一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

ホワイトバンドについて

2005-10-25 | よしなしごと

ホワイトバンド:趣旨説明不足で購入者から批判
(毎日新聞 2005年10月24日 10時26分)

世界的な貧困根絶キャンペーンに合わせて国内で300万個販売された腕輪「ホワイトバンド」に対し、購入者から批判が出ている。
「売り上げの一部は貧困をなくすための活動資金となる」との触れ込みだったが、食料などを送るわけではなく、細かな使途も決まっていないため。
事務局は「ホワイトバンドは『貧困をなくす政策をみんなで選択する』意思表示が狙い。分かりにくかったかもしれない」と説明し、店頭で、募金活動ではないことを強調する表示を始めた。


「ほっとけない世界の貧しさキャンペーン」のHPはこちら
問題提起のサイトはこちら

HPによれば、ホワイトバンド運動は「貧困をなくす政策をみんなで選択する』意思表示が狙い」であって、途上国への援助活動のための募金ではなく、「ここでは日本版の『***』をあしらったホワイトバンドをご紹介していますが、「白いバンド」であれば多種多様なバンドがあって構わないと考えています。」ということなので、自分で白い布を着ければいいらしいです。

主張自体はもっともなので、それに異を唱えるつもりはないのですが、販売活動をする以上、消費者に誤認させるような営業はよくないと思います。

ということでキャンペーンのHPを見てみました。
疑問が出てからいろいろQ&Aの対応をしているようですが、「ホワイトバンドは何でもいい」といいながら、メインに「白い布をつけよう運動」をアピールするより「『***』をあしらったホワイトバンド」の購入に誘導するような作りになっているところがちょっと問題なのかな、と思います。

「(運動に賛同する)団体の活動の収益になる」ということを前面に出せばいいのにと思いますが、「それでは売れない」という判断があったのであれば、そこに邪(よこしま)な気持ちがあると勘ぐられても仕方ないかもしれません。


もっとも、寄付をする(寄付だと思って買う)方も、自分の寄付がきちんと想定の使途に使われるかどうかについて考えてからすべきだとは思います。
たとえば100万円寄付をするとしたなら、使途や結果の確認を求めますよね。
1本300円という気安さもあるのでしょうが、気楽に参加する一方で「自分の善意は当然に相手も自分の期待するように汲み取るべきだ」というのも、ちょっと期待しすぎの観があります。

どうしても文句が言いたければ、運動のありかたや主張自体の是非を争うと水掛け論になってしまうでしょうから、販売店(=事業としてやっているはず)に対して消費者契約法の「不実告知」とか「不利益事実の不告知」で契約の取り消しを求めてみたらいいと思います(300円ですけど)

ところで、最近NPOというと、企業へのクレームなどに介入して非弁行為スレスレを行う方々が「環境保護」「消費者保護」などを謳い文句にしたNPOを隠れ蓑にすることが結構あるようです。

なので、僕自身はNPOというだけで信用するのでなく、実態を確認しないと安心できない性質なのですが、
「ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーン・ガイドラインを見ると「賛同団体の権利」の中で「別紙「公式ホワイトバンド再販の規定」にしたがい、ホワイトバンドを販売することができる。」とされています。
そして、「賛同団体の条件」として

政府機関ではなく、かつ営利団体でないこと。
実態をもつ団体であること(連絡先を明記すること、活動の実績があること)。
本キャンペーンの目的、キーメッセージに賛同すること。
当ガイドラインに合意すること。
以下の倫理基準に合致していること。
暴力団・暴力集団関係の団体でないこと。
政治団体が選挙活動等、その本来の目的を遂げるためのみに参加するものでないこと。
宗教団体が布教等、その本来の目的を遂げるためのみに参加するものでないこと。
日本の国内法及び国際法等を遵守していること。
なお、キャンペーン実行委員会が上記各条件に合致していないと判断し、かつ、勧告・指導を経てなお改善がみられないと判断した場合には、賛同団体としての資格を剥奪する場合がある。

と、意外とゆるいですね。
「活動の内容が本キャンペーンの目的に沿うもの」というのがないのは、賛同団体を広く集めようという趣旨なのでしょうが、何となく「小遣い稼ぎに便利」と乗ってくる人も拒まないのでしょうか。


賛同団体はHPに明記してありますので、ホワイトバンドの理念・仕組みを十分理解し、それぞれの団体を調べたり、賛同団体を騙った人からニセモノをつかまされたりしないように気をつけたうえで、買うなり自分でつけるなりすればいい、ということだと思います。

善意も自己責任、のご時世ということでしょうか。

コメント
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