イグ・ノーベル賞の続きです。
(その1はこちら)
文学賞
電子メールを利用して「大胆な短編物語(詐欺スパム)」を配信し、少ない資本で富豪を引き寄せ、かなりの金額を手中にしたナイジェリアの「インターネット起業家たち」とその協力者に授与。
内容的には
いわくつきの巨額の資金を隠し口座に有する人物が、メールの読者に小額の出資を求め、彼らの大金へのアクセスが確保できたあかつきには、その一部を分けてあげます。
というものです(実物ははこちら)
相当有名な詐欺スパムということは、けっこうひっかかった人がいるのでしょう。
日本でも「M資金詐欺」というのがありましたが「M資金を融資する前提として配当を前払いさせる」のと同じ手口ですね。
冷静に考えればおかしい話だとわかりそうなものですが、こういう話は琴線に触れる要素があるのでしょうか。
あ、思わせぶりでプレゼントをおねだりする女性とそれに鼻の下を長くして乗ってくる男、という構図と同じか・・・
平和賞
「映画『スター・ウォーズ』の名場面集」を見ているバッタ脳細胞の電気的活動の観察」を行った、英ニューカッスル大学のクレアー・リンド氏とピーター・シモンズ氏に授与。
これって、何でバッタなのか、とか、何でスター・ウォーズなんだと疑問がふつふつとわいてくるのですが、リンド氏の研究の紹介を見ると、
私は、接近してくる物体の中で自分と衝突する物体のみに反応するというバッタの視覚システムの回路の研究をしてきました。私はこの生物学的なニューロンの働きを研究するなかで、これを入力回路の設計に使えないかと考えるようになりました。バッタの持つ能力の技術的な応用の可能性が認識されるようになったのです。
最近私は、チューリッヒにある"Institute of Neuroinfomatics"のいくつかのグループと共同研究を始めました。われわれは、バッタの衝突回避感知能力を基にしたモデルを、ロボットにおける衝突回避システムと、衝突予測のアナログ集積回路の開発に利用しようと考えています。
とまあ、非常にまじめな研究です。
要するに、「向こうから近づいて来てぶつかりそうになる画像」が必要だったのですね。
でも、将来ミサイル迎撃システムとかに応用できそうなので、「平和賞」とも言っていられないかも・・・
経済学賞
「何度も何度も逃げて隠れる目覚まし時計の発明」で、米マサチューセッツ工科大学のガウリ・ナンダ氏に授与。この目覚まし時計を使うことにより、寝ている人は起き上がって、目覚まし音を止めることが必要となる。その結果、理論上労働可能時間が増えた。
実物はこんなかんじ。
Clocky is a clock for people who have trouble getting out of bed. When the snooze bar is pressed, Clocky rolls off the table and finds a hiding spot, a new one every day.
とあるように、ふわふわしているのでそのまま床に落っこちて走っていくのでしょう。
注目すべきは受賞者のガウイ・ナンダ氏、HPを見ると、MITメディア・ラボとミシガン大を卒業した御年25歳のなかなかの美人です。
(つづく)
(その3(最終回)はこちら)