Someday-Somewhere!

海、川、山。自然の中で遊ばせてもらいながら、
その中で感じたことを素直に、写真と文章を通して表現していきます。

プチ写真集~北アルプスその1 前編~

2007-07-03 04:49:31 | 山の写真集
1999年、お盆休みを利用し、北アルプス縦走に初めて挑戦しました。
今回は、その山行で撮った写真を文とともに公開します。

ルート:猿倉~白馬大雪渓~白馬岳(泊)~白馬三山~
    不帰ノ嶮~唐沢岳(泊)~五竜岳(泊)~遠見尾根

ふつう、このルートは2泊3日ですが、私はゆっくり写真を
撮ったり、良い景色の場所ではのんびり眺めてたいので3泊と
余裕を持ったプランにしました。


☆1日目☆

前日の夜に駐車場に着いて車中泊。
朝、目覚めて外を見ると、北アルプスの岩壁が朝日を浴びて
赤く染まっている。
いわゆる「モルゲンロート」というやつだ!

逸る気持ちを抑えて登山靴の紐を締める。
気持ちもグッと引き締まる。
この瞬間がなんとも言えず好き。

白くて太い帯が遥か上の稜線に向かって伸びている。
日本三大雪渓のひとつ、白馬大雪渓が目の前に現れたのだ。
アイゼンを装着し、深呼吸をひとつ。
そして、一歩一歩進み始める。
ザクッ、ザクッ。
アイゼンの爪が雪に刺さる音が気分を高揚させる。
風が吹き抜けると、冷蔵庫を開けた瞬間のように
ヒヤッとして心地よい。
そして、真っ青な空・・・

実は、大雪渓を登るときの写真はない。
ところどころに存在するクレバスやシュルント
(雪渓の上に開いた溝、穴のこと)や落石なんかを
フィルムに収めていたのだが、ちょっとしたミスで
すべてパーになってしまった(涙)
今でも悔やまれる痛恨のミス。

ここから、写真とともに。

白馬岳は高山植物が豊富なことでも有名。
写真は大雪渓の上にある小雪渓で。




午後3時頃、白馬山荘着。
その頃にはガスがかかり、白馬岳山頂にも立ったが
360度何にも見えず。

真夏にかかわらず、夜は寒い。
昼にTシャツだったのが、夜はフリースを着込み、
小屋にはガスストーブが。
なんか変な感じ。


☆2日目☆

暗いうちに起き出し、外で空を眺める。
星が見えすぎて、かえって星座が見つけにくい。
天の川を英語で「MILKY WAY(ミルキーウェイ)」というが、
うまく名づけたものだと思う。

ヘッドライトを点けて稜線へ。
三脚にカメラをセットし、寒さに震えながら御来光を待つ。
東の空が明るくなるにつれて、カメラマンたちが集まってくる。
みんな同じように三脚の前でポケットに手を突っ込み、
同じ方向を見つめてる。
ワタシの苦手なシチュエーション。

もしかして・・・みんなより先にシャッターを切る。
すると・・・
ワタシの一番のお気に入りの写真が撮れましたv(^^)v



そして、もう一枚。
右上をよーく見ると、南アルプスの向こうに富士山が!
眼下に白馬村の灯かりも。



モルゲンロートに輝く後立山連峰の山々。
杓子岳、白馬鑓ヶ岳、五竜岳、少しだけ鹿島槍ヶ岳。
(白馬岳山頂付近より撮影)


この後、朝ごはんを食べてから、いざ、縦走開始!

初日の大雪渓は人が多く、特にツアー登山者が多くて、
人の声が絶えず耳に入ってくる状態だったのだが、
従走路に足を踏み出すと人もまばらになり、
自分の足音が大きく感じられる。
一歩一歩、大地を歩いてる実感。
風の音と時々聞こえる鳥の声。
目の前に誰の姿もない。
後ろを振り向いても誰の姿もない。
眼下には雲海が広がってる。
白い残雪を抱いた山が連なっていて(まさに「山脈」)
頭上には蒼い空がどこまでも広がっている。
この先はすべて自分の判断に委ねられる。
ワーッ!と叫びたくなるような開放感とともに、
ピリッと引き締まるような緊張感も。
五感が研ぎ澄まされていき、危険を察知するための
アンテナがスーッと伸びていく感じ。
ふだん、どれだけ平和ボケしてるか、周りの判断に委ねて
生きてるのか痛感する。
人間にも野生動物並みの察知能力が備わってるはずなのに、
ほとんど使われることもなく眠ってしまってるのだろう。




後半へ続く。