Someday-Somewhere!

海、川、山。自然の中で遊ばせてもらいながら、
その中で感じたことを素直に、写真と文章を通して表現していきます。

心機一転~終わりと始まりと~

2017-10-18 01:51:57 | その他雑記
こんばんは。
おうじろうです。


長らく放置してしまい申し訳ございません。


今日は、ご報告があります。


10年間、続けてきて、
思い出の詰まったこのブログですが、
一度、終わりにしたいと思います。





そして、
心機一転、また形を変えて始めようと思います。
次のブログの題名は、
Someday-Somewhere!Vol.2~Nature and Photographs~


そうです。
Someday-Somewhere!の場所は変えていません。
これからも、
“いつか、どこかで”
素敵な出逢いがあることを楽しみに、
山へ、海へ、川へ、ときには街中へ(?)遊びに行くつもりです。


これまで、このブログに遊びにきてくださった皆様、
本当にありがとうございました。
また、新しいブログ、Someday-Somewhere!Vol.2~Nature and Photographs~
をよろしくお願いいたします。



SAKURA~前編

2017-04-22 04:20:37 | 旅の写真集
タイトルを見て、
おっ!サクラマス釣行ネタだっ!!
と思った方、すみません。

そのまま日本語にして“さくら”。
文字通り、桜についてのお話なのです。



最近、再びふつふつと写欲が出てきまして、
釣行時以外にもカメラを手にする機会が増えました。

そうなると、
季節柄、気になってくるわけですよ。
桜の花が。

撮影の感覚はかつてに比べると、
格段に落ちているであろう現在の自分が、
どこまでの写真を撮ることができるのだろうかと。



ということで、
思い立って出かけたのが日暮れ間近というタイミング。
もう気持ちが焦って仕方ないのです。


桜の花はまだほとんどが蕾の状態。
その中で絵になる花を探して、
背後の風景と重なりを考えて、シャッターを切ります。


太陽が沈んでしまうと、どうしても、
影の部分が消えて立体感がなくなってしまいますね。




あまりにも納得いかなくて、
1週間後、小雨が降り、霧に霞む日に、
島の桜を撮影しに行って来ました。

あえて、
ポピュラーな場所は外します。


空は真っ白、背景にしたい海も霧で真っ白。
当然、桜の花は目立ちません。
ですので、桜の木全体を撮るより、
花をアップ気味に捉える写真がメインになります。





メインの花がしっかり存在を主張できるように、
背景とのコントラストを重要視して構図を決めています。








これはちょっと露出オーバー気味。
失敗作だけど、気に入ってるから載せちゃいます。





背景に鮮やかなグリーンを選ぶと、
この天候の中でも花が生き生きして見えますね。





満開の桜の花の中でも、
このようなぽつんと寂しい感じの一輪に
眼が向いてしまうのはどうしてでしょうかね?






すでに夕方が迫っている時間帯からの撮影で、
島を右往左往しているうちに、
徐々に暗くなってきました。

せめて1枚は、
霞んだ中に佇む桜の木を写したいと思っていたのですが、
なかなか思うような景色に出逢えずじまいで時間は過ぎていきます。
そして、諦めかけていたそのとき、
トンネルを通りすぎる際に見つけちゃいました。
車を止めて歩いて戻っての撮影。

トンネルの黒い内側がちょうどよいコントラストを
作ってくれたおかげで白くかすんだ景色にメリハリがつきました。





帰り際に偶然見つけた桜の木。
実際には写真以上に暗くなってる中での撮影です。
少し下側の黄色の面積が大き過ぎた感じがしますね。



トリミングすれば良いのでしょうが、
反省と今後への課題という意をを込めて、
そのまま載せることにしました。




街灯にも明かりが付き、
夜の帳が下りる頃、島を出たのですが、
相変わらず海を覆う霧のように私の心の中ももやもやしたままで。


次の週には広島市内の桜は一気に花びらを落とし始め、
夏に向けて緑の葉を伸ばし始めようとしている中、
私は再び春を呼び戻すかのように県北へと車を走らせるのでした。


残雪の渓

2017-04-14 03:22:06 | トラウト(渓流)
暇があればスノボーに通ってた頃もあったのに、
最近はめっきり雪遊びをしなくなって。
タイヤをスタッドレスに履き替えることもなくなった。

だから、ふと雪を見たくなっても、
指を咥えて北の方向を遠く眺めるだけ。


でも、今年はどうしても雪の上を歩きたくて、
3月の名残雪の後を見計らって山間部へと。



マイナス6℃という凍えるような気温の中でも、
心の昂りのせいか、寒さを感じることもなく、
滑り落ちるように沢へ降り立つ。




水温は2.5℃。
低温に強いゴギでさえも、
岩陰でひっそり寒さに耐えているのか、
なかなか姿を現さない。



稜線から陽が差してきた。
残雪が眩しいくらいに白く輝きだす。








陽が差し込み、水温が上がるにつれて、
魚の活性も上がるのではという目論見が崩れ、
一歩一歩が重く感じ出す。
とにかく、時に膝まで埋まる高巻きがしんどいのなんの。










今回、最初から中間地点まで、ずっとスプーンで通した。
低水温にはスプーンが強いという一般論を重視したのもあるけれど、
この機にスプーンの釣りに慣れておきたいという考えがあったから。
その結果、ノーヒット。

この時点で5匹ほど釣っているK君は
ミノーでの釣果。

むくむくと頭をもたげる
頑固さの首根っこを抑えつけ、
後半からはミノーをスナップへ。



結果はすぐに出た。






途中までは、人が歩いた形跡が残っており、
単純にプレッシャーが掛かっていたか、
あるいは、スプーンをうまく操れていなかっただけという
可能性もあるのだけど。












登りですでに太腿が悲鳴を上げていたのに、
下りはさらにしんどさが増して大変だった。
雪を見たくてやってきたのに、もう雪はうんざり。
とうぶん眼にするのも嫌になるくらい。


まぁ、それでも、
数日後、筋肉痛が取れる頃には、
また雪の中を登りたくなったのだけどね。






本当は、数回の釣りの中での、
厳選した写真とともに、
“初春の渓”というテーマでまとめて
記事にしたかったのだけど、
結局、単発の釣行日記になってしまった。
来春はこの時期からもっと足を延ばせたらいいな。




今回の釣行では、
重たい思いをして一眼レフに三脚も持って歩いたので、
せっかく撮った写真を最後に載せて終わりにしたいと思う。









今度は、新緑の渓かな。


2016年回顧録~アマゴ・ヤマメ~晩夏、初秋編

2017-02-21 01:55:24 | トラウト(渓流)
渓流釣りを始めてから数年は、
梅雨が明けてからの時期が苦手だった。

細く痩せた流れ。
容赦なく川を照らす太陽。

魚の姿を拝むだけでも苦労し、
1匹の魚をも手にすることなく帰ることも。



それは、季節の変化を考慮に入れず、
最盛期の釣り方のままを通していたから。



ということに気付いてから、
180°とまではいかないまでも、
90°くらいは視点が変わったかも。


今では、
盛夏から晩夏の方が
好きになったほど。







この日は、雨がぽつぽつ降って、
状況的にはかなりプラスの要素のある日。

その代わり、
森全体が薄暗く、写真撮影が非常に難しかった。
アップにするとシャッタースピードが遅くなり、
引いた写真では、コントラストが強すぎて、
魚体が白く飛び気味になる。







晩夏の釣りは、
青空に白い雲、セミの鳴き声といった、
夏のピースそれぞれが名残惜しく、
哀しい気持ちになる。

小学生の時の、
夏休みの終わりに似ている。










この日は、8月最後の日曜日で、
同じような感慨を持つ人が多いのだろう。
川という川に人、ひと、ヒト。


だからこそ、
細くて、両岸からボサが垂れ下がり、
釣りづらい川を選択する。





時には、
低木の枝が全面的に流れに覆い被さっており、
一歩進むことさえも困難な状況に陥る。



ロッドを高く掲げ、
枝を跨いだり、
ロッドを水面ぎりぎりに差し出して、
枝を潜り抜けたり。


そのような格闘の末、
やっとこさ抜け出した後での1匹は、
サイズに関係なく本当に嬉しいものだ。








ここ数年、
ホーム近辺が禁漁期に入る9月には、
婚姻色を纏うヤマメを狙って遠征している。


一昨年、出逢った心に残る1匹。


このような、
いや、これ以上の魚を求めて。




アケビの種を飛ばしながら、
冷たくなった秋の川を遡る。










今回は、秋色ヤマメには出逢えず。
可能性のあった1匹がいたにはいたのだが、
一瞬の重みを手に残したまま川底へと姿を消してしまった。



その代わりに、
眼を愉しませてくれたのは、
これまたホームエリアには棲息していないニッコウイワナ。





毎年、1回ずつの秋ヤマメ遠征。
今年はもう少し増やそうかとも思っているのだが、
さて、どうなることやら。
なんだかんだとお金も時間も掛かるからねぇ。




これで、なんとか、
新しいシーズンが始まる前に、
昨シーズンのトラウト釣行記事を書き終えた。


今年は、
またどのような風景や魚に出逢えるのだろうか。
楽しみで仕方がない。

より写真にも拘って、
オリジナリティの高い作品を発表していこうと思う。



それでは、また。
渓流からの便りをお楽しみに。

北アルプス歩き~2015~その3

2017-02-14 05:10:24 | 山の写真集
約1年前に“その2”を書いてから、
続きを書くことを放棄していた。

春頃から、
今年は北アルプスに行けそうにない
とうすうす感じ取っていたために、
山に対する気持ちが薄まってしまったのだ。


せっかく、
前年に久しぶりに山登りを
復活させたのに萎んでしまった気持ちを
どうすることもできなくて。



そして、やっと…

ブログ10周年ということで、
2015年の穂高山行の続きを書こうかと
いう気になった。


いや、ここで書いておかないと、
今年の山に対峙できないような気がしたのだ。




ちなみに、
その1は、コチラ
その2は、コチラ



さて、


<3日目>


テントの中で目を覚ますと、
隣の大学生パーティーは、
まだ真っ暗い中、すでに出発するところだった。
一気に奥穂高岳、前穂高岳を越えて、下山するようだ。


ところで、自分はどうしよう?
その若者たちのように、大荷物を背負って、
日本アルプス有数の危険なルートを一気に越える自信はない。


テントの中でゴロゴロしているうちに、
心は決まった。
というか、時間的に他の選択肢が消えた
と言った方が正しい。


今回のメインだった縦走は諦めて、
午前中は北穂高岳周辺でゆっくり写真撮影しようと。



ごそごそと起き出して、
朝食を作っていると、
東の空が明るくなってきた。




靴紐をギュッと締めれば、
気持ちも締まり、それまでの迷いも葛藤も消える。


今回、踏破を諦めた奥穂高岳方向。



前穂高岳方向。
下に移っている黄色いテントから這い出してきたのだ。




8月と言えど、
標高3000mの早朝の空気は身を切るように冷たい。
その冷たさが山の神聖さを際立たせる。



常念岳山頂辺りからのご来光を身体全体に浴びる。
頬にふわっと感じるこの温かみのために
苦しい思いをしてまで登ってきたのかもしれない。







キャンプ場から昨日登頂した北穂高岳までは
歩いて15分くらいなのだが、
その間だけでも心惹かれて、
思わずレンズを向ける光景が次々と現れる。
昨日、何度か往復した道と同じだとは思えない。








再び、北穂高岳登頂。

再びと言えど、
恐らく、何度来ても飽きないだろう。



西鎌尾根と槍ヶ岳。
あの夕立と雷。
怖い思いをした過去の体験が昨日のように蘇る。



東鎌尾根と槍ヶ岳。



大キレットと槍ヶ岳。



昨日は、ここをテント背負って越えてきて、
一気に涸沢まで下った猛者と話をして盛り上がった。
ここもいつかは歩いてみたい。


大キレットの一部。
かなり急峻で、足が震えそう。





北穂高岳山頂でのんびり過ごす。
登ってきては記念写真を撮り、
次へと向かうパーティーをいくつも見送りつつ、
のんびりと風を感じ、風景の変化を心に焼き付ける。




奥穂高岳~ジャンダルムの稜線。




この雲海がねぇ、
奥穂高岳の手前に入ってくることを期待してたんだけど。



気温が上昇すると、ガスが湧く。
山の日常。




そろそろ…
と思いながらも、なかなか腰が上がらない。
いつまでもここにいたい気持ちが強い。






しかたなく、涸沢まで下りる。
本当に、“しかたなく”。




どんどん標高が下がっていく悲しさ。





しかも、
途中で一眼レフの電池が切れて、
ここからは、コンパクトデジカメでの撮影。




涸沢まで下りて来てしまった。
数時間前まで同じ目線にあった
前穂高岳が遥か上に聳え立っているこの現実。





<4日目>



朝から予想通り、雨。
それもかなりの激しさ。

2日目に目の当たりにした滑落事故。
小屋の前にあるボードを見ると、
遭難者数、死亡者数が1人増えていたことが
気分を憂鬱にさせる。


この夏の槍穂高連峰で
亡くなられたのは9人目だったかな。


次は自分の身だった可能性もあるわけで、
この悪天候を見越して引き返したことを
正解だと思うことにした。
悔しいけれど。








涸沢から上高地へは大雨の中、
ちょっとした川のような登山道を
ほぼカメラを出すこともなく、淡々と歩いた。



それでも、
土砂降りの中、どうしても撮りたかった1枚。
このおかげでデジカメの調子が悪くなって、
後に、使えなくなってしまったのだけど。






横尾山荘を越えたあたりから、
天気は回復し始め、
梓川沿いを上高地へと歩く頃には、
薄光りが差し始めた。

行き交う登山者たちが羨ましい。
自分も引き返したくなる。
あれだけ登りの苦しさに、
来なければ良かったと後悔したにもかかわらず。


毎回、思うのだけど、
この複雑な気持ちは何なのだろう?

人生において、
その他の状況では感じることのない
この感覚は何なのだろう?





ところで、今年の夏は山に行けるのだろうか?
今のところは、まだ登りたい気持ちは出てきてないけれど、
暖かくなるにつれて、
雪解けが進むにつれて、
身体がうずうずしてくるに違いない。


あの光を、あの風を、あの高揚感を、
身体が覚えてしまっているから。