった役は、レイフ・ファインズが演じたがこちらも巧い。
 
ハンナは、マイケルにとってひと夏の経験をした初恋の相手。
だが、ハンナの失踪、という形でふられてしまう。
少年期に、こういう振られ方ってけっこうキツイと思う。
恨みではないけど、後にひきずるだろうな~。
そしてそれが数年後、マイケルは傍聴人、ハンナは被告人として再会。
おまけに、彼女の過去も秘密も、ここで知ることになる。
マイケルの心の中は、複雑極まりなかったと思う。
それがず~~っと大人になるまで引きずるから、ハンナが彼に
与えた影響は、ほんと大きい。そんな複雑な心を少ない台詞と顔の表情で
巧く演じていたレイフとケイトにも拍手。

背景には、第2次世界大戦のことが描かれている。
法廷の戦犯裁判は、ナチスに従った女性に対する裁判で、かなり重い。
どちらの言い分も一理あるので、見ごたえがあった。
とりわけ、ハンナの「裁判長、あなたならどうしましたか?」の台詞は
胸に来るし、考え込んでしまう。

ハンナの秘密は、見ている側も映画の最初で、その内容はわかるが
秘密を公表すれば、おそらく刑は減刑できたであろうに、その選択はせず
無期懲役をうける選択をしたことは、私には解りかねる。
でも、彼女にとっちゃ、秘密が知られることの方が
死ぬほど辛いことだったんでしょうね。
守ることが、彼女のプライドだったのかもしれない。

後半、マイケルが再び、朗読者となってハンナを助けるが、それによって
ハンナが秘密にしていたハンデを克服していくシーンは、圧巻。
言いようのない感動がこみ上げてくる。
それだけに、彼女が下した最後の決断は、あまりにも悲しい。

観終わったあと、「こんな愛の形もあるのね」という余韻が残る大人の映画です。

個人的にはタイトルは、原作通りの「朗読者」のままの方が良かったな~。

点数:8.5点 (10点満点)

コメント (6)
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