一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

イグ・ノーベル賞(その3)

2005-10-11 | よしなしごと

イグ・ノーベル賞。今回が最終回です。
(その1はこちら
(その2はこちら


化学賞
長い間、結論が出なかった「人類は水とシロップの中の、どちらでより速く泳げるか?」という科学的な疑問について、入念な実験を行ったミネソタ大学のエドワード・カスラー氏とブライアン・ゲットルフィンガー氏に授与。

これは流体抵抗と粘性抵抗という、物理学賞(その1参照)同様の観点かなと思ったのですが、受賞者はミネソタ大学の化学の教授で、浸透膜などの薄膜の研究者です。
掲載した学術論文のサイトも、概要が書いてないので内容はよくわかりません。(編集者はまあ、こんなのもいいか風なコメントを書いています)
論文名が"Fluid Mechanics and Transport Phenomena   Will humans swim faster or slower in syrup?"というものなので、流体抵抗が皮膚の薄膜にどのように伝わっていくかの研究、ということなのでしょうか(強い風や水を顔に当てると皮膚が伸びて変な顔になるとかいうのと同じかな?)


生物学賞
「においを発するカエルの分泌物の機能と系統発生的意義についての調査」に授与。オーストラリア・アデレード大学などに所属するベンジャミン・スミス氏とジェームズ・クック大学のクレイグ・ウィリアム氏、アデレード大学のマイケル・タイラー氏、オーストラリア・ワイン研究所のハヤカワ・ヨージ氏らは、131種類のカエルがストレスを感じた際に発するにおいを、辛抱強く嗅ぎ続けて分類した。

ベンジャミン・スミス氏はスイスの香水会社にも所属しているようです。それに、ワイン研究所の研究者も参加しています。「臭い・香り」を科学的に分析するというのは研究課題としては難しいんでしょうね。(日本でも「臭気判定士」などという資格もあります)

日本では蝦蟇の油売りの口上に「四角四面の鏡に映った己の醜き姿にたら~りたら~りと脂汗を流し・・・」というくだりがありますが、カエルってストレスを感じやすいのでしょうか?


栄養学賞
「毎回の食事内容を34年前から写真で記録し続け、現在も継続中」のドクター中松に授与。

ドクター・中松さんは、食べ物と体の調子の関係を探ろうと、42歳の誕生日から毎日の食事を記録した。レストランで写真を撮る際にシェフにレシピを盗むのではないかと疑われたり、その場の雰囲気を壊したりしないように小型の特製カメラも作ったという。

とのことですが、数ヶ月前たまたま僕が飲んでいた小料理屋に入ってきたときは、写真は撮ってなかったように思うのですが(それが小型カメラの威力か?)


流体力学賞
基本的な物理法則を使ってペンギン体内の圧力を計算し、その詳細を「ペンギンがふんを出すときに生じる圧力:鳥類の排便における計算」にまとめた、ドイツ・ブレーメン国際大学のビクトル・ベンノ・メイアロコウ氏とハンガリー・エトヴォシュ・ローランド大学のヨゼフ・ガル氏に授与。

この研究には共感するところ大です(しゃれじゃなく)

一般的には排便時には思いっきりいきめば気分はいいのですが、中身の硬さ・柔らかさ、ガスのたまり具合、便器の構造と水の張り具合によっては「はねかえり」等の二次的被害を蒙るおそれがあり、また(自宅以外の場合は)隣のブース等の人気(ひとけ)にも配慮しないとレピュテーション・リスクにさらされる事になります。
「差込み」などで急に便意を催してトイレに駆け込んだ際にも、冷静な状況判断が求められる所以です。

TOTOやINAXはこの論文を便器の開発に生かせないものでしょうか。


<追記>
イグ・ノーベル賞2006をアップしました。

コメント
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